Ladybug

平和な文章を読む幸せをしばらく味わっていて、人づてに時々お邪魔させていただいたり、イイ…

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平和な文章を読む幸せをしばらく味わっていて、人づてに時々お邪魔させていただいたり、イイね!したり、コメントさせて頂いています。こちらの発信については、まだ考え中です。 どうぞよろしくお願いいたします。

マガジン

  • エッセイと創作の間

    リアルエッセイを基にした、創作作品です。現実と創りものの割合は作品ごとに異なります。

  • #毎週ショートショート参加作品集

    『たらはかに』様のイベント作品集です。 出された二つのお題をつなぎ、そこから410字くらいで物語を想像して創ります。完全フィクション物語への挑戦です。

最近の記事

第3回 54字の宴: チョコレート

櫟茉莉花さんの第3回54字の宴に参加させて頂きます。 お題は「チョコレート」です。 ①チョコレート好きな夫婦だけど… ②バレンタインデーのチョコレート:親子愛編 ③バレンタインデーのチョコレート:夫婦愛編 ④えっ、病気!? ⑤チョコレートの好み?! 昨年の11月頃から家庭生活の諸事情により、マイペースにnoteを閲覧、コメント、投稿となっており、特にコメント欄は書く方も読む方も完全に時空が歪んでおります。 そんな中、54字の物語企画には、よく参加させて頂いておりま

    • 私のこと好き?: Me and Ms. Jone

      三羽烏さんの企画に物語形式で参加させて頂きます。 よろしくお願いいたします。 (本文:1643文字) いつもの時刻に、いつものcafeへ行き、いつも通りブルーマウンテン・ブレンドを頼む。席に着いてバックからスケジュール帳を取り出して開くと、ちょうどあなたがcafeへ入ってきた。私は知らぬふりで、スケジュール帳から視線を外さない。 音でわかるのだ。 あなたが来たことが。 一定のリズム感がある靴音、カウンターで店員に頼む貴重な種類のコーヒーを告げるテナーのゆっくりとした穏やか

      • 私のこと好き?: 現実的に考えてみた【1,000字】

        「私のこと好き?」 という言葉を投げかけた記憶が私にはない。 もしかしたら、思い出せていないだけかもしれないけど、思い出せないということは、大した記憶じゃなかったのだろう、と思う。 逆に、 「あなたのことが好きです。」 と言ったり、手紙に書いたりしたことはある。 面と向かって言えたことはなく、相手の顔の表情を見ずに済み、自分の表情も相手に見られなくて済む方法を選んだ。自分の気持ちをストレートに伝えるだけで精一杯で、自分がそれ以上恥ずかしい想いをしたくなかったこともあ

        • 手をつなぐとき:Be My Love【3,614文字】

          漆黒の空には、オリオン座が輝いていた。 都会の空にもかかわらず、これほどはっきりと星座が見られるのは、空が晴れていて空気も澄み、周囲に光がないからだろう。住宅街には、ところどころその暖かな家庭を象徴するかのようなオレンジ色の光が窓から漏れていた。 私はあの時、決断した。 噂の真相を確かめるため、本人の口から聴きたかった。 今までの私たちの関係は何だったのか? これが思春期特有のホルモンのなせる業にすぎないのに、誰もわかりやすく説明してくれなかったし、学校で優秀だと評価され

        第3回 54字の宴: チョコレート

        マガジン

        • エッセイと創作の間
          7本
        • #毎週ショートショート参加作品集
          2本

        記事

          大喜利54字:MERRY CHRISTMAS!

          櫟茉莉花さんの大喜利54字に参加させて頂きます。 ①魔女がサンタクロースになったら… ②サンタクロースのプレゼントは、誰一人取り残さない ③疲れた時こそ、サウナに入ろう! 今年7月以降、note界のフォロワーさん方に大変お世話になりました。 ささやかすぎますが、感謝の気持ちを込めて、私からみなさんがほっこりできるような54字大喜利をクリスマスプレゼントとしてお贈りいたします。 みなさま、素敵なクリスマスと年末年始をお送りくださいませ。 来年もどうぞよろしくお願いいたし

          大喜利54字:MERRY CHRISTMAS!

          小説:距離を取るという愛【3800字】

          それは、美津子が自分の家族と定住先を決めたばかりの頃だった。 美津子にとって長年の付き合いがあり、心置きなく話せる親友の尚子は、長い海外生活を経てようやく日本で落ち着く場所を見つけたばかりだった。尚子が立ち寄った美津子の家はあまりに静かだった。尚子が「何か音楽を掛けてくれない?」と言ったので、美津子はかつてBLUE NOTEでライブを聴いた時に購入した、Hank JonesのSolo Pianoアルバム「Round Midnight」を選び、CDプレイヤーで再生した。このアル

          小説:距離を取るという愛【3800字】

          メッセージ │参加作品 #小牧幸助文学賞

          垂直に刺した矢は、心を暖かく包み込んだ。 シロクマ文芸部の20字の小説(小牧幸助文学賞)に初参加してみました。 #小牧幸助文学賞 #シロクマ文芸部 #20字の小説 #言葉という矢

          メッセージ │参加作品 #小牧幸助文学賞

          第2回54字の宴:ハロウィン、落ち葉

          櫟茉莉花さんの第2回54字の宴に参加させて頂きます。 お題『ハロウィン』 お題『落ち葉』 お題『ハロウィン』は、現実的な私の過去のリアル・エッセイに近いところから作品作りに活かしました。 お題『落ち葉』は、「生と死」についてしばらく考えていた時期があり、 Paul Kalanithi著(訳:田中文)「原題:When Breath Becomes Air」(いま、希望を語ろう)早川書房、2016年初版 を読み、河口恭吾の歌「風と落ち葉の季節に」を聴いて、インスピレーショ

          第2回54字の宴:ハロウィン、落ち葉

          「54字の宴」#プレ大会

          見出し画像は、 みんなのフォトギャラリー:世界の美術館から使わせて頂きました。 タイトル: The Road from Moret to Saint-Mammès クリエイター: アルフレッド・シスレー / メトロポリタン美術館 櫟茉莉花さん主催「54字の宴」プレ大会に参加させて頂きました。 いろいろな夏の思い出を54字で創作表現して、みなさんとワイワイ交流できる機会を作って下さり、ありがとうございます。 マイペースですが、他の方の作品の閲覧にも伺います!

