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川に流されて生き延びた話<体験談>①

初めまして。そして初めてnoteに書いてみます。
これは僕が小学二年生の夏の出来事です。

僕は小学二年生、2つ上の姉と4月に引っ越して新しい学校に転入しました。
この地域はニュータウンで全校生徒の3分の1くらいが転入生でした。
そんな環境ということもあって、姉のクラスの担任の先生の心遣いで、先生のお宅に集まって交流会を開くことになりました。
今の時代では御法度なのかもしれませんが、姉のクラスの生徒とその兄弟姉妹、母親が招待されました。
先生の家は山奥のぽつんと一軒家で近くにきれいな川があるということで、在校生も転入生もみんなで交流しましょうという企画です。

夏休みが始まってすぐくらいだったと思います。いよいよ交流会が始まりました。
姉のクラスの生徒がだいたい15人くらい来ていたでしょうか、その兄弟姉妹が僕を入れて5人くらい、母親が15人くらいと姉のクラスの先生というメンバーでした。
行ってみると、先生の家は本当に山奥で、学校からはとても遠く、よくこんなところから通ってるなと感心しました。
先生の家から出て谷を下るとすぐにきれいな川が流れていました。

お昼ご飯を食べてそのあとにみんなで川遊びをすることになりました。
姉はクラスのみんなと遊びに行ってしまい、その他の兄弟姉妹はというと姉より年上の兄弟姉妹ばかりで、歳の離れた僕はなじめずに一人で遊んでいました。

僕より年上のみんなは、「魚がいたー!」「こっちもいたー!」とか「カニ捕まえたー!」などと騒いでいました。
僕も少し離れた下流側で川の底を覗いて魚を探したり、河原でカニを探したりしていました。
結構でかい魚を見ることができました。
カニは居たのは居たのですが小さいしすばしっこくて捕まえることはできませんでした。

川から上がって母親に他愛もない結果報告をしに行くも、母親同士の井戸端会議に皆夢中でした。

再び一人川の散策に向かうことにした僕は、河原を歩きやすいようにとサンダルを履いて川まで歩いていきました。
そして川に足をつけたときにサンダルが流されてしまったのです。
僕はとっさにサンダルを追いかけて泳ぎました。

これがすべての元凶でした。

ありがちな展開、どこかで聞いた話ではあるのですが、こうして事故は起こるものなのだと注意していただきたいです。

片方のサンダルを追いかけて泳いでいると、もう片方のサンダルも脱げてしまい、もはやどうしようもなくなりあきらめようかと思ったところで、目の前の川幅が狭くなっていて流れが速くなっていることに気が付きました。
川の先が見えなくて、落ちているのではないか?滝?
そんなことが頭をよぎり、元の場所まで戻ろうと流れに逆らって必死に泳ぎました。

僕は4歳から水泳を習っていて、上達も早くクロールもバタフライも平泳ぎも背泳もなんでもできました。
泳ぐスピードにも自信があり、全力のクロールで泳いでいました。

そろそろ流れのはやい場所から逃れたかな?と、泳ぎを止めて周りを見てみると、さっきと景色が変わっていません。
まったく進めていなかったのです。

この時点で僕は体力を使い果たし、あとは流れに任せて流されるだけでした。
川幅はさらに狭くなり、流れはますます早くなり、滝の中に吸い込まれていきました。

つづく

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