見出し画像

川に流されて生き延びた話<体験談>③

僕は4歳から水泳を習っていて、小学2年生の頃には泳ぎが得意という自負がありました。
そんな僕は幼いころに何度も溺れた経験がありました。僕がおぼれた経験とそこから学んだ対策を少し話します。

水泳教室で泳ぎ方を教わり、そのレッスンの最後に大きな板のような浮きを使ってみんなで落としあったりして遊ぶ時間がありました。

予期せず、突然水の中に落ちるとパニックになります。
どっちが前で後ろで、どっちが上で下で、自分が今どんな体制なのか。
何もかもわからなくなり、必死に浮かぼうとしているのに下に向かって泳いでしまいプールの底へたどり着いた、なんてことは何度もありました。

水泳教室では、先生が見てくれていて助けてもらえます。
しかし、それもすぐに、確実にとは言えません。
僕はパニックで水を飲みぎりぎりで助かったことがありました。

溺れた経験から気づいたことがいくつかあります。
一つ目は、水に落ちる前にしっかり息を吸っているのと吸っていないので限界が来るタイミングが全然違うということです。
なので、水に潜るまたは落ちる時にはしっかり空気を吸い込むことが大切です。

二つ目は、肺に空気がいっぱいの時は浮くということです。
脱力すると、泳がなくても浮き上がっていきます。
しかも、手足を動かさず脱力すると手足が下になり、背中が上の体勢で浮き上がります。
肺には空気が入っていますから当然ですよね。
この時顔は下を向いています。
だから背中が上で顔が下。
パニックで下に向かって泳いでしまうのはこのためです。
下手に体を動かし続けるといつまでたっても上下がわからないままになります。
水に沈んだと思ったときは、焦らず脱力するのです。
すると、どちらが上かがわかります。
脱力をしてから体勢が落ち着くまで10秒ほどはかかるかもしれません。
それでも焦らず落ち着いて、上下を確認したら上に向かって泳ぐ、または体を反転させ上を向きます。
こうすることで助かります。

三つ目は、明るい方が上です。
流れがある場合や十分に肺に空気がない場合脱力しても浮き上がらないことがあります。
衣服を着用しているときも脱力だけではうまくいかないかもしれません。
その場合は落ち着いて周りを観察しましょう。
真っ暗闇でもない限り明るい方が上です。
パニックになって泳ぎださず、辺りを見回し上を確認してから泳ぎましょう。

四つ目は、流れに沿って(斜めに)進むです。
これは特殊な事象でしか活きてこない話かもしれません。
少しだけ、このことに気が付いたお話をします。

僕がまだ5歳か6歳のころの話です。
その日、近所のプールに家族と遊びに行きました。
そこには流れるプールがありました。
本当は7歳以上のこどもでなければ遊泳禁止で、足がつかないほどの深さだったのですが、泳ぎに自身があった僕はルールを無視して流れるプールに入りました。

開場とともに張り切って入場した姉と僕は、いの一番に流れるプールに向かいました。
まだ人はほとんどいなく、一番乗りでした。
これは今ではありえないのかもしれませんが、プールに水を注いでる状態でした。
直径20cm以上あったでしょうか?いくつかある水道管から勢いよく水がプールに注がれていました。

姉と僕は一緒には入ったものの、流れるプールだったのですぐにばらばらになってしまいました。
親がいた場所からも流れて離れていきました。
そうして一人で泳いでいると勢いよく水が注がれている水道管が目に入りました。
興味本位で近づいてみると…

みるみる体が吸い寄せられていきます。
遠ざかろうと流れに逆らって全力で泳ぎましたが、その場から離れられません。
とうとう体力の限界を迎えてしまい注ぎ込まれる水のところまで来てしまい水中に叩きつけられました。

少しパニックになりながらも冷静に自分の置かれた状況を把握して、脱力と明るい方向に向かって泳ぐという溺れたときの対処法を取りました。
無事にすぐ浮かび上がることができました。
そして一呼吸した瞬間、再び水中に叩きこまれました。

そうです、この状況はまさにあの滝に飲まれた時と同じです。
逃れられないループに嵌ってしまいました。

つづく

ここから先は

0字

この記事が参加している募集

自己紹介

よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!