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おれ、俺だよおれ😁 元エレキの若大将&アルプスの若大将。 1990年代に…

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おれ、俺だよおれ😁 元エレキの若大将&アルプスの若大将。 1990年代に発表したWeb小説 Hyper Link Short Storiesを推敲して再掲します。 YouTubeはこちらです https://www.youtube.com/@tomoyukymusic

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Hyper Link Short Storiesとは

私がnoteに掲載している物語は Hyper Link Short Stories という短編小説集です。 ある物語が別の物語にリンクして、登場人物が次々に相互関連して時間と空間を超えて交差してゆきます。ぜひ、物語の最後のリンクを辿って色々な人生を旅してみてください😄

    • Tokyo Woman アルバム配信開始

      Tokyo Woman, The 4th Album of Tomoyuki Yoshida 2023/7/22配信開始、吉田ともゆきのオリジナルアルバム第4弾! 自身のインストゥルメンタルの集大成アルバムです。これまでの未収録曲7曲に新曲3曲を加え全10曲。リモートワークやドライブのBGMにお聞きください。伝説のインターネットラジオTokyo Music BoxでもBGMに使われた曲も入っています Apple Music, iTines Store, Amazon M

      • Newアルバム Tokyo Woman 7/22配信開始

        NEWアルバム Tokyo Woman 予約開始しました♪ 全10曲オリジナルのインストゥルメンタルアルバムです。ドライブやリモートワークