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和歌・雨音のカタルシス

「つくづくと独りきく夜の雨の音は降りをやむさへ寂しかりけり」
風雅和歌集・儀子内親王


ひとりぼっちの夜
降り続ける雨の音を
静かに聞くことしかできない


冷たい雨の寂しくなるような音
それでいてどこか落ち着く、
子守唄のような音


孤独なわたしの身を知らしめるかのように、はたまた
優しく包み込むかのように降り続ける雨


そんな雨音を聞きながら
みじめな気持ちに浸りつつも
どこかで慰められるような気になっていたのに…


雨が止んで音がおさまると、
なんだか心にぽっかり穴が開いたように
空虚な寂しさがわたしを襲う


雨音のカタルシス

どうせならずっと降り続いてほしかった…


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