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効果的な調査を実施するための秘訣!リサーチ会社への依頼の仕方

今日は、調査会社を使ったサーベイの方法についてnoteに残しておきたいと思います。

YKが新卒で入社して数年間は一番やった仕事になります。毎月のように調査票を書いて、調査会社に依頼して、市場調査をしていました。


調査会社について

以下が代表的なリサーチ会社になります。

1位(1):インテージ
2位(2):ビデオリサーチ
3位(3):マクロミル
4位(7):サーベイリサーチセンター
5位(4):電通リサーチグループ(現 電通マーケティングインサイト)
6位(5):日経リサーチ
7位(8):ジャパン・カンター・リサーチ
8位(10):クロスマーケティング
9位(‐):Ipsos日本統計調査
10位(9):日本リサーチセンター

会社によって特色があります。定性調査との組み合わせが得意な会社もあれば、安さを売りにしたところ、レポートや総合サポートが良いところもあります。ただ、担当者によって、レベルは様々ですので、良い担当者に会えるか?で変わってくるところがあります。

YKが利用した観点で言えば、多少お金を払ってでもトータルでのサポートが良いところをお勧めします。調査をやりたいときは、他の仕事もたくさんあることが多いと思いますので、調査に時間的コストを取られたくないと考えるからです。
とはいえ、社内の予算都合もあると思いますので、複数見積もりを取り、後は様々なところに発注しながら、時と場合によって調査会社を使い分けるのが良いと思います。


見積り依頼シート

では、上記の調査会社に依頼する時に一番大事な見積もり依頼について、書きたいと思います。ゴールとして、以下が書ければ、調査会社に依頼してサーベイを実施してもらえます。まずは、見積り依頼の項目とその記入例です

■調査会社に依頼:オリエンシート
・調査テーマ:〇〇についての利用実態調査
・手法:クローズドモニタによるwebアンケート
・調査スペック:スクリーニング15問、本調査30問・3600サンプル
・調査対象:全国 15~69歳
・本調査割り付け:利用頻度で割り付け
・調査内容:利用実態把握
・見積り内容:調査企画、実査設計、調査票作成、サンプル抽出、画面作成、実査、ローデータ納品、レポート
・納品物:ローデータ納品、レポート、調査票
・スケジュール:スクリーニング調査1月上旬 本調査1月中旬

見積もり依頼項目の解説

■調査テーマについて
これは、もうそのまま調査としてやりたいことを書けばOKです。正式に発注したら打ち合わせをしますので、大体何を調査したいのか?が伝わればOKです

■手法について
一旦、ウェブアンケートを前提としてこの話を進めますが、調査にもいろいろな種類があり、またインタビュー形式の定性調査というのも可能な会社があります。
調査の例で言うと、「訪問調査」、「ウェブアンケート」、「郵送アンケート」、「電話調査」、「会場CLT(Central Location Test)」、「ホームユーステスト」などがあり、調べたいことの目的によって選択をします。わからない場合は、調査会社の担当者に相談しても良いと思います。

YKの記述として、「クローズドモニタによるwebアンケート」と書いており「クローズドモニタ」について説明すると、「クローズド」と言うのはポイントなどによってモニターが募集され、そのモニターを対象として調査を行う形式のことになります。回答できるのがアンケートサイトに登録をしたモニターだけと言うのが「クローズド」になります。逆にサイトに登録してない人などたくさん拡散して募集するアンケートは「オープンド」になります。

クローズドモニタの特徴は、年齢や性別、そして職業など属性によってリサーチの対象を決められるというメリットがあります。これに対し、属性を縛らない不特定多数に対して行う調査がオープンドです。誰でも自主的に参加できるので、手軽にたくさんの回答が得られるというのがメリットになります。
市場調査においては、ほぼクローズドモニタを使います。なぜかというとアンケートで対象としたい人だけに質問をして、割り付けて重みづけをして集計・分析をするためです。

※「割り付け」「重みづけ」とは、

アンケートは、以下のように性別や年齢によって、必要な対象者を割り付けることが多いです。
これは、何も割り付けずにアンケートをとると、10代などの回答者が少なくなり、後で分析するときに信頼できるサンプル数が集まらなくなるためです。
なので、以下のように年齢別など少数派で分けれるようにアンケートの回答者数は割り付けて必要な人数に回答してもらって、集計時に割り戻す(=本来あるべき人数構成)にするという作業をします。
例えば、10代男性は本来50人しかいない構成なのに100人の回答があるということは、一人あたり0.5票として考えるということをします。これをウェイトバックと言います

■調査対象と本調査割り付けについて
上記、割り付けの説明を先走ってしまいましたが、その指定を見積もり時に行います。計算作業が発生するため、コストがかかります。

対象はサービスが対象としている地域と年齢にします。
そして「本調査の割り付け」ですが、何も考えないと性別と年齢で行うのが通常ですが、YKがプロダクトの市場調査をするは、利用頻度、つまりユーザーのヘビー度で割り付けます。

なぜかというと、以下の回で説明させていただきましたが、市場を抑えるときに大事なのが、ヘビーユーザーです。2割のヘビーユーザーが利用全体や売上の8割を占めていることが多いです。このユーザーの声をプロダクトに反映させない限り、プロダクトの数字は良くなりません。

そのため、ヘビーユーザー、ミドルユーザー、ライトユーザーのような形で、「利用頻度で割り付け」を行います。

■調査内容について
こちらは、「利用実態把握」と書くぐらいにしてますが、YKがやるのは、簡単に質問項目をすでに作っておいて、それは調査会社に共有しておきます。そうすると見積もりのずれがなくなるので、そんな感じで伝えます。

■見積り内容について
以下、それぞれ解説します
調査企画:調査会社側で人が動いてもらうため、基本的には必須項目
実査設計:調査会社側で人が動いてもらうため、基本的には必須項目
調査票作成:自分で作っている場合は、必要ないですが、プロに見てもらい不備などをチェックしてもらえるので、お金に余裕があれば、あると良いです。
サンプル抽出:上記の割り付け作業のことを指します
画面作成:アンケート画面を作ってもらいます
実査:アンケート募集してもらいます
ローデータ納品:そのままの生のデータを納品してもらうのに別料金の場合もあります。
レポート:データだけもらうのか?レポートもつけてもらうのか?を選択できます。自分達でデータを見て分析し、資料を作るのであれば不要です

■納品物について
納品物:ローデータ納品、レポート、調査票
最終的に受け取りたいものとして、上記があると思います


■スケジュールについて
質問数にもよりますが、発注から1〜2週間で、画面作成してもらえるので、そこからスクリーニングを行い、その数日後~翌週に本番の調査を行います。

※スクリーニングと本調査について

スクリーニングとは、アンケートの調査を聞きたい人だけに絞るためにアンケートの対象者を絞るためのアンケートです。

アンケートは通常、人数✖️質問数で、費用が決まります。
上記で説明しましたがヘビーユーザーに質問に答えてもらう必要があり、どの人がヘビーユーザーなのかを特定しなければなりません。一方、ヘビーユーザー以外、プロダクトを使っていない人へのプロダクトの感想への質問は全くの無意味になります。

そのために、スクリーニング調査というのを行い、聞きたい人に絞るだけの少ない質問を多くに人に投げて、その中から、本調査(=深く聞きたいこと)に進む人を決めます。

https://www.fast-ask.com/research/point/screening.html

なので、実際は、スクリーニング調査と本調査と2回調査を行うというのが基本的な流れになります。それぞれサンプル数と質問数を設定し、それで費用が決まります。

■調査スペック:スクリーニング15問、本調査30問・3600サンプル
順序が抜けていましたが、スクリーニングと本調査療法に調査スペック(=設問数とサンプル数)を指定する必要があります。

調査会社ごとに設問数のカウント方法が違うので、そこは打ち合わせなどで相談になります。選択肢が多い設問は2カウント分とするなどと各社でルールがあります。

ユーザーのヘビー度を3段階、男女、年齢6段階とかに分け、それぞれ100サンプル必要とすると、3✖️2✖️6✖️100=3600サンプル
というようにサンプル数を決めます。

スクリーニングのサンプル数をどれぐらいにするか?は調査会社が考えてくれます。調査会社は他にも調査をしていて、どういうユーザーがどれぐらいの割合で出現するのか?というのを知っていますので、一番集めづらい割り付けを100人集めるには、スクリーニングに何人答えてもらえば良いのか?というのを逆算してくれます。


まとめ

このようにして調査会社に依頼して調査を行います。参考になれば幸いです。

もし、調査の依頼で困ったことがあったらYKに相談いただければと思います。簡単なものであれば、コメント等でお答えしますし、がっつり相談したいという場合は、以下、ココナラでご相談承っております


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