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褒めるの真髄とは?コーチング発のアグノレッジメント10選

本日で仕事納めを迎えました。

皆さんも、明日で仕事納めとなる方も多いと思います。

本当に、1年間お疲れ様でした😌


共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


「皆さんは、人から褒められてうれしいですか?」

そう言われたら過半数の人が「うれしい」と答える気がします。

では、子どもはどうでしょうか。

実は、全国の教師の悩みでよく出てくるのは

「褒めているけれどうまくいかない」

というものなのです。

特に思春期。

小学校高学年以降になってくると、安易に褒めるとむしろ「反発」を生むときがあります。

人前で褒められるのが嫌な子ども。

一人だけ褒められることによって周囲からの妬みが生まれることを恐れる子ども。

いい子ぶっていると認定されてしまうと心配する子ども。

そもそも褒められるのが好きではない子ども。

筆者も教員になった当初は「褒める」ということを意識していましたが、数々の中学校教師たちから学ぶ過程で、「認める>褒める」に変わっていきました。

そんな「認める=アグナレッジメント」のアプローチ方法を、コーチングの視点を織り交ぜてお伝えできればと思います。

教育、会社、家族など人間関係全てに応用ができる内容になっていますので、是非、最後までご覧ください。



なぜ、認める>褒めるなのか?

なぜ「褒める」はNGで、「認める」はOKな人がいるのでしょう。

それは、

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

「褒める」という行為がそもそも上の立場である人が下の立場にある人に発せられるもの

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

だからです。

例えば、

「やるじゃん!」
「いい仕事するね~!」

こんな言葉は、自分が大好きな人や尊敬している人、上司からであれば言われてうれしいもの。

しかし、特に尊敬しているわけではない同僚にそれを言われた場合はどのように感じるでしょうか。

「え?何で上から目線なの?」

と感じる人がいてもおかしくないと思います。

思春期というのは大人という存在を疑い始める時期。

「上辺だけの言葉を並べているけれど、この人は本心からそれを言っているのか?」

「周りが言っているから口にしているだけで、この人には信念がない」

そんなことを言語化できずとも感じ取るのがこの時期です。

大人になればなるほど、人間は鈍感になります。

ピーマンやビールなど苦いものも口にすることができるようになりますし、社会の荒波に飲まれ、少々のことなら流さなければ生きていけなくなるので、メンタル面も鈍感になっていきます。

ということは、思春期の子どもは鋭敏さがピークといってもよい。

その中で、表面的な褒めを使うよりも、認めるという行為を使った方が、同じ目線で発している言葉として、子どもたちに入っていくのです。


アグナレッジメント10選

ここからは、「認める=アグナレッジメント」の中で厳選したものをお伝えしていきます。

以下の10選ですので、自分の好みに合わせて、「これは使えるな~」といった視点で見てもらえればと思います。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

❶任せる
❷相手に意見を求める
❸選択権を与える
❹謝る
❺意思のあるうなずき
❻頻繁に声をかける
❼気付いている/知っているというメッセージ
❽存在価値を高める紹介
❾Iメッセージ
❿本当に褒める

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢


❶任せる

よく、

「部下を育てたいのならば任せるのが1番」

という言葉が使われます。

それは本当にその通りで、

「任せることは最大の信頼の証」

だからです。

そのプロジェクトの全権を与えられた部下は、自分の最大限の力を発揮してベストなものにしようとするでしょう。

その過程の中で力が付いていくのです。

ここで、安易に口を出すのはNG

上司は、仕事の全ルートや大枠を示しておき、「困ったことがあったら聞いてね」としておくこと。

自身がその仕事の全体像と進め方を分かっていたのならば、相手が助けを求めた時にいつでもサポートできます。


❷相手に意見を求める

上司から一方的に

「こういう方針で進めて行こうと思っているからよろしく頼むね!」

と言われるのと、

「こういう方針で進めていこうと思っているけど、あなたはどう思う?」

と言われるのでは、「頼られている感覚」が全然違います。

「相棒・リーダー、どう思う?」

なんて振られた時には、自分もてる力以上のものを発揮して、よりよいアイディアを考え出してくれるでしょう。


❸選択権を与える

プロジェクトのリーダーをお願いしたいとしても、無理やりやらされていては、そこまでの成果を期待することは難しいでしょう。

ただ、

「任せたいと思っているんだけど、どう?」

の一言があるだけで、

「はい」

と選んだのは自分自身になります。

人間は、自分が選択したことはやり切りたいと思うことが相対的に見て多くなる生き物。

他にも、1つの仕事を任せる時に、

「Aの方法とBの方法があるよ。どちらでもいいし、自分で新しく方法を考えてもOKだよ」

と伝えれば、自分に合ったよりよい方法を選ぶことができる。

自分のことを理解してくれている。
自分の意思を尊重してくれている。

このようなアグナレッジメントは、威力を発揮するはずです。


❹謝る

これは、上の立場の者が、部下や生徒などの立場の人に謝る場合です。

謝るという行為は、自分の非を認めているということ。

そして、部下や生徒にとっては、

「自分たちのことを一個の人間としてきちんと扱ってくれている」

と感じる行為です。

四六時中誤っている上司や教師では、「頼りなさ」が出てしまうかもしれません。

(逆にサポートしたい雰囲気が高まる素晴らしい人間性をもった上司のパターンもあります。)

