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保育園と幼稚園選びで大切なこと

私の住んでいる地域では、11月に入ると保育園や幼稚園の来年4月入園申請が始まります。

保育園や幼稚園の入園は、子どもの社会参加の第一歩です。
親にとっても、子どもにとっても、少しでも「良いところ」に通わせたいと思うものです。

では、その「良いところ」って、なんでしょうか。
立地・保育方針・カリキュラム・施設・設備・園長や先生・園児数・保育料や教材費・制服・預かり保育の実施・父母会や役員の負担など、園選びの際に比較判断する材料はたくさんありますね。

ある人は、とにかく近くがいい。
ある人は、英語やリトミックなどに力を入れているところがいい。
ある人は、のびのび、自由なところがいい。
ある人は、綺麗なトイレがいい。
ある人は、可愛い制服がいい。
ママたちの話を聞いていると、いろいろな考え方があるなと感じます。
全員一致で良いと思うところはないということでもあると思います。

保育園は、やはり自宅から近い、駅から近いなど、送迎のしやすさを優先して選ぶことが多いようです。
しかし、必ずしも希望している園に入れるわけではないのが辛いところです(認可保育園の場合は、保育の必要性が高い人から希望の園に入れるので)。
かといって、幼稚園も入園希望者数が増えて定員を超えた場合は入れない子も出てくるわけで、とにかく入園決定をもらうまではドキドキです。

忘れがちな大切なこと

園選びをしていると、保育の質など、園に臨むことばかりに気が行きがちです。
もちろん、大切な自分の子どもを預ける場所なので、そうなるわけですが、結構忘れがちなことがあります。
それは、大切な子どもの命を預けるということ。

一番、忘れてはいけないことは、子どもたちが安全安心に過ごせる場所かということではないでしょうか。
必ず確認した方がよいことは、避難経路、避難訓練の内容、防犯対策、部屋の備品の配置など、防災や防犯、子どものケガ防止などに配慮しているかということだと思います。

園選びの座談会を開いたときに、ママたちからその話が上がってくることはありませんでした。
もちろん、私が自分の子どもの幼稚園選びをしたときにも頭の片隅にさえありませんでした。
そんなことは、当たり前にしっかりと考えられていると思っていたからだと思います。

でも、実際に保育士として保育園に関わってみたら、適当な避難訓練や棚などの固定をしていない状況に驚いたのです。

こんなこともありました。
食物アレルギーで子どもに症状が出たとき、看護師さんが救急車を呼ぶように園長にお願いしても、近所の目を気にして簡単に呼んでくれなかったのです。
症状が軽かったので大事には至らなかったのですが、看護師さんは怒っていました(もし何か問題があった時には、園長は看護師の責任にすると分かっていたからです)。

すでに子どもを通わせているママたちにアンケートを取ったことがありますが(複数園)、暑い日でもエアコンをあまり使わないと不満を持っていた方がいました。
熱中症などの心配がありますよね。

保育園なら、お散歩経路なども聞いておきたいところです。

園を選ぶ時、子どもの健康や命にかかわることについて、確認が大切ではないかなと思います。

見学会や説明会に行ったときに、そういったことを質問し、もし、しっかりとした回答や資料を出せない園であれば、ちょっと危機感を持った方が良いかもしれません。

先生たちの連携がカギを握る

実は、しっかりとした防災・防犯のマニュアルがあり、毎月の避難訓練を実施していたとしても、不安なことがあるのです。

それは、先生たちの連携です。
まず、1年間のうちに何人も先生が辞めるような園では、園長と先生、先生同士での連携ができていない可能性が大きいです。
これは、防災・防犯に限らず、すべてのことに関わってきます。
どんなに素晴らしい保育目標を掲げていても、先生たちの関係が悪ければ、目標を達成しようとする意欲も出なければ、気を配る意識もなくなります。

例えば、妊娠中や入園前の年齢の時に園を見学し、実際に入園申請直前に見学をするという2度の見学で、先生の入れ替わりを確認するのも良い方法だと思います。
または、園児以外の一時預かりを実施している園であれば、利用した際に確認できることもあります。
(壁などに写真付きで先生の紹介をしている園もあるので、それをしっかりチェックしておいた方がいいと思います)


園の防災や防犯について園任せにせず、保護者がチェックすることで、園の意識も変わってくると思います。

今、実際に子どもを通わせている方も、一度確認することをオススメします。


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私が関わった保育園でのことです。
何らかの発達障害が疑われる男の子がいて(保護者が発達相談をしていないので、育成枠ではありませんでした)、避難訓練の度に可哀そうな様子をみかけました。
楽しく遊んでいることが中断され、突然、避難訓練が始まるわけです。
スムーズに移動してくれないため、3歳(大きめの体格)でも、先生がおんぶをして避難することもありました。

ある日の避難訓練の後、一人で泣いているその男の子を見つけました。
先生たちは、他の子どもたちを誘導するのに必死だったので、取り残されてしまったのかもしれません。
「怖かったね、もう大丈夫だよ。抱っこするからお部屋まで行こうね」と声をかけて近寄ったとき、誰かの視線を感じたのです。
振り返ると、少し離れたところで園長が黙って見ていたのです。
気持ちの切り替えがなかなかできない子なので、泣きやむまで黙って待っていたのかもしれません。
男の子を抱っこしたら泣き止みましたが、
「先生に抱っこされなくても一人でお部屋に戻れるでしょ。」
と園長は声をかけました。
これが正解なのだろうかと私の中では疑問が残りました。

配慮が必要な子に、配慮ができない。
または、配慮の仕方が分からない。
それか、配慮をする余裕がない。
という園があることを知っておいてほしいと思いますし、そういった園に通っているかもしれないと仮定したときに、親としてどうしていったらいいのかを考えることも大切ですね。

また、配慮が必要な子の避難訓練について、誘導の仕方や子どもの気持ちのケアなどの課題に気付き、改善していかなければと思ってくれる先生たちが増えてくれることを願います。





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