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どうして小豆島に移住したのか?その1

私たち家族は小豆島に2018年から2021年まで東京を離れて小豆島に移住していました。今回は、なぜ東京から小豆島に移住したのかについて、お話ししていきたいと思います。
 
もともと島への憧れがあった
 
私はもともと島へのあこがれがありました。小学校の時には、母が瀬戸内海の小豆島と、伊豆七島の新島、式根島に連れて行ってくれました。思ったことがなかったですが、実は母も島が好きだったのかもしれません。そして、決定的だったのが中学の時に算数の先生が連れて行ってくれた青ヶ島だと思います。青ヶ島は東京都の伊豆七島にある八丈島からまたさらに漁船のような船で数時間行ったところにある本当に小さい島でした。そこに夏休みに先生が20人くらいの生徒を連れてキャンプ生活をさせてくれたのです。その先生は、その島に赴任したことがあり、そのようなプログラムを企画してくれたのです。今の時代では、そんな自由なことを学校の先生がしてくれないでしょうが、その40年くらい前の当時はできたのです。体験と言っても、今あるような、SDGsを考えた洗練されたものでも、火おこしや魚をモリで突くみたいなサバイバルなものでもありません。海の幸も山の幸もほとんど食べないで、持って行ったパックごはんと、さば缶ばかり食べていたし、テントで過ごして、風呂もあんまり入れないし、キャンプってこんな苦しいものなのかなと思うような体験ばかりでしたが、それが新鮮だったのかもしれません。大変なキャンプ生活の一方で、海がきれいで遊んで楽しかったことや、自然の美しさとかは強烈に印象に残っていて、島って本当に良いなと思う方が強かったのです。
 そこから島への憧れはずっと続いていきました。国内では伊豆七島の式根島や神津島や佐渡島には何度も行ったし、小笠原にも行きました。沖縄はそんなに行けてませんが、カリブ海はベネズエラから、ジャマイカ、キューバ、トリニダードトバゴ、アフリカもザンジバルなど、とにかく島があるとつい行きたくなってしまうようなところがあったのです。
 島の良さと言えば近くに山と海の両方があること。とにかく海と山の立体的な景色が美しいっていうのが一番です。そして、海と山のどちらの自然の恵みにもあふれていて、自給自足の生活ができてしまうのではないかと思えるほど、恵みがすぐ手に取れる場所にあることです。しかも、静かで穏やかで、適度な人との距離があるのも良いなというイメージがありました。そして自分も島に旅行で行くのではなく、いつか実際に住んでみたいなとずっと思っていたのです。そしてそのタイミングを探していました。
 
いろんなタイミングがちょうどよかった
 
 まず、一つは同居していた認知症の母の介護が終わったということが大きかったです。東京にどうしてもいなくてはいけない理由がなくなりました。
また、自分の仕事の上でも、タイミングが良かったのです。障害福祉の事業所で現場で楽しんでやれることはほとんどやってしまった感があり、また組織がどんどん大きくなることに伴って、管理的になって、自由がなく、面白くなくなっていく中で、管理職になって、現場を離れなくてはならなくなりそうなタイミングだったのです。もっと現場で活躍したいなら、辞めるのは今かなという風に思ったのもあります。
さらには子どもが小学校1年と幼稚園の年長のタイミングでした。できるだけ小さい時に、自然と触れ合えるような子育てをしたいと思っていた自分にとって、もし島暮らしをするなら、そのスタートのタイミングは、もうこれ以上遅くならない方が良いなと思ったのです。島で自然を満喫する生活を子どもの時に味わったら、大きくなった時にきっと良かったなと思ってくれるに違いない、そんな風に思ったのです。
そのようにピンポイントで千載一遇のチャンスが訪れたぞと自分一人で興奮しました。でも、4人家族でそのように感じていたのは自分だけだったのです。
 
ではどこの島にしようか
 
 どの島にするか。やっぱり瀬戸内海かなと思いました。子どもが小さいですから、海がきれいで、とにかく波が少なくて穏やかな瀬戸内海であれば、子ども達が安全にいっぱい遊べるのではないかと思ったのです。自然と遊ぶという意味では海のきれいな沖縄や小笠原や伊豆七島なども考えましたが、太平洋の島は波が荒そうだし、怖いなとも思いました。また、引越し代も考えると沖縄とか小笠原はかなり高そうなので難しいかなとも思いました。沖縄だと基本的に飛行機での移動になるので中型犬を連れて行くのが難しそうだというのもありました。
 では、瀬戸内海のどこが良いだろうかと考えました。たまたま愛媛県のしまなみ海道に位置する島の方が東京のアースデイのイベントに移住のお誘いに来ているのにお会いできて、その島に実際に家族で旅行してみることにしました。古民家を改築した宿に泊まり、無人島に出かけたり、たこ漁師さんに漁に連れて行ってもらったり、とにかく楽しい経験をさせてもらって、大人も子どもも大喜びの旅になりました。こんなところで暮らせたら最高だなと思いました。瀬戸内海でも、しまなみ街道で見つかったらいいなと思ったのです。

仕事のことを考えたら

 移住しても自分は障害福祉の事業所で引き続き働こうと思っていました。島に移住したら農業とか漁業とか、土地で採れたものを使ったレストランとか、観光業とか、その土地でしかできないことをやろうと思う人もいるでしょうが、自分としては今までやっていたキャリアを活かして、効率的に仕事をして、仕事にたくさんの時間を割くのではなく、家族とともに自然で遊ぶことを優先しようと考えました。でも、仕事の募集をハローワークのインターネットで調べても、しまなみ街道ではほとんど募集が見つかりませんでした。東京のようには仕事がないのです。そういえばしまなみ海道を旅した時も、そんなに若い人に会わなかったかなという印象でした。

 でも、小豆島にある障害者の作業所の募集を見つけることができました。小豆島は瀬戸内海の島の中でも一番元気な島の一つではないかと思います。オリーブや醤油やそうめんやつくだ煮など、名産品をたくさん作っているし、二十四の瞳の舞台となって、映画村もあるし、瀬戸内芸術祭なども行ってアートの島でもある本当に魅力的な島だということがわかったのです。それでは小豆島にしよう!そんな風に話しはどんどん展開していきました。

(続きはまた書きたいと思います。よろしくお願いします。)


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