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息子の通院に付き添うとものすごく疲れる理由について仮説を立てました

「小児科の前で2時間座って待っていただけなのに、ものすごく疲れた。なぜなぜ?」

我が家には脊髄髄膜瘤で生まれたため、生まれつき歩けない10歳の息子がいます。

息子は自分では歩くことができないということで、いわゆる重度の身体障害児なのですが。

重度障害児の子育てというのは、まあまあ何度も病院へ行く生活です。

息子の場合には、定期的に小児科、脳外科、整形外科、小児神経科などに定期的に通っていて。

定期的に通っている小児科とか脳外科とかが、それぞれバラバラで通院予約を組まれるので、なんだったら同じ病院に週2回も通うことも珍しくなくて。

月曜日は小児科で、同じ週の金曜日には、月曜日に行った小児科と同じ病院の本館1階にある脳外科へ行く、なんてこともザラです。

で、通院のめんどくささは、なんだか永遠に変わらなさそうなので置いといて。

息子を病院へ連れていく度に思うのが。

私は息子を病院へ連れて行って帰っただけなのに、ものすごく疲れる。

ということなんですよね。

息子は今10才になるので、通院歴は10年。

しかも10年間、ほぼ同じ病院に通っていますので。
病院にも、待合室にも、病院の行き方にも、看護師さんにも、事務の方とのやりとりにも慣れたものなんですが。

小児科だったら小児科の前の待合室で1〜2時間待ち、会計して帰ってきただけなのに、なぜかものすごく疲れるんですよね。

これが息子が乳幼児の頃は、出かける準備の、オムツやミルク、経管栄養のセットや酸素ボンベを持ち歩いていたので、準備だけで疲れて。

そのうえ病院では自分たちの順番を待っている2時間ほど抱っこ地獄になるのは、身も心も疲れ。ものすごく疲れるというのは分かるんですが。


今や息子は10才でして。

10才ともなれば、病院の待合室で、自宅から持ってきたタブレットや本を渡しておけば、息子は平気で1〜2時間くらいはひとりで待っていてくれるんですよね。

その間、親の私も、病院内にあるローソンで買った紅茶だかコーヒーを飲みながら、お菓子とかこっそり食べならが、スマホで本でも読んでいれば、1〜2時間とかあっという間に過ぎていて。

待ち時間の間に、何か苦痛があるわけではないのに、ものすごく疲れるんですよね。

でもまあきっと、家と違う環境で、静かに待っておかなければならないというのは、私にとって相当ストレスを感じるんだろうなと思っていたんですが。

最近は、この疲れ具合はもしかして、自分にあるんじゃなくて。

病院の待合室全体に立ち込める、不穏な空気にあるのではないかな、と思いはじめました。

息子が通う病院は、総合病院の小児科であったり、脳外科だったり。
重い病気や難病の子供たちが通う場所なんですよね。

症状の軽い人は、近隣の小児科やクリニックへ行くわけで、わざわざ混み合う総合病院へは近づかないと思いますので。

で、息子も含めて何らかの重い病気を持っていると、やっぱり不安が常に付きまとうわけなんですよ。

例えば、
・病気は治るのか
・子供の将来はどうなるのか
・体が痛い
・痛いのをなんとかしてくれ
・仕事はどうなる
とか。

さらに、待合室で堂々と、入院する方に入院費の説明をしている場面もよく見るんですが。
そうなると、
・入院したら費用はどのくらいなのか
・入院中、後の仕事ができない、お金がない
のようなお金の不安も漂ってきます。

さらに、狭い待合室で1〜2時間待たされることで、
・診察の順番はまだなのか
・早く帰りたい
・子供がおとなしく座っていないからイライラする
ということも思ってしまいます。

というようないろんな不安が待合室には立ち込めているわけで。
なんだか不穏な空気に包まれているんですよね。

だから、車椅子の息子を病院に連れていくだけで疲れるのは。

私は、ただ待っているということにものすごくストレスを感じる、だけではなくて。

待合室で待つ人たちの不安な気持ちに同調してしまい、ものすごく疲れるのではないかなと仮説を立て始めました。


だとしたら、暗い顔をした人に近寄ると、ますます不安と疲れが増幅しそうなので。

病気になっても前向きで楽観的に捉えている人はいないかなと探したのですが。

特に小児科だと、子供は病気だけど。
お父さんお母さんは若くて元気で。おじいちゃんおばあちゃんには、お金も時間にも余裕がある、という人もいるはずなので。
子供が病気でも楽観的に捉えている人もいるはずなんですよね。

でも、楽観的に捉えている人でも、病院で2時間も待たされたら不穏な空気に毒されるのか。
病院の待合室で幸せそうな顔をした人を、見つけることはできませんでした。

そして、またものすごく疲れて家に帰るという悪循環です。


というわけで。

「小児科の前で2時間座って待っていただけなのに、ものすごく疲れた。なぜなぜ?」

と思っていたので。

疲れる理由は、病院の待合室全体に立ち込める、
「診察はまだなのか」「病気で不安」のような不穏な空気に毒されて疲れるのではないかな、と仮説を立てましたという話でした。


(追伸)
この話がなるほどと思った方からの、投げ銭をお待ちしています。

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