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和歌・紅葉にあなたを想う

「我が宿にもみつ蝦手(かえるて)見るごとに妹を懸けつつ恋ひぬ日はなし」
万葉集・田村大嬢(たむらのおおいらつめ)


晩秋
冷たい雨が降るごとに
我が家のカエデの葉が
だんだん赤色に染まってきた


葉っぱの色が
日々濃くなってゆくのを見るにつけて、
わたしのあなたへの想いも深まってゆく


冬が近くなってきて
だいぶ寒くなってきたけれど
元気にしているかしら


こんなにも美しいのだから、
この紅葉を
あなたと一緒に隣で見られたらなぁ…


「本当に綺麗ね」と
きっとあなたは喜んでくれるだろうから


風邪など引かないでいてちょうだいね

わたしはいつでも
あなたのことを想っていますよ

大切なあなたへ

*

「蝦手(かえるて)」とは、カエデのこと🍁
葉っぱがカエルのような手をしているから🐸


この歌は、作者の妹に贈られた歌です。


紅葉するのは、
ガクンと気温が下がって
冷え込んできた時期と重なります。


美しい紅葉を見せてあげたい
と思うのと同時に、
妹のからだを
気遣っているのではないでしょうか。

とても優しいお姉さんですね。


私もこの歌のように、
いつもみなさんのことを想っていますよ。


どうかご自愛くださいね。

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