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「Apple Vision Pro」と「Apple live caption」の融合がもたらす聴覚障害者及び発達障害者の映画鑑賞体験の変化

こんにちは。いつもお馴染み、耳が聞こえない人のみが通う筑波技術大学の元学生で、現在は放送大学の耳が聞こえない近藤  史一です。 


今回は、Appleが発表した空間コンピュータ「Apple Vision Pro」と、その機能の一つである「Apple Live Caption」について、考えをお伝えしたいと思います。

結論

結論から言うと、私は「Apple Vision Pro」とAppleの「live caption」が、聴覚障害のある人にとって、映画鑑賞の体験を大きく変える可能性があると考えています。なぜなら、これらの技術によって、映画館にいるような感覚で映画を楽しめるだけでなく、字幕のない動画も自動で文字起こしされるからです。

Apple Vision Proとは何か

まず、「Apple Vision Pro」について説明します。「Apple Vision Pro」は、2024年初頭にアメリカで販売され、その後2024年末に日本でも発売される予定の、空間コンピュータというカテゴリの新型デバイスです。このデバイスは、頭にかぶって使用し、両目に表示されるのは現実空間の映像にバーチャルなモノが合成させたような映像と、もう一つは完全にバーチャルな映像のみです。つまり、自分の存在している空間に、映像や写真、ゲームといったデジタルコンテンツが存在しているのはもちろん完全にYouTubeや映画の世界といった場所に没入することが可能です。

このデバイスの最大の特徴は、2つの超高解像度ディスプレイに2,300万ものピクセルを詰め込んだことです。これによって、「Apple Vision Pro」はどんな場所でも、先進的な空間オーディオシステムに対応し、幅30メートルにも感じられるスクリーンを備えた、360°の没入感を感じることができる自分だけの映画館に変身します。私はこれを聞いて驚きました。聴覚障害がある人は、映画館で映画を見るときには字幕付きの上映を探さなければなりません。しかし、字幕付きの上映は限られた時間帯や劇場でしか行われておらず、自分の好きな時に好きな映画を見ることができません。また、字幕付きの上映が映画館で見られたとしても、聴覚障害者は目が過敏なので周りの人のスマホのライトや音などが普通の人よりも気になって集中できないことが現状あります。これは、周りの動きが気になってしまう発達障害の人にも役立つと思います。

しかし、「Apple Vision Pro」があれば、そんな悩みは解消されます。自宅で簡単に映画館にいるような感覚で映画を楽しめますし、周りの人や環境に気を配る必要もありません。また、「Apple Vision Pro」はデジタルコンテンツを現実の世界と融合させる世界初の空間オペレーティングシステム「visionOS」を搭載しており、サッカーやアメリカのドラマが見られる「Apple TV+」や全世界のドラマを見ることができる「Netflix」、日本のドラマがとても充実している「Hulu」といった様々な動画配信サービスと連携することができます。これらのサービスでは、NetflixとApple TV+はほぼ全ての動画に字幕付きで提供されていますが、アマプラやHuluといった動画サイトではほぼ字幕がありません。そこで、以下に述べる「Live Caption」及び字幕制作会社との連携を図るように促すことが重要です。

AppleのLive Captionとは

次に、「Live Caption」について説明します。「Live Caption」は、Apple社が販売するiPhoneやiPadそしてMacに備わる文字起こしの機能の一つで、話された言葉がテキストに変換され、画面にリアルタイムに表示されます。これによって、FaceTimeやラジオのような音声だけのポッドキャストなどのアプリでこの「Live Caption」を使うことで言葉が理解しやすくなります。まだ、英語にしか対応していないが試しに使ったところ音を出してなくても内部で処理して字幕に出してくれるためとても便利だと思いました。これは、アクセシビリティ及びインフラに関する重要な問題だと思うので、日本語版の開発をしてほしいという手紙をApple本社とApple Japanの両方に送りました。

Apple Vision Proの見え方のイメージ、ボタンを押せば周りの景色が見えるか見えないか切り替えることができるとのこと。
Live Captionの実際の様子

聴覚障害がある人は、ビデオ通話や対面での会話をするときには、相手の口元を見たり、筆談や手話をしたりしなければなりません。しかし、「Live Caption」があれば、そんな手間が省けます。相手の言っていることがその場で文字になって見えます。

また、「Live Caption」は、字幕のない動画にも対応しています。例えば、「Amazon Prime Video」や「Hulu」といった動画配信サービスでは、一部の作品が字幕なしで提供されています。私はこれらの作品にも興味がありますが、聞き取れないことが多くて楽しめませんでした。しかし、「Live Caption」があれば、これらの作品も自動で文字起こしされるので、困らないと思います。「Live Caption」は音声をデバイス上で処理するため、インターネットに接続されていなくても使用できます。また、ユーザーの情報は非公開となり、安全性が保たれます。

ただ、一番大事なのは「Live Caption」の提供だけでは、音楽と重なってセリフ認識されないことといった面があるので、字幕製作会社と連携を取りアマプラやHuluといった字幕のない配信サイトでも字幕会社と配信会社に私たちが正確な字幕をつけてほしい、或いは著作権のこともあり難しいかもしれないが字幕は聴覚障害だけでなく外国人にも役立つことを伝えて働きかけることだと思います。正確な字幕であれば、より何言ってるかがわかります。

あらかじめ作られた字幕を表示させるシステム

以上が、「Apple Vision Pro」と「Live Caption」及び「Appleに備わっている既存の字幕表示システム」についての私の意見です。私はこれらの技術が、聴覚障害のある人にとって、映画鑑賞の体験を大きく変える可能性があると考えています。映画館にいるような感覚で映画を楽しめるだけでなく、字幕のない動画も自動で文字起こしされるからです。私は「Apple Vision Pro」が発売され、「Live Caption」が日本でも標準で字幕が搭載される日を心待ちにしています。それでは、またお会いしましょう。

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