見出し画像

故郷に帰って その2

故郷に帰ってきてもう1ヶ月が経つ。
今までの生活とは打って変わってのんびりした時間が流れる。
誰に会うわけでもなく、やることと言えば家の家事を手伝ったり、お父さんの畑仕事を手伝ったり。
それだけでも両親はすごく喜んでくれた。
別にたいしたことなんてしていない、代わりに掃除をしたり洗濯物を干したり、畑仕事と言っても作物を運んだり水やりをしたり、その程度のこと。

でも会社にいる時は感謝されることもなかったな。
やって当たり前、やらなければ責任追及。
他人の仕事をすき間時間でやっても感謝の1つもなかった。

若手だから、後輩だから気を遣って当然。そんな風潮があの会社にはあった。

でもここに来て1ヶ月が経って思うことがある。
こんなんで良いのかな。
あれだけいろんなことがあって、辞めたくて仕方がなかった。
それでも他の人と比較してしまう。他の人は頑張っているんだろうな。
何も収入がなく、ただ家の手伝いをしているだけの自分と収入があって1人の社会人として働いている誰か、その差は大きく感じる。
自分は何やってるんだろうな。

今は両親も帰ってきてくれてありがとうと言ってくれているけど、時間が経てば働きに行かないととか、いつまでこんな生活を続けるつもりとかと思うだろう。
でも僕にとっては働きに行くことに恐怖を感じる。
また同じようなことになるんじゃないか、また追い詰められてしまうんじゃないか、どうしてもそんな風に感じてしまう。

比較してしまう自分とそこに行くことに恐怖を感じてしまう自分、そんな感情が行き来する。

僕自身もこれからの人生どうしたいのか全然分からない。これまで他人の目を気にしてばかり、自分のことはどうでも良かったから、これから自分が何をすれば良いのか、どうしたいのかと考えても何も浮かばない。
誰かに教えてもらえたらそんな気持ちですらいる。

今は夜の9時。もう辺りは暗く、田舎だから人や車の通りも少ない。
誰かと会うこともあんまり考えられないし、ちょっと気晴らしに散歩にでも行ってこようかな。
「ちょっと散歩にでも行ってくる。」
「あら珍しいわね。気をつけてね。」
母親はそう言って僕を気遣い送り出してくれた。

僕の歩く音だけが鳴る。空を見上げれば月の明かりが優しい。
これからどうしたいんだろうな。

その2は以上になります。
前回のその1も合わせて読んでみて下さい。


最後まで読んで頂きありがとうございました。
藪田建治でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?