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【本紹介】一般常識よりワンランク上を狙った、歴史知識を身に付けたい方にオススメの一冊。

皆さんは、今現在コロナによる自粛期間が続く中、どのように過ごしていますか?

たくさん大変な事もありますが、言ってしまえばせっかくの長期休暇でもあるので、読書をする時間を作ってみるというのはどうでしょうか。

今回は記事を書いている私自身が史学科に通っているということもあり、歴史に興味がある、文学系・史学系を専攻しているという学生さんに向けて本を紹介しようと思います。
もちろん、それ以外の方でも、一定の歴史知識を得たいと考えている方にも是非読んでいただきたいです。

では早速紹介させていただきます。
後藤武士さんの「読むだけですっきりわかるシリーズ」です。

日本史、世界史、政治・経済など・・・様々なジャンルが一冊にまとまっているシリーズです。今回はとりわけ「世界史シリーズ」中心に引用をして、紹介させてもらいます。

文学・歴史にまつわる本はたくさんありますよね。しかし、ある程度の知識が入っていないと難易度の高い本の内容や背景がわからない・・・そんなときにオススメのシリーズです。

ではこのシリーズ本のどのような点に魅力があるのか、書き記していきます。

1.柔らかな文体

まず紹介する魅力は、歴史本として特有の「固さ」が全くないというところです。

私は高校時代、授業で忘れてしまったところや欠席してしまったところを教科書と合わせてコチラのシリーズを読んでいましたが、高校生だった私でもすらすら読むことができました。

・このムハンマド、昔はマホメットと呼ぶのが主流だった。あ、モハメッドでもメフメトでも同じだから、自分の好きな表記に頭の中で置き換えて読んでいってくれてもいいよ。
(読むだけですっきりわかる世界史 中世編58ページより)
・世界地図があれば見てほしい。アメリカ本土からハワイへ、さらにグアムへ、そしてフィリピンへ。(読むだけですっきりわかる世界史 現代編56ページより)

このような感じで、本の方から積極的に読者に反応を求めてくるような、寄り添ってくるような親しみのある文体です。

本を読んでいるのではなく、誰かと話しているような感覚で読むことができますよ。

2.溢れる皮肉とユーモア

文体が柔らかということに関連して、コチラのシリーズは内容の書かれ方がとてもユニークなんです。

・「名は体を表す」という言葉があるけれど、神聖ローマの場合は、身体を無理に名に合わせようと背伸びしてしまった感もあるね。(読むだけですっきりわかる世界史 中世編24ページより)
・彫刻では何といってもロダン。オセロゲームの直後にそんな名前のボードゲームも発売されていたっけ。(読むだけですっきりわかる世界史 近代編361ページより)


著者本人の感想や皮肉が交えてあり、読者が疑問を持ったり、共感をしたり、歴史の世界に簡単に入り込んでいけるような雰囲気にまとまっているのです。

歴史を入門のようなカタチ、もしくは趣味のような感じで楽しみたい方にはぴったりかと思います。

何よりも印象や記憶に残りやすいですし、この本の内容を誰かに紹介したり説明したりするときに小ネタとして展開することができるので、勉強が楽しくなりますよ。


3.まさに「プチ歴史辞書」

このシリーズの本が難しく感じ過ぎない理由のひとつとして、「プチ歴史辞書」という性質を持っているということが挙げられます。

項目わけがわかりやすいので、特定の部分だけ復習したいというときに、その特定の部分だけを読み返すという「辞書的な使い方」が可能です。

無理ない量で区切られていますし、ところどころに補足的な地図も載っているので便利です。

この本は、歴史マニアや歴史上級者の方たちにとっては明らかに物足りない内容ですが、歴史初心者の方や歴史を全体的におさらいしたいという方にはすごく向いています。

また、ざっくりと歴史を頭に入れたのち、「ここは興味深かった」「あれについてもっと知りたい」と思ったところに付箋等を貼り、繰り返し読み、さらに難易度・専門性の高い本に手を出してみるという使い方もオススメです。

私自身史学科の学生なのですが、高校生のころに購入したこちらの本を入学前に再読し、授業前の予習や復習のために使っていました。

コロナ自粛が続く今、是非歴史的教養を身に付けてみませんか?

歴史を学ぶということは、文化や社会の勉強にも繋がりますよ。

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