それは怒りでもある

もし、実在するのなら行きたいです。
話を聞いてほしいです。

窪美澄さんの『夜空に浮かぶ欠けた月たち』を読みました。


先日神社で御朱印の行列に並びながらこの本を読んで、涙、鼻水を出しまくってました。
現在休職中のこのときに読んだのは、いま読むときだったからかもしれません。

東京の片隅にある、椎木メンタルクリニックに通う人々の連作短編集です。
病んでるので、読んでいて苦しさがよくわかります。

去年から休職していて、上がったり、下がったりのメンタル。
心も躰も耐えられなくて限界で休んでます。

会社は他にもメンタルの病気の人が何人かいて、その人たちもずっと休んでいます。
一緒に働いていた人は私より前に休職してしまって、まだ復帰できていません。

その人がずーっと休んでしまって、休めなくなって、ぐあいはわるくてつらいけど、会社にいかないといけない。

朝起きて絶望していて、死にたい気持ちでいると気持ち悪くなったり、おなかが痛くなってきて、寝ていると午後になって、社長から何時に会社に来るんだ!って電話がかかってきて、昨日用意したお弁当を会社ではなく自宅で食べて、夕方数時間出勤する。

数時間の出勤ですむくらい仕事の注文量は減っていて、明日でもよかったと思うけど、明日来れるかわからない。
そんな日々が何年も続いています。

休んだら他の人に迷惑かかるんだから来なさい。
自分のことしか考えてない。

めまいで倒れて数日間動けなくても会社に来いと言われました。
めまいで動くこともできない。
でも他の人に迷惑かけてるから、行かないといけません。
でもさずがにめまいで動けずにいけませんでした。

毎朝死にたい気持ちになる。
起きた後、躰に不調が出る。
仕事から帰ると、しばらく動けなくなる。
会社で躰が動かなくなる。

それでも迷惑をかけるから行かなきゃいけない。
私が休むと仕事がまわらなくて迷惑がかかるから、休んではいけない。
どんなにつらくても休んではいけない。
休みたくても電話がかかってくる。

会社で仕事中に何度も躰が動かなくなって、それでも仕事しなきゃいけなくて、動けなくなって、ぐあいのわるさを嗤われた。

そしたら、もう、迷惑かけていいやって思って、会社にいかないことにしました。
挨拶してもみんな無視するし、いいや。
迷惑かけていいや。

辞めようと思った。
もう会社にはいかない。

次の日からたくさん寝ました。
何回も夢の中でも寝て、外でも寝る夢を見て、何時間も寝る日々でした。

辞めようとしたけど、社長が休職もあるからというので、休職になりました。
数年間のぐあいのわるさが数カ月で治るわけがなくて、半年間なにもしてないです。

そして、先日『夜空に浮かぶ欠けた月たち』に出会いました。

自分のつらさって病気だからじゃないだろうかと、椎木クリニックを訪れる人たち。
最初は病院に行くのをためらいます。
自分がウツになったとか思うの、いやですよね。

『時間をかけて、やっと門の前まで来たのに、そこから先にはなかなか足が進まなかった。なんだか大きな境目を私は跨いでしまうのではないか、という恐怖があった。心を病んだ女の子は、キラキラしている女の子の真反対にいる。自分が心を病んだとは認めたくなかった。どうしよう……そう思うがまま時間が過ぎていく。このまま帰ってしまおうか、そんな気持ちが浮かんできたそのとき、ふいに玄関のドアが開いた。』

なんとかしてクリニックにいくと、カウンセラーのさおりさんが優しく迎えてくれて、精神科医の旬先生が話を聞いてくれます。

ウツって怒りなんだなーって、読んでいて思いました。
みんなつらいって悲しんでるけど、私は怒りも感じました。

こんなクリニックがあったら通う。
遠くても通う。

さおり先生の寄り添ってくれる優しい言葉たちが心に沁みました。

『「生きていたら誰だって、一度や二度はくじけてしまう時期もあるよ。でも、そんなのちっとも恥ずかしいことじゃない。私なんてくじけてばっかり」』

『「このクリニックにはね、ほんの少し、ううん、ひどく心が疲れてしまった人がたくさん来るの。人間だもの、そういう時期は誰にでもあるよね。でもね、人間は完全な丸じゃないし、誰だってどこかが欠けているものなの。私だってそう……」』

『「誰だって無理を重ねたら、心が疲れてしまう。みんな自分の人生に完璧を求めてしまうかもしれないけれど、そうするとどうやっても心に無理がかかるの。ほどほどでいいんだよ。人生長いんだから。それに」そう言ってさおり先生もお茶を飲んだ。
「こういう病院に来るのはとても勇気のいることでしょう。心が疲れてしまった人を助けてあげるなんて、ほんとうにおこがましいけれど、このクリニックに来て、少し休んで、みんなが元気になって去って行く。そのことが本当にうれしいの。植村さん、このクリニックに来てくれて、本当にありがとうね」そう言ってさおり先生は頭を下げた。』

『「強い人なんていないよ。麻美さん。みんな、いろんなことでぺしゃんこになって、心も折れて、そういうときは、こういうところで少し心を休めてまた歩き出していく。休み、休みでいいじゃない。人は一人じゃ生きられない。でも、身近なところで誰かに頼れなくても、私たちみたいな人もいる。そいうときは誰かを頼っていいんだよ。それに」
さおり先生の目を見つめる。どこか母に似ているような気がした。
「麻美さんは生きてるだけで、愛されるに値する人間なんだよ。恋愛がうまくいかなくたって、それはその人との相性が悪かっただけ。それだけは忘れないでほしいの」
さおり先生がそっと小指を差し出す。指切りげんまんを最後にしたのはいつだったかな、と思いながら、私もその指に自分の小指をからめた。』

『「本当に心配な状態に なったら、いつでもこのクリニックにいらっしゃい。どうしてももうだめだと思ったときは、避難所みたいな人や場所をいくつか作っておくといいよ。一人の恋人だけにわーっと頼ってしまうと、その人も負担が大きいし、案外、大事なときに頼れないってことも多くない?」』

『「私はこんな仕事をしているから、つい上からの物言いになっていたらっごめんなさいね。春日さん、人生ってね、何度でも、どこからでも、もう一回始められるんだよ。私はそれを旬先生から教えてもらったし、ここに来る人たちからも教えてもらったの。それに、春日さんの人生は始まったばかりなんだよ。ねえ、玲奈ちゃん」』

『「人生ってうまくいかないことのほうが多いのに、みんなそれをうまく隠しているけど……私ね、あまねが亡くなってから、人生がうまくいかないのが当たり前だと思うようにしたんです。そう思い始めたら、ちょっといいことがあったときはすごくうれしい。それをね、日記につけているんです」』

さおり先生の優しい言葉たちに癒されます。
先生のいうように、避難場所があるといいんですよね。
場所とか、人とか。

本に会社の話を書きましたが、あれは大昔のことでいまはあのときいた人たちはほとんど辞めてしまって、いません。
だから話せる人がまったくいないんですよね。

公園とかカフェ行ったりして気分転換してるけど、根本的な対処にはならないんですよね。
でも自分でハンドドリップするより誰かに淹れてもらったコーヒーはおいしいです。

メンタルお豆腐なので、自律神経がダメな倉科おばさん。

さっきまで、心因性発熱で苦しんでました。
今は熱が下がりました。
前半書くのがつらかったからかな。
脳から発熱してしまいました。

ヒステリー球もよくあります。
すぐ喉が苦しくなります。

それでもだいぶ恢復してきているのでそのうち復職できると思うのです。
トランプ名刺も作って、旅に出たいし。
いつまでも無職だと貯金が減ります。

しかし、自律神経狂わせてストレスで発熱したり、喉詰まらせたり、すぐ泣いたり、その他不調があるのでまだむりかなあと思います。

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ウツの人にがんばれって言っちゃだめらしいけど、倉科おばさんは大丈夫ですか?って訊かれるのがいやです。
がんばれのほうがまだいいです。


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