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つらい時の処方箋

今つらい方々の、何かの支えになれば幸いだなと思い、書いてみます。



昨年の10月、1年半勤めた会社を休職した。朝起きると何もできなくなっていたのだ。今は睡眠を除いて改善しているが、寝れない、食べれない、焦点が定まらない、頭が痛い、吐いてしまうのフルコンボは思ったよりも堪えるものだった。

会社を離れてまず気付いたのは、ろくに飯も作っていなかったことと湯船の気持ちよさを感じなくなっていたことだ。それかよ と思う方が居たら申し訳ないが、本当なのだ。就職前や調子の良い時はできていた「湯船が気持ちいいと感じる、食べておいしいと思う、眠った後の身体が軽いと感じる」という感情は、長いことぐちゃぐちゃのまま過ごしてしまうといつの間にか感じなくなってしまうのだと思う。ポイントは、行動として湯船に浸かったり食べたりしていないわけではないということだ。きちんと毎日していた。湯船に浸かれなくてもシャワーは毎日していたし、作れなかった時は日高屋や吉野家で栄養を摂取していた。していたが気持ちいともおいしいとも思っていなかった。

感じられるようになったきっかけは湯船も食事も偶然だった。

休職したての時、ふと時間ができたのでスーパー銭湯に行った。そこで36.5℃に設定された「不感の湯」という湯船に入ったのだが、ものの5分で涙が止まらなくなった。ぜんぜん不感じゃなかった。いままで勝手に背負っていたものを下ろされたように感情のコントロールが全く効かなくなった。めちゃくちゃ気持ちいと感じた。「副交感神経を優位にし、リラックス効果を高めます」とあったが、その通りだ。それからは、自宅の湯船でも「あぁぁきもちぇぇぇ」と声が出るくらいにはリラックスできるようになった。

また、診断書の文言が自分の状態だとは信じたくなくて、中の良い友人に現状を聞いてもらったことがあった。とにかく話すために会ったのだが、そこで食べた秋刀魚のお刺身が絶品だった。秋刀魚を焼きでしか食べたことがなかった私は、秋に脂ののった秋刀魚の生触感など1ミリも知らなかったのでしばらくまともにしゃべれなかった。結果として私はそこで「おいしいと思う感覚」が復活できたのだ。復活した後は吉野家だろうと日高屋だろうとレベルの高い合格点をオールウェイズ出してくれている。

感じないのなら取る刺激を変化させるしかないのだが、結果が自分の力量の外で起きるケースが多い。ある程度種をまいたら、あとは偶然に任せるしかない。スーパー銭湯に不感の湯があったのも、刺し盛りに秋刀魚が入っていたのも、すべて偶然だ。だが「時間があるしスーパー銭湯行ってみようかな」「誰かにこの話聞いてほしいな」という欲求を行動に移さなかったら出会えなかった偶然だと考えると、偶然にたどり着くための種が必要なんだなと思う。種とはつまり欲求を行動に移すことだ。
テレワークのひとなどは特にこの偶然が起こりにくい。廊下やオフィスで交わす雑談も同僚と行くランチもない空間、自分が起こす音以外に音がない空間では種のまきようもない。そんな空間に身体をゆだねていると、いつの間にかあなたも不感症になってしまうかもしれない。


最近ちゃんと美味しい、気持ちいと感じた瞬間はいつだったか。意外と重要だと思うので、しばらくないなあと思う人は種をまいてみてください。なんでもいいと思います。

自分はまだ寝れない日が多く、毎日決まった夢で起こされますが、布団を温めてみたりホットミルク飲んでみたり、蒸気でホットアイマスクしてみたり、逆立ちで寝てみたりしてます(逆立ちは頭に血が上るのでお勧めしません)。
これからも種をまいて、よくなっていこうと思います。ずっと楽しくある必要はないですが、ずっと幸せでありたいので、そのために種をまこうと思います。

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