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進学校(男子校)へ入るときに必要な覚悟と能力

息子の高校のこと

大学受験

国立を目指せと言われる。
その中でも、旧帝大推し・理系押し。
現役合格を目指すのが基本だが、目標は高く持てと言われる。
学校から渡される大学受験の資料は、難関大学の情報ばかり。
国から研究費を多く貰っている大学を目指した方がいいと言われる。
AO・推薦入試を口に出せない雰囲気。

授業・考査など

授業の予習と復習は必須(授業についていけなくなる)。
学校を休むと、次の授業が大変になる。
中間・期末以外の考査がいくつもある。
学校から配られる参考書や問題集は旧帝大受験レベル。

講習

夏休みなどの長期休業中には、さまざまな講習を実施。
(自分のレベルに合わせた講習を選択でき、無料。)
レベルの高い指導をしてくれる教師がたくさんいる。
塾に通う必要はないと学校から言われ、通っている子は少ない。

親子で洗脳されたのかもしれない

入学前から分かっていたことは、現役進学率が約50%だったことです。
それは、半分が浪人になるということでもあります。
しかし、自分の子が浪人するとは想像もしていなかったので、気にもしていませんでした。

保護者会では、いつも有名どころの大学名が出て、それに対応した学習をするので、目標を高く持つことが大切だと言われました。

息子は、1年生の時の成績が上位15~20%くらいに入っていたこともあり、外部テストの判定からも、このまま頑張れば地方の旧帝大くらいには入れるだろうと思っていました。
本人もそのつもりで、旧帝大の1つを目指していました。

男子はギリギリまで成績が伸びるから最後まで志望校を落とさない、諦めないと何度となく言われました。

(今となっては、どこの男子のことだよ!と言いたいです(~_~;)。)

こんな覚悟が必要だった

洗脳されない覚悟

親が旧帝大や早慶出身ならば、洗脳もなにもって感じでしょうが、私たち親子は、「頭が良いと入れる大学」というざっくりとした認識しかなく、難関大学を目指せると言われれば、疑いもせずに素直に信じてしまいました。
学校の自信を持った取り組みに、先生たちがどうにかしてくれるだろうという気持ちにもなっていました。

もちろん、目標は高い方が良いとは思いますが、見誤った高すぎる目標設定の先に待っているのは挫折です。

大学で何を学びたいか、どういう仕事に就きたいかを考え、最終的には自分のレベルに合った大学、学びたい学部を選ぶのが一番良いと分かっていたはずなのに、高校の雰囲気に飲み込まれ、いつのまにか大学名に拘り、そのレベルを目指すことが大切で、目指さない選択はなく、そこから外れてしまうことも許されないような状況に違和感を持たなくなっていました。

成績が下がる覚悟

大学受験の偏差値を40から60に上げるくらいなら、努力でなんとかできそううですが、60を70~80までに上げるのは、IQが高いとかでない限り、かなり大変なことで、どんなに努力をしても行きつけない子も出てくる領域な気がします。
そこに行きつけないと感じたとき、自分のベストを維持することさえ諦めてしまうこともあります。

また、高校という義務教育ではない場所では、強制されることはほぼなく、やるもやらないも本人次第。
本人が望めば様々な手厚いサポートを受けられるのに、自ら動かず、最低限のことだけをやっているのであれば、高い目標に近づくことさえできるわけないのです。

いじめがなく、男子校というふざけたことをやっても許される環境の中で、周りに流されずに自分の目標設定に向かって頑張れる子、地頭が良くてちょっとやれば成績が伸びる子が序列の上位に行けるのだと思います。

浪人になる覚悟

進学校では、浪人することは恥ずかしいことではありません。
むしろ、妥協せずにチャレンジしろ!精神なので、浪人に抵抗がありません。
親としては現役で合格して欲しいので、志望校を下げたら?と言いたいのですが、高校からは最後まで諦めるなと言われるし、子ども本人が諦めると言わない限りは、できるだけ応援しなければいけないと1回は思うわけです。

そんな保護者が多いから、毎年、半分が浪人するという仕組みが出来上がるのではないかと浪人生の母になってみて思いました。

もちろん、浪人が確定しても、卒業後に高校からのフォローはありません。
予備校代がかかるという流れです。
(ちなみに、学校法人が運営する予備校は定期券に学割が適用されます。息子の高校の卒業生は授業料の割引もありました。)

挫折する覚悟

成績が伸び悩み、志望校を変更しなければならなくなる可能性もあります。
そんなとき、いかに前向きに気持ちの切り替えができるかです。

それは、進学校に通っている・いないに関わらず、大学を目指すとなったら経験することだと思います。
ですが、学校から洗脳された状態で志望校を変更するということは、ランクを下げる=高校から求められているレベルに行けない自分=学歴社会の上位に行けない自分、というネガティブな気持ちになったり、将来の自分に期待や希望がなくなるくらいまで気持ちが落ち込む可能性もあります。

必要な能力は「メタ認知」

息子の高校のことを簡単にまとめ、私が感じたことを取り上げてみましたが、いろいろと考えていくと、私が行き着くところは、「メタ認知」でした。

その能力が高ければ、いくら学校から言われても洗脳されることなく、自分を貫いた受験ができたかもしれないと。

そして、教育の中でのメタ認知は、教育現場である学校でこそ育成されるべきだと思います。

学習指導要領が改訂され、今、小中高の子どもたちは、これからメタ認知に関わる力を身に付けていけるようです。
高校は、2022年度から実施されるようなので、進学校と言われる学校こそ、「メタ認知」について力を入れて欲しいと思います。

また、学校任せにせず、親も家庭でできることがあると思います。
子育てで、自己肯定感ばかりに目を向けていた私は、息子が高校生になり、いろいろな問題が起こって、メタ認知の先にある自己肯定感が大切なんだと実感しました。
自分自身をコントロールでき、冷静な判断や行動ができる「メタ認知能力」は、大人にも必要な能力です。

メタ認知について、調べてみませんか?


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振り返ると、なんの覚悟もなく進学校に入り、親子ともども翻弄された3年間だった気がします。

学歴社会についても、高校を通して考えさせられました。
(私の最初の就職で配属された部署には、東大や東工大出身の人ばかりいて、学歴で成り立つ仕事というか、そういう人たちが主になって回している社会もあるんだなと思ったことはありましたが、どこか他人事だったのです。)

息子の高校のことしか分かりませんが、大学進学について同じような考え方の高校が他にもあるのではないかと思います。

学校が難関大学(か、国立)進学を推す理由は、伝統と実績を守って、学校のレベルを落とさないためだとして、こちらのメリットは、なんなのだろう。
息子が社会人になったときに分かるのかな。
ただ、親としては、お金がかからないという点では、かなり助かっていることは確かです(*^。^*)。





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