          「54字の宴」#プレ大会

          カフェ4分33秒 #毎週ショートショートnote

          僕はいつまで待ったらいいのだろう? 待ち合わせ時刻通りに来ない彼女に振り回されてばかりいる。 初デートの時、彼女は30分も遅刻してきた。 カラン、カラン。 カフェのドア・ベルが鳴ると、つい「来たか?!」と反応してしまうが、またしても違う人だった。 デートを重ねるたびに彼女の遅刻時間は短くなるものの、待たされるとわかっていながら僕はどうしても先に来てしまう。 前回の遅刻時間は15分程度だったかな。 「タイムマネージメントが下手で、いつも10分くらい間に合わないの」 彼女

          カフェ4分33秒 #毎週ショートショートnote

          ガーデンでの静寂:Old Mistake

          日曜日にいつも出向いていた会に参加しなくなってしばらく経つ。 夫が子ども達を遊びに連れて出かけてくれる日曜日、私はうちで一人、疲れ果てて体力も気力もなく、ただボーっと過ごすだけだった。 ある時、自宅に一人でいた時に、どうしようもなく落ち込んでしまい、精神衛生上良くないことに気がついた。そこからは、次々と日曜日を中心に外出予定を組むようになった。 そもそも上の子が行きたがる校外イベントは土日に多く、抽選に間に合うようにネットで参加申請をし、当選するといそいそと出かける。家族で

          ガーデンでの静寂:Old Mistake

          告白水平線 #毎週ショートショートnote

          海に来たのは、何年ぶりだろう? 少し時間ができて、近くの海岸まで車を走らせて寄ってみた。 もう少し話したかっただけだったのに、時間がなくてできなかった。 私の言葉が足らずに誤解されたし、それが積み重なって、周囲にも波及したから中傷までされたのかも。 そんなことを思い返しながら、私は逃げるようにこの海岸に辿り着き、車を停めた。 はるか彼方の水平線から寄せては返す波が、音を立てて大きく崩れた時、私は心の中であなたに告白した。 何となく、あなたの気持ちは、私にはわか

          告白水平線 #毎週ショートショートnote

          子どもとの連弾 :Mas Que Nada

          第1幕:母の学生時代 「もし聴いてみて、要らないなら、私が欲しいくらいだわ!」 母の学生時代の友達Nちゃんは、ある時こんなことを言ってそのレコードを手渡したらしい。 Sergio Mendes & Brasil ‘66というミュージシャンのレコード・アルバムだ。 ある世代には、青春の曲が数々入ったアルバムなのではないだろうか? 母の両親(つまり私の祖父母)は日本の演歌ばかり聴いていたというから、ブラジル音楽もボサノヴァもきっと当時の母は知らなかったに違いない。 私の想像

          子どもとの連弾 :Mas Que Nada

          大切なものの扱い方:Will You Love Me Tomorrow ?

          夫婦でアクセサリー店を訪れ、サイズ直しに出していた結婚指輪を受け取ったのは、つい先日だ。 たった数か月のことだったが、サイズ直しのためにアクセサリー店に、夫婦の結婚指輪と結婚指輪に重ね付けできる2種類のダイヤモンドが埋め込まれた婚約指輪を預けている間、私は何だか落ち着かなかった。こんなことが、心理的に何か影響を与えるはずはなく、ばかばかしいと思いながらも、私はその期間をふわふわとした心地のまま過ごしていた。 私は結婚して以来、ずっと左手の薬指に結婚指輪を付けており、ほ

          大切なものの扱い方:Will You Love Me Tomorrow ?

          Shyな日本人とGentleman:Tapestry

          海外出張の多い私の上司は、ヨーロッパにも行くし、アジアにも行くし、いろんな文化に触れて、多様な人たちと一緒に仕事をしている人だった。私は時々、海外にいるその上司とどうしても連絡を取らざるを得ない時は、現地時刻を世界時計で確認してから、メールやLINEで送るタイミングを測っていたものだ。 そんな折、ヨーロッパの国から帰国して間もなかった上司と二人でエレベーターで乗り合わせた時があった。同じ階で降りるのに、上司はボタンを押して黙って待っている。私は一瞬何が何だか理解できなかった

          Shyな日本人とGentleman:Tapestry

          コーヒーの選択:Home Again

          私がいつも自宅に常備しているお気に入りのコーヒーが切れたことに気づいたのは、休日の夕方で、その日は夫が子どもを連れて一日遊びに連れ行ってくれた日だった。 私はその間、忙しない日常からしばし解放されて、溜まった家事を一人で片付け、帰宅早々に家族全員で夕食が食べられるように準備していたため、いつもより早く夕食が済んでしまった。子ども達は出かける前に、やるべきことを終わらせてから遊びに出かけたため、あとは入浴を済ませて寝るだけになっている。 「あ、明日の朝飲むコーヒーが切れちゃ

          コーヒーの選択:Home Again