見出し画像

水泳選手×腰椎分離症

本日は水泳選手に起きる腰椎分離症について発生要因と予防についてまとめます

先日の合同練習の参加者の中で3カ月前に腰椎分離症(その選手は三番目)と言われた選手に会いました。

その選手は高校一年生で背泳ぎの国体選手になります。現状コルセットを常に装着したままドライランドトレーニングにもあまり参加できずに、スイムも痛みが出ない様に力を抑えながら行っている状況です。特にドルフィンキックの際の腰を反らせた時に痛みがでるとの事なので、力の入れる所と泳ぎ方を指導した結果、痛みが軽減しました。だからといって、いきなり精一杯しては良いというわけではありません。必ず骨折部分の状態を医師に確認しながらで、状態次第では絶対安静な時もありますし、無理して更に悪化し、今後の選手生命にも関わる事もあります。一番理想は、そういう病態の知識もあり、水泳の事も分かり、現場で直接指導ができる人に相談できればいいでしょう!!

では、ここから腰椎分離症について分かりやすく簡潔に解説します。

腰椎分離症とは、背骨の後ろ側の骨の一部が、日頃の色々な刺激に耐えられずに一部折れてしまう、疲労骨折になります。
日頃の色々な刺激とは、腰の反り・回しが、腰椎分離症になりやすい刺激となります。

腰椎分離症には2つあり、背骨の後ろにある関節突起間部が偽関節になるものと関節突起部自体が疲労骨折になっているものがあります。スポーツ選手に多いのは後者になります。

この後者については、骨折が認められてから装具療法とリハビリの両方が必要になります。装具療法は硬性装具で体幹を固め、反る・回すを制御して骨折部にかかる負担を減らします。リハビリは骨癒合に合わせて物理療法と関節可動域訓練、運動療法が行われます。

おおよそ、治療開始から3週間は装具療法と柔軟体操や関節の運動を伴わない軽い運動となりますが、3週間後で癒合次第では積極的な運動療法が行われています。もちろん、この判断は医師の判断にはなります。

この3週間内での運動療法で行うストレッチですが、ハムストリングスと大腿四頭筋と腸腰筋のストレッチになります。しかし、これらのストレッチは全てコルセットを装着したストレッチになります。

3週間後に医師から積極的な運動療法の処方がありましたら、スタビライゼーショントレーニングで、いわゆるコアトレーニング系をコルセット装着したまま行います。この時点でも、腰を反る・回すに注意が必要です。

更に画像上で癒合傾向が確認され医師よりスポーツ復帰許可が下りたら、コルセットをスポーツ用に変え、分離症が起きた近接関節への可動性トレーニングや分離症付近の安定性トレーニングが必要となります。この時期からは、腰の安定性に配慮したまま有酸素運動も同時に行う事が可能となります

ここまでは、病院で行う内容になり指導されている内容になります。ただ、ここからが大事で、何故、そもそも腰椎分離症になったのでしょう?これを解決しないと、再発してしまい、悪循環です。水泳の中で腰を反る・回すという動きは必ず起きます。なので、それをするなというのは現実的ではありません。これに対する対処法は、泳ぎの中で力の入れ方やドライランドトレーングでの近接関節の柔軟性向上と体幹トレーニングが必要となってきます。ここらへんを踏まえ、選手へのコーチングやドライランドトレーニングが大事になります。

いかがでしょうか?今回は腰椎分離症に関してでしたが、水泳では水泳肩や肘、股・膝関節等々の障害があります。どうしてもパフォーマンスを上げる際には無理しますので、起きてしまう事をゼロにはできませんが、ゼロに近づける事は大事です。私のドライは速くなるための必要な部分もありますが、同時にスポーツ障害にならない為にも組んでいます。

そして、これが水泳選手の役にたつ事を願い、今回はここまででとさせて頂きます。最後まで熟読して頂きありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?