しかし、時には「謝る」という行為を示すことは、

「上司・教師だって同じ人間なのだ。」

と感じさせ、日ごろのコミュニケーションや言葉がもっと入っていきやすくなると思います。


❺意思のあるうなづき

カウンセラーは「話を聴く」プロです。

そのカウンセリングスキルの中で絶対に欠かせないのは「うなずき」。

しかも、心から相手の話に共感している、理解しようとしている「うなずき」は、相手に伝わるもの。

すると、次第に心の扉が開いていき、本当に伝えたかった本音や、苦しんでいた思いを打ち明けてくれるようになります。

それぐらい、「うなずき」は、相手の存在を認めているというサインなのです。

形だけの「うなずき」ではなく、「心で共感しているうなずき」ならば、相手の心に響くことでしょう。


❻頻繁に声をかける

「言っていることが正論である」にも関わらず、反発を生む人がいます。

逆に、同じことを言っているのに、協力しようと周囲がなる場合があります。

筆者は両者の校長を経験しましたが、両者の違いを生み出している理由の1つが、「頻繁に声をかけているか」でした。

一方は、何でもないバカ話をしながら盛り上がったり、逆に仕事の負担の量について気遣ったりしてくれる校長。

かたやもう一方は、校長室に閉じこもりきりになり、全体会議の発言の時だけ正論を言う校長。

「雰囲気づくり1つでここまで受け取り手側の空気が変わるものなのか」

ということを経験した出来事でした。

「頻繁に声をかける」というのは、相手のことを大切に思っていることの現れと受け取られるのでしょうね。


❼気付いている/知っているというメッセージ

これは、ただ、ただ事実を言葉にするだけでよいアグナレッジメントです。

「宿題を毎日出しているね。素晴らしい!」

だと、どこか相手におもねっているいる感じがある。

一方で、

「宿題を毎日出しているね。」

だけの場合は、「ただその事実を知っているよ」というサインを送っているだけで、媚びる印象もなく、言葉がそのまま入る気がします。

この「ただ気付いている/知っている」というアグナレッジメントは、とても応用性があり、思春期の子どもたちにも入っていきやすいアプローチです。

他にも、

「髪型変わりましたね。」
「そういえば息子さん〇〇が好きでしたよね。」

といった、ただ気付いている、知っていることを伝えることで、大人もうれしくなる人が多くいると思います。

余分なことを言わず、ただ、事実を述べる。

そこまで技術はいらず、すぐ実践できる方法だと思います。


❽存在価値を高める紹介

その人物が今までどんなことを成し遂げてきたのか。

どのような貢献をもたらしてくれたのか。

会社にとってどのような存在なのか。

そんなことを本人に向かって直接言うのではなく、全体の前や第3者の前で紹介するということも立派なアグナレッジメントです。

本人がいない場でそれをやってもよいでしょう。

すると、親切な幸福の配達人の方が、

「〇〇さんがこんなこと言ってましたよ」

と伝えてくれる場合も多いですから。

ただ、どのような紹介をすると本人がうれしく感じるのかは、その人がどのようなタイプかによって変わるはず。

人間の気質を分類する方法は様々あるのですが、コーチング視点の分類と、喜ぶ言葉の違いは、またどこかで記事にできたらと思います。


❾Iメッセージ

「僕はこのように思っています」

という言い回しは、決して押し付けがましくありません。

「あなたにこの考えを強要することもありません。ただ、僕はこう思っているだけです。」

そう、自分の意思や気持ちを伝え、相手に対しては何も求めない

そんな「Iメッセージ」を織り交ぜることもとても重要です。

例えば、

「私、うつ病になってしまったんです。」
「死にたいと思う時があって・・・」

そんな相談をされた場合は、褒めようも、認めようもありません。

それでも、相手の心に明りを灯したい。

そんな時は、

「そんな大事なことを相談してくれたんだ。ありがとう。うれしいよ。

というIメッセージを伝え、相手の思いを受け止めながらも、相手を温かくするフィードバックを伝えることができるのです。


❿本当に褒める

その人が心から発する言葉かどうかは、相手のことをよく観察していれば分かります。

本当に、心から発している言葉は、どのような年齢に限らずとも、素直にうれしいものです。

また、普段から媚びへつらわない人であったり、
言葉と行動が一致していたり、
ウソ偽りない人が発したりする

褒め言葉は相手に素直に入っていきます。

普段の言動で、言葉の重みが規定されるよい例です。


まとめ

この記事では「アグナレッジメント=認める」ということを中心に伝えてきましたが、「褒める」が悪いわけではありません。

むしろ、尊敬する人、大好きな人から言われた褒め言葉は、心に響くものです。

自分が師と敬っている人から褒められたら、とびあがるほどうれしいでしょう。

だからこそ、関係性を気を付けたり、心からの言葉であるのならば、「褒める」ということは大いに使ってよいと思います。

また、「労う」という視点もとても大切です。

「ありがとう」
「大変でしたね」
「お疲れ様!」

そんな相手の労に対して敬意を表す言葉は、相手の心にじわ~っと染み込んでいくものだと思います。

そんな言葉と共に、ちょっとしたお菓子なんかも付け加えると、心も身体も癒されますよね。

ご自身のキャラクターに合わせて、使えそうなものを選んでくださればと思います。


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(2023.12.25~12.31)

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【火曜日】
宇宙人がつくった会社 異次元の発想から生まれたサービスとは?
【水曜日】
身体こそが最大の資産!若い内から実践すべき健康法7選(一部有料)
【木曜日】
褒めるの真髄とは?コーチング発のアグノレッジメント10選
【金曜日】
「美意識」を磨こう!「美」を磨くことで得られる恩恵とは?
【土曜日】
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【日曜日】
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