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その日の風まかせに

今日もまた朝からずっと暑い一日です。
こざる達は、いつものように、
わいわい おしゃべりしながら夕飯の仕度をしています。

「一日だけじゃなくて、連日だもんね。」
「本当に体がまいっちゃうよ。」
「特に子供や お年寄りは、相当しんどいよね。」
「うん、ぼく達だって、どうしたらいいのかわかんないもんね。」

こざる達も、りこちゃんの体調を
いつもよりも気をつけるようにしています。

「運動会は、いつやったらいいのか?って、
さっきニュースで言ってたよ。」
「以前は 秋にやることが多かったけれど、
残暑が厳しいから 5月に変更したのにね。」
「きっと、きっちりきっちり予定通りにやるんじゃなくて、
もっと臨機応変に対応していかないとダメなんじゃないかなぁ。」
こざる達は、皆、うんうん頷きます。

「あ! そうだ!」
こざるちゃんが何か思いついたようです。
「ちょっと持って来る。」
そう言って、一冊の本を持ってきます。

「ほら、ここに書いてあるんだよ。」
こざる達は、覗き込みます。
「『規則正しい毎日から自分を解放する』って書いてあるよ。」

こざるちゃんが持って来たのは、
篠田桃紅さんの『一〇三歳になってわかったこと』です。

「『予定や目標にとらわれると、ほかが見えなくなる。
ときには、その日の風まかせにする。』って書いてあるんだよ。」
こざるちゃんが言います。

「そうだね、運動会やらなきゃって、
年間スケジュールで決まっているんだろうけど、
だからって無理矢理 強行して、熱中症で具合が悪くなっちゃ
元も子もないよね。」
こざる達は、皆、うんうん頷きます。

こざるちゃんが、また少し読みます。
「『計画を立てないとならない事情も、ときにはあるでしょう。
しかし、あまりがんじがらめになると、なにかを見過ごしたり、
見失っていても、そのことに気がつきません。』って。」

「運動会だけじゃなくて、これだけ気候が変わってきて、
厳しくなっているんだから、今まで当たり前だったことも、
ガラッと変えた方がいいことも、きっとあるよね。」
「そうだよね。優先順位を間違えちゃいけないね。」
「臨機応変に対応だよ。」
「頭を柔らかくだねー。」

夕飯の仕度が もうすぐできるようです。

「りこちゃん、呼んでくるねー。」
こざるちゃんが、鼻歌を歌いながら りこちゃんの部屋に向かいます。

「りこちゃーん、夕飯できたよー。
今日は、豆腐としらすとトマトのサラダがあるよー。
一緒に食べよう!」

こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり、
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
明日は少しは気温が下がるようですね。それでも暑いようですが。
よい毎日でありますように (^_^)

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