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「断髪」と「辮髪」【新人読書日記/毎日20頁を】(57)

「中国ジェンダー史研究入門」、261〜280頁、読了です。

本章「近代中国の男性性」では、中国の「男性性」はどのように定義・左右されてきたかを概観しています。19世紀末、清末民初の政治家・康有為が「断髪」を提起、女性的「辮髪(おさげ)」は中国人が西洋人に笑われる原因だと、辮髪を切ることを提唱し、男性性への復帰を求めていました。「辮髪」の歴史と対照してみると、このエピソードは興味深いと思います。

もともと「辮髪」は統治階級になった満洲族が自民族の風習を漢民族に押しつけたものですが、当時、「頭を切られても髪は切らない」と反発した人もいたのです。髪を切るか、切らないかが政治的立場と民族の栄辱に関わること自体はおかしいですね。


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