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CROSSFITを広げて、日本中に健康な人を増やしたい (株)Aqua Terra取締役 奥出泰史さん

スポーツ事業を通して社会貢献を目指す元水泳日本代表の(株)Aqua Terra取締役 奥出泰史さんにお話を伺いました。

プロフィール出身地:神奈川県横浜市
活動地域:神奈川県
経歴:
幼少期から水泳を始め、2007年日本選手権では400m個人メドレーで優勝。
また数々の国際大会出場の経験を持つ。
現役引退後はフリーランスとして活動を始め、全国での講演活動、人材育成事業、美容関連事業、パーソナルトレーナーとして活動。
昨年(2018年)夏には横浜みなとみらいで仲間と共にクロスフィットのジムを設立し、勢力的に事業を拡大を目指す。
座右の銘:「流水不腐」

Q CROSSFITについて教えてください。

奥出泰史さん(以下、奥出 敬称略) CROSSFITはジムの名前で、運営しているのがAquaTerraという会社です。CROSSFITは団体名で、タレントさんだとAyaさんが有名ですが、2000年にアメリカで発祥し、今現在アメリカで15,000店舗、日本で40店舗で、認知度は徐々にあがってきています。
普通ジムって、ひとりで行ってひとりでやって帰るか、ダイエットなどのパーソナルトレーニングのどっちかだと思うんですが、CROSSFITはグループで1クラス10人くらいでやるのが特徴です。メンバーは、年齢、性別、運動経験の有無は関係なく、1時間、共にみんなで頑張ろう!というセッティングがあって、プログラムも1年間毎日違うから楽しいし、飽きないんです。

記者 そうなんですか!みんなで一緒に、毎日違うプログラムでトレーニングって、すっごい楽しそうですね。

スポーツには人を元気にしたり、感動を与えたり、モチベーションをあげる力がある

Q  これからの夢、ビジョンはなんですか?

CROSSFIT事業は会社の一事業だと考えていて、スポーツに関わる事業で社会貢献をしていきたいと考えています。スポーツには人を元気にしたり、感動を与えたり、モチベーションをあげる力があるので、これを広げて行きたいです。
また、日本の水泳は世界で活躍できる人が多くて強いんです。これは、日本のトップは世界のトップというレベル。ただ日本のトップなのに、スポンサーがつかない人も実際います。今は東京オリンピックが有るので、スポンサー企業も増えましたが、終わった後は確実に減ると思っていて。なのでそういう人達や、マイナースポーツの方で「世界一なのに誰も知らないとか」とかで、困っている方もいらっしゃるじゃないですか。そんな方々のバックアップも、この事業を通してやっていきたいと思っています。

Q  このビジョンのためにどんな目標計画を立てていますか?

奥出 CROSSFITの目的は、健康な体をつくることなんです。筋肉をつけるとか、ムキムキにするということではなく、本当に健康な体を作っていくこと。だから、CROSSFITジムを増やすのは、健康な方を増やすという意味で、日本中に健康な人を増やしたいと思っています。そういう意味で、今店舗展開は考えています。湘南も雰囲気に合いそうだし、宮崎は、一緒に代表をやっている松田丈志の出身地でもあるので、僕たちが展開したいと思う場所に、展開していきたいと思っています。

Q  その目標、計画に対して、どんな活動方針をもって、どんな基本活動をしていますか?

奥出 店舗を探すのは日々やっていて、不動産屋かなと思うくらいアンテナを張っています(笑)。立地勝負だと思っているので、みなとみらいの時も、当然ずっと夜中まで探して、朝起きても探してみたいな。不動産会社にもお願いしていたんですが、もし僕が不動産やさんだったら、1人で何人分もの案件を持っていると思うので、それを思うと自分で探したほうが早いんじゃないかと思って。ジムって家から近いか、会社から近い人しか来ないですし。おかげで、商圏を見る目が肥えました(笑)

記者 何事もご自身で最善を尽くされるんですね。

みんなで楽しくライフスタイルにトレーニングを組み込む

Q  夢、ビジョンを持ったきっかけは?そこにはどんな発見がありましたか?

奥出 子供の頃から水泳を始めて、22年間くらい一生懸命やっていたんですが、引退したらトレーニングをする目的を見失ってしまって。今まではもっと早くなりたいから、活躍したいからトレーニングしてましたけど、トレーニングする目的がなくなったんです。それで、一人でジムに行ったこともありますけど、一人でやっても面白くなくて、あまり続かなかったんですよ。その時にCROSSFITに出会いました。
これが、きついけど楽しかったんです。CROSSFITは、10人くらいのクラスでやるんですが、20代から50代60代の方まで幅広い年齢層の方たちがいて、みんな頑張っているし、みんなメチャクチャ元気だな、みたいな。みんな出勤前にひと汗かいて仕事に行ったり、仕事が終わったの後の時間に運動をして帰るみたいな感じで、ライフスタイルにトレーニングを組み込んでいるんです。
仕事をする上でもトレーニングしてから仕事すれば、頭がスッキリして仕事にも生かしていけるし、運動の動きとしても理にかなっている動作だったので、これは面白いなと。
そんな中でCROSSFITジムは日本ではまだ少ないから、ジムを日本で作ることによってビジネスチャンスになるんじゃないっていうことを、当時、松田丈志と一緒に話しながら、やってみるかみたいな感じで考え始めたのがきっかけですね。

基本的にプラス思考でいること。これが難しいんです。

Q 奥出さんの夢ビジョンを持つきっかけとは、なんだったのでしょう?

スポーツで結果を出していく世界から引退して、育成系の仕事をしていて、今は会社を経営しています。水泳という業界では頑張ってきたけど、次は社会人としてのステップや成長があるので、違うフィールドには過去の実績は持ち込まないようにしていますが、つながる部分はメチャクチャあると感じています。大事な部分を言うと、基本的にプラス思考でいようということ。そんなことかと思うかもしれないけど、結構難しいんですよ。簡単に言うと、僕、楽観的で深く悩まないんです。そこがいい意味で嫌なことがあったら、僕はすぐ寝るんです(笑)。嫌なことは一杯あるけど、その時にどうとらえるかで、プラスの解釈をすることによって、次に進むし、前に進みだすスピードは速いと思うし、コントロールをしないとトップにはいけなかったので。その時は、悔しくて泣いたこともいっぱいあったけれど、水泳やってきて大事なことをたくさん学んできたと思っています。

辛いときに「ベクトルを人じゃなくて自分に向ける」ことで、改善策が見つかる

記者 水泳をしていて一番つらかった時期はいつ頃ですか?

奥出 水泳のターニングポイントは、小学校6年、中1くらいの時期で、11、12、13歳でタイム全然伸びなかったんです。一生懸命やってもタイムがでないですし、負けていくから、辛かったし、面白くなくって。その頃、Jリーグが出来て、サッカーかっこいいなって思って。こんなに応援してくれる人いるの?水泳には、こんなに応援してくれる人いない、って本当に思ったこともあって。あと、俺は頑張っているし、練習している、だけど結果がついてこない時に、コーチのせいとか、親のせいにしたくなる自分がいて。
でもそのときに、「ベクトルを人じゃなくて自分に向けなさい」とコーチに教わったんです。人に矢印向けても言い訳しか出ないけど、自分に向けることで改善策が見つかったり、次はこうしようという案が生まれてくると思うんですよ。それは今でも意識はしてますね。

記者 10代でのその学びは大きいですね。それをやり続けることで、タイムは伸びましたか?

奥出 実際、伸びましたね。水泳のみでなく、他のスポーツでも、ビジネスでも、通ずる部分かなと思っています。

勝てる時は泳ぐ前からわかっている。大事なのは自分との勝負

記者 水泳で自分の限界を超えたと思う瞬間ってあるんですか?

奥出 練習を好きな人はあまりいないと思うんですよ。練習だけみたら本当にしんどいし、死にそうになりながら毎日やってるんで。それって目標とするタイムがあったり順位があるから、苦しいけど頑張るじゃないですか。
僕がやって来て思うのは、自分が自己ベストを出す時や、勝てるときは泳ぐ前からわかっているんです。水泳は8人で競うんですが、自分は誰よりも練習してきた、だから勝てると自信をもってコース台に立った時は勝てるんです。そして他と競うより、まずは自己ベストを出すこと。大事なのは自分との勝負なんです。

記者 イチロー選手の引退会見と繋がりますね。記録なんていつか抜かれるものだから、自分がどれだけ進化したかが大事だと。
最後に、奥出さんにとって水泳とは一言で何ですか?

新しいフィールドに過去のプライド、実績はいらない

奥出 僕は社会人2年目で水泳を引退したので、みんなから2年くらい遅れて社会人としての僕がスタートしたんです。社会人として成長、成功のステップでは、水泳の実績やプライドは捨てて、初心からもう一度学ぼうと思いました。水泳という業界では頑張ってきたけれど、次社会人は全然違うフィールドじゃないですか。ただ、これまでやってきた考えは持ってこようと思って。だから、過去は過去で置いています。

記者 そこはサラッと捨てられたんですか。

奥出 はい!もうサラッと(笑)ドラマみたいなものです。24のシーズン1が僕の水泳みたいなもので、シーズン2が自分で仕事していた時があって、シーズン3が今。客観的にみて、山あり谷ありの面白い人生だったらいいなって思っています。

記者 その潔さが素敵です!奥出さん、今日は貴重なお話をありがとうございました。

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奥出さんの詳細情報はこちら↓↓↓

奥出さんのFacebookページ

CROSSFIT みなとみらい


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編集後記

今回インタビューの記者を担当した平野、高橋、口野です。
奥出さんのお話を伺っていて感じたのは、過去の成功に執着しない潔さと、それぞれのステージで大事なのは自分との勝負で最善を尽くすこと。世界を目指した方は、究極の絶望と究極の感動を体験して、人生のどんなステージの山も、谷も、全てをドラマ感覚で楽しめるんだと感じました。
これからも奥出さんのご活躍をこころより応援しております!本当に素敵なお話ありがとうございました。

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この記事は、リライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。


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