今日の本は
壁井ユカコ『2.43 清陰高校男子バレー部』シリーズ。

名前の通り、高校バレーが舞台の青春小説。
この本は、THE青春！という感じで、とにかく熱い！バレーへの情熱が凄い。
内容は、

超田舎の町に、バレー愛が凄い天才の灰島公誓(通称チカ)が転校してきて、幼なじみの黒羽裕仁(通称ユニ)と再会する。
チカはどうやら東京の強豪バレー部で問題があり越してきたようで…。
それでも田舎の部員の少ない上にほとんど活動していないバレー部で、1人練習を続けていた。その姿に感化されて運動能力はあるけど気弱なユニも、バレーに目覚めていくのだが…。
ユニは気弱ゆえに、チカはバレーの情熱と天才であるからの言動ゆえに、問題は次々と降り掛かってきてしまう。
けれども、もがきながらに成長していき、そんな2人を中心に、弱小だったバレー部も次第にのし上がっていく…！

という感じ。(結構ざっくり)
このシリーズは、

「(サブタイトルなし)」①②巻
「代表決定戦編」①②巻
「春高編」①②巻

と、計6冊出ている。
タイトルは『清陰高校バレー部』となっているけど、中学からスタートする。
中学で2人は再会し、ゴタゴタっとした後、タイトル通りに高校で本格的に動き始める。

この本で何よりも凄いのが、心理描写がやたらとリアルなところだと思う。リアルだからこそ、もがき悩む姿が身近に感じられ、惹き付け惹き込まれる。
そして何よりも面白いのが、視点がメインのユニチカ2人だけではないということ！
それも味方だけではないということだ！
味方側、チームメイトやその周辺の視点のみならず、対戦相手の視点からも物語は進んでいく。
視点だけでなく、対戦相手にも悩みや葛藤、絶対に勝つという想いが綴られているて…。
だからこそ、ユニチカが所属する清陰高校が勝利しても、相手チームの心情も覗いてしまっているから、嬉しいのだけど複雑…となってしまう。まあそれがまたいいのだけど。(え)

展開か全然トントン拍子には進まず(とはいえ、そこが良いのだけど)、最後までそうなるのかー！のオンパレードで、飽きない。
何より、ドシャッと決まった時は、読みながらに沸き立つ。目の前で点を取った瞬間を見たように、臨場感がある。
 

バレーでいえばの漫画

古館春一『ハイキュー！！』(全45巻)

が好きなら、絶対にハマる作品だと思う。
最初の方は少しだけ、ほんとに少しだけ似ているから『ハイキュー！！』好きなら、おすすめしたい。ただ単にバレー好きな方も、勿論そうでなくとも楽しめる作品だと思う。
バレーをしたことなくて、まるでルールを知らない自分も楽しめたから！

自分は、やったこともないしルールも知らないのに、よくスポーツ系(特に漫画)を読む。(アニメでも見たり)
『ハイキュー！！』以外のバレーボールといえば

浦野千賀子『アタックNo.1』

バスケでいえば

井上雄彦『スラムダンク』
藤巻忠俊『黒子のバスケ』

アメフトでいえば

原作:稲垣理一郎・作画:村田雄介『アイシールド21』

テニスでいえば

山本鈴美香『エースをねらえ!』

サッカーでいえば

高橋陽一『キャプテン翼』
原作:伊賀大晃・作画:月山可也『iコンタクト』

柔道でいえば

浦沢直樹『YAWARA!』

スポーツ系の話はどれも熱くて、ついつい読んでしまうし見てしまう。
けれどその中でももっとも見るのは、やっぱり野球漫画だ。

満田拓也『MAJOR』
ひぐちアサ『おおきく振りかぶって』

そしてそして野球の中でも特に好きなのは、あだち充作品！

『タッチ』
『H2』
『クロスゲーム』
『MIX』

あだち充さんの作品は、とにかく空白がいい。空白の美学！
文字ではなく絵で語りかけてくるようで、感情が出すぎないところがいい。ちゃんと情熱や興奮はあるのだけど、全面には出ずに、どこかテレビで今やってる甲子園模様を見てるような感じ。(説明が下手すぎる…)
漫画だからこそ、感情を表情や文字の表現で伝えることができる。
顔に「///」こんな感じの棒線をいれて照れを表現したり。けれど(あえてなのかは分からないけど)使わないところが潔くてかっこいい。

こんなに読んでいても、頭がよわよわすぎて、どれ1つとして最後までルールが分かったためしがないのだけれど…。(え)
それでもスポーツ作品は、面白いし、そんなどうしようもない自分も楽しめさせてくれて、熱くしてくれる。
結論、スポーツ作品最高！

と、なんやかんや、大分話が逸れてしまった…。
今回は小説である『清陰高校バレー部』通称「ユニチカ」シリーズは、とりあえず6巻で綺麗に終わっている。
けれど嬉しいことに「大学生編」も執筆中だとか！楽しみだ。続きをワクワク待ちつつ、今回は閉じようと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
ではでは。