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洞川食探訪vol.12(書き手:覚 和歌子)「洞川ちゃいべつ」

11月になりました。
ブログのvol.12は、「洞川ちゃいべつ」のご紹介をしたいと思います。

洞川ちゃいべつ

「ちゃいべつ」とはキャベツのことです。洞川言葉の響きの可愛らしさは語尾に「にゃあ」が付くことや”オーマイガッ”を意味する「どないどない」など枚挙にいとまがありませんが、「ちゃいべつ」も思わず小首を傾げ、頬に人差し指を立てて口ずさんでみたくなるキュートな響きです。

初めて食べたのはごろごろショップオーナーの増谷さんちのお食事にお招ばれした時でした。「洞川のちゃいべつ食べたら他のキャベツ食えへん」と言う英樹さんの言葉に内心「にしてもまあ、キャベツなわけだし」と思って口に入れた生ちゃいべつの千切りが、東京で食べるのと全然違っていたのでした。

洞川ちゃいべつ千切りは、しゃぶしゃぶにもよく合う
写真: 増谷英樹 撮影

葉は薄めで色は白め、歯ざわりが良く噛みしめるほどに甘くなって、勢いでお代わりをした自分が、たかをくくった自分を責めました。英樹さんのお父さんが90歳越えてなお作り続けておいでだと聞けばなおさらありがたみがつのります。

すぐ売り切れる<ちゃいべつ市>
写真: 民宿翠嶺館facebookより

今回<おみくじ付き鬼いもにじり>を共作したひらべん茶屋のさっとん姐も、「ちゃいべつの切り漬、好きなんやあ」と言います。切り漬は塩漬けのことです。芋にじりにも芋おかいさんにも良く合います。キャベツのおしんこが美味しいことはみんな知っているけれど、材料のキャベツが良いとなれば推して知るべし。あとひきスナックかいと突っ込みたくなるほど、いくらでも食べられます。

かたわらの梅漬けと蕗も美味しそう
写真: 赤井正人 撮影

洞川の情深さ、水の清らかさ、森の懐かしさと山の計り知れなさ、そして龍の気配、そんなものすべてを宿して乳酸発酵したちゃいべつの漬物は、鬼たちの魂にとってふるさとの味かもしれません。

9/16から始まった九鬼祭2023もうじきクロージングを迎えます。
洞川の皆さんに2021年のご恩返しをして、そのご縁がこれからもずっと続いていくようにと企画したこの芸術祭、地元の皆さんに歓迎と多大なご協力を受け、トレイルしながら作品を鑑賞してくださった観光客の皆さんにも楽しんでいただけたようで、私たち9人の鬼たちは感謝の気持ちとともに達成感と充実感で胸がいっぱいです。

洞川うまあがな福袋」と銘打って販売した福袋は、洞川の名物をいっぱいに詰めて美味しいものが大好きな99人のお客さまの元へ嫁いでゆきました。洞川の美味しいものたちを、これからもご愛顧ください。それが私たち九人の鬼の心からの切なるのぞみ、私たちの洞川愛の証(の一つ。まだあるw)です。


11/9 覚 和歌子

施設情報

ごろごろショップ
奈良県吉野郡天川村洞川46
ごろごろショップfacebook

ひらべん茶屋
奈良県吉野郡天川村洞川28
ひらべん茶屋Instagram

翠嶺館
奈良県吉野郡天川村洞川287-2
翠嶺館ウェブサイト


「芋にじり」「芋おかいさん」についての記事はこちら

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