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ひねくれ大学生・日比野くんの日記

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ちょいとひねくれた日比野くん。彼の抱えるやりきれなさやもどかしさは、いつもおかしな方向へ向かう。日比野くんの日々の記録。
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日比野は困り果てた。ホラー映画を観てから風呂に入れなくなったのだ。鏡も排水溝も換気扇も……怖い。彼は仕方なく、あらゆる所にガムテープで目貼りをした。
3日後、浴室はカビで充満し、床には流されなかった髪の毛。湿度でテープは無様に剥がれ、鏡にはいよいよおぞましい何かが映るようだった。

日比野は朝から考え込んでいた。夢で大量のゾンビに追い回されたのだ。しかし夢には願望が現れるという。意を決してある所へ向かったのだが──
「当教会でエクソシスト養成はしておりません」
「そ、そんな……神父さまぁあ゛あ゛」
日比野は法衣の裾に必死にすがった。
「ゾンビか!立ち去れ!」

日比野はソワソワしていた。久々に訪れたカフェ、4人掛テーブルはアクリル板で仕切られていた。一度でいいから、どうしてもやってみたいことがあったのだ。
「お客様、ご注文は?」
「姉さん…俺のことは忘れて自分の人生を生きてくれ。もうここには来るな……」
「おい拘置所の面会ごっこやめろ」

日比野はすっかり疲弊していた。
引っ越し屋のアルバイトを掛け持ちするようになって1ヶ月。日々疲労が抜けず、褒められもせず、デクノボーと呼ばれ……
心が参っちまった。
もうどこかへ逃げてしまいたい!
「あのなぁ日比野、遁走するのにバイト先の引っ越し屋に見積もり頼む奴がどこにいる?」