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雨に歌いながら 図書館へ

 今日は朝からずっと 雨が しとしと降っています。
「さてと」
こざるちゃんは、すぐ近くの図書館に行こうとしています。
今日が返却期限の本があるのです。

 その本は、とても人気がある本で、
こざるちゃんも予約をして、順番が回ってきたので
借りて読んでいました。

こざるちゃんは、読むのがゆっくりです。
「パーッと読み進めて行くタイプじゃないんだ。」
ゆっくり じっくり読みます。

それで、この本を今日までに読み終えることができませんでした。

 一昨日、こざるちゃんは、返却期限が迫っているので、
「わー、早く読まなきゃー」と、
焦って飛ばして読もうとしていました。

その様子を見た りこちゃんが、「こざるちゃん」
と、声をかけました。
「うんとね、りこちゃん、この本、とっても面白いんだけど、
明後日には返さないとならなくて、
それで他にも読みたい人が待っているから、
続けて借りることができなくて、それで急いで読んでいるんだ。」

 りこちゃんは、うんうんと頷いています。
「こざるちゃん、急ぐの?」

こざるちゃんは、はっ、と思い出しました。

 りこちゃんは、今はもう本を読むことはしませんが、
子供の頃から本が大好きで、いつも読んでいました。
以前は、皆で一緒に図書館へ行って、
たくさん本を借りて読んでいました。

りこちゃんも、そんなに早く読む方ではありません。
今の こざるちゃんと同じように、
読み終わらずに返却期限が来てしまうこともありました。

「でもね、また予約すればいいんだよ。
それで順番を待っていれば、そのうち また読む日が来るから。」
そう、りこちゃんは言っていました。

「本は好きで読んでいるんだよ。
勉強や、義務ではなくて、楽しみなんだから、
焦って、急いで読むなんて、もったいないわよ。」

 それで こざるちゃんは「この続きは、また今度!」と言って、
今日、返しに行くのです。
「それに、他にも読みたい本は、たくさんあるからね。」

こざるちゃんは、レインコート、長靴、それに傘を準備します。

ラジオからは、楽しく明るいミュージカルの歌が聴こえてきます。
「I'm singing in the rain Just singing in the rain」
『Singing in the Rain (雨に唄えば)』です。

こざるちゃんも、一緒に歌いながら、自己流でタップを踏みます。
雨の時に この歌を歌うと、なんだか嬉しくなります。

「図書館に行ってくるって、りこちゃんに言ってくるねー。」
他のこざる達に 声をかけて、こざるちゃんは、
りこちゃんの部屋に向かいます。

「帰って来たら、おやつの時間だ。」

こざるカフェは、雨の日の今日も ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
かなり昔、ウェストエンドから来た『雨に唄えば』のミュージカルを 
新宿にあった コマ劇場に観に行ったことがあります。
よい毎日でありますように (^_^)


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