【都会に疲れたあなたへ】熊野市ソロ移住のすすめ
移住よもやま話もようやく折り返しということで、今回はちょっと箸休め。
この記事は、都会の生活に疲れ移住に興味や憧れを抱き始めつつあるあなたに宛てて書いた。当時の僕が知りたかったことをたっぷりと詰め込んだマイベストMD的記事ともいえる。
もし以下の条件に当てはまるなら、この記事はきっと大技林ぐらい役立ってくれると思う。
そうでなければ、石碑と同じぐらい退屈で無意味なものとなってしまうだろう。その場合はそっと戻るボタンを押して欲しい。
熊野市=熊野?
ではないことをここに来てから知った。熊野とは、和歌山県西牟婁郡・東牟婁郡・田辺市・新宮市、三重県北牟婁郡・南牟婁郡・尾鷲市・熊野市の4市4郡にまたがる地域を指す。下の画像の黄色い部分。紛らわしいよね、熊野市って。
熊野市について教えて?
ざっくり言うと?
三重県の南端にある東海地方で最も人口の少ない市(2023年現在、約1万5千人)あるいは熊野古道・伊勢路の終盤に現れる街。観光スポットとしては、鬼ヶ城、花の窟神社、産田神社、獅子岩、丸山千枚田、紀和鉱山跡、湯ノ口温泉、木津呂集落、大丹倉、楯ヶ崎、波田須(凪あすのモデル地)七里御浜などがある。
どこにある?
ここ。
どうやって行く?
名古屋からJR南紀に乗って3時間ほど。東京駅から向かう場合は8時12分発のぞみ15号、11時12分発のぞみ27号に乗るとほぼ待ち時間がない。熊野市駅到着はそれぞれ13時17分、16時4分。料金は片道約1万5千円。コンビニはJR南紀のホームにあるのでご心配なく。
あとは高速南紀東京大宮線という夜行バスで行く手もある。こちらは電車と比べて5千円ほど安い。時間は倍かかるけれど。
スーパーやコンビニは?
もちろんある。ざっと挙げると、イオン、オークワ2軒、主婦の店、なかみち、ダイソー、しまむら、エディオン、東京靴流通センター、DCM、コメリ、ファミマ、ローソン、すき屋、モスバーガー、回転寿司などなど。生活するうえで全く支障はなし。
熊野市移住の何がいいの?
人がいい
基本的にはほっといてくれるが、何かあるとさっと手を貸してくれる。その匙加減が絶妙でとても心地いい。よそ者といった風に警戒されることもなく、すんなりと地域に溶け込むことができる。熊野人は懐が深い。
バランスがいい
決して都会ではないが、かといって完全に田舎というわけでもない。市街地に住めばスーパー、コンビニ、海、山、川、熊野古道がすべて徒歩圏内という贅沢な環境を手にすることができる。それでいて家賃は都会にいた時と比べて半分以下。
気候がいい
夏でも30度前後と安定している。窓を開ければ海からの涼風がばんばん入ってくるので日中はほとんどエアコン要らず。
こんな感じに↓
熊野市で家を探すには?
家探しというとまずは不動産サイトを見る方がほとんどだと思う。僕も最初はそうした。では次の2つの画像を見て欲しい。
これは大手不動産サイトの物件情報をまとめて検索できる「nifty不動産」の市町村選択画面をキャプチャしたもの。ご覧の通り、熊野市は賃貸・売買どちらも掲載数ゼロ。
というわけで、熊野市で家を探す方法としては次の4通り。
地元の不動産屋を回る
空き家バンクを利用する
市役所の移住担当者から紹介してもらう
地元の人から紹介してもらう
いずれにしても現地にしばらく滞在しながら探すという形になる。実体験として、最低でも1週間は欲しいかなーといったところ。ちなみに僕は丸々1カ月いた。物件が見つかったのは帰る2日前のことだった。
地元の不動産屋を回る
僕が実際にお世話になった不動産屋は次のとおり。
おれんじ不動産は熊野市駅から2駅隣の神志山駅にある。恵比寿不動産は熊野市駅から歩いて5分ほどだが、社長が多忙なのでアポなし訪問は大変危険。藪本不動産は正直場所が良く分からない。分かっているのは、アマチュア無線が趣味の人の良さそうなおじさんが一人でやっているということだけ。
空き家バンクを利用する
最初に利用申込書の提出が必要。更新頻度はあまり高くない。どうやら市役所の移住担当者が業務の合間を縫って更新作業を行っているらしい(委託してもらえたら喜んでやるのにな~。チラチラ)
市役所の移住担当者から紹介してもらう
市役所の移住担当に相談すると、不動産屋・空き家バンクの物件の中から希望に合ったものを紹介してもらえる。つまり自分で探すよりも断然効率的。何としてでも自力で家探しをしたいミスターストイックな方でない限り、確実に相談しておいた方がいい。
地元の人から紹介してもらう
熊野市での家探しにおいては実はこれが最も確実な方法と言える。空き家っぽい物件を見つけたら、あいさつがてらご近所さんに声を掛けてみて欲しい。もちろん通りがかりの人でもいい。
市役所の移住担当への連絡方法は?
電話
くまの移住ねっとのお問い合わせフォーム
くまの移住ねっとのFacebookページ
移住スカウトサービス「SMOUT」のメッセージ
オンライン(ズーム等)
電話は直通ではないためやや面倒。くまの移住ねっとのお問合せフォームは必須項目が多くかなり面倒、オンラインは詳しい方法が載っていない。
よって一番手軽なのはSMOUTのメッセージ。実際、僕もそうした。登録後、熊野市ページの「熊野市の地域の人たち」項目まで進み、名前の下に小さく熊野市役所と書かれている方宛てにメッセージを送るだけ(現時点での担当者は濱田氏。お役所様のことなので今後変わる可能性大。予めご注意を)
現地で家探しをする際どこに泊まればいい?
第一候補は熊野市運営のお試し移住施設「まちぐらしの家」。1日1,500円で泊まれる上、熊野市駅から歩いて7分ほどと立地も良し。近くにはローソン、オークワ、イオン、飲食店や喫茶店がちらほらある。
注意点として、テレビ・WiFi・寝具の用意はなし。ペット同伴も不可。車で来るなら寝具一式持ち込むのはわけないが、公共機関だったらさすがに厳しいと思う。そこでおすすめなのがキャンプや登山用のコンパクトな寝袋。冬はダウン必須。
他にうみぐらしの家というのもある。これは熊野市駅から3駅離れた新鹿駅(あたしか)が最寄りとなる。電車は約2時間おきにしか来ない上、近くにスーパーやコンビニもないので車で来られない方はやめておいた方が無難。
万が一まちぐらしの家が満室だった場合、近くの宿を利用することになる。その際にはぜひ、レトロなゲストハウス「わがらん家」を頼ってみて欲しい。
連絡手段は電話(09014714889)・メール・インスタDMの3つ。お試し移住の件と伝えればスムーズだろう。予約状況次第ではあるが、きっと快く迎え入れてくれるはず。
僕もわがらん家で1カ月お世話になった。一緒に夕食を作ったり、ゲームをしたり、語り合ったりと本当に楽しい日々だった。
車の要らない地域は?
木本町・井戸町・有馬町。この地域なら自転車だけで何不自由なく暮らせる。大きな買い物はネットで済ませればいいし、Amazonなら熊野市でも問題なく最短翌日で届けてくれる。
井戸町
熊野市駅を降りるとそこが井戸町。獅子岩、イオン、オークワ、ダイソー、ファミマ、カラオケ、すき屋、図書館、市役所、警察署、観光案内所などがある。
木本町
まちぐらしの家とわがらん家はこの地域にある。他にも鬼ヶ城、松本峠、世界遺産熊野古道館、おもてなし館、ローソン、モスバーガー、片岡シェイク、熊野市唯一の高校、旧街道の本町通り、昭和の香りを残す記念通りなどがある。
有馬町
最寄りは熊野市駅のお隣・有井駅。花の窟、産田神社、黄泉平坂、ローソン、ファミマ、コメリ、DCM、エディオン、24時間営業のオークワ、ファーマーズマーケット、しまむら、東京靴流通センター、ナカミチ、主婦の店、山崎運動公園、僕の家などがある。買い物に便利。
ちなみに熊野市駅から24時間営業のオークワまでは3.8キロ。自転車だと15~20分ほど。
家賃はどのくらい?
築40年以上の平屋なら市街地でも2~4万円ほどで借りられるはず。ちなみに僕は築50年3Kの平屋を3万5千円でお借りしている。アパートの場合だと4~6万円台とやや割高になる。投げ売り物件も多いのでぽーんと買ってしまいたくなるかもしれないが、やはり最初は賃貸がいいと思う。
ネットはつながる?
問題なくつながる。
虫は出る?
もちろん出る。でも大丈夫。すぐに慣れる。それによくよく観察してみると虫も案外可愛いものだ。クモのくりっとした目なんか特にね。
あとは呼び方を工夫するとさらに愛着が湧くことこの上なし。例を挙げると、
ゴキブリ:ごーくん
ムカデ:むーたん
小さいムカデ:みにむさん
ダンゴムシ:だんくん
小さいクモ:くーちゃん
アシダカグモ:あーちゃん
アシナガバチ:あなさん
ナメクジ:なめさん
カメムシ:かずや
トカゲ:とかちゃん
でもやっぱりできれば遭遇したくないなーという方はブラックキャップとゼロデナイトのダブル攻撃を推奨。
終わりに
とにかくまずは軽い気持ちで市役所の移住担当に相談してみて欲しい。きっと快く対応していただけるだろう。相談したら絶対に移住しなければいけないということももちろんない。
ここまでお付き合いいただきどうもありがとう。
●読後のデザートBGM
※ホ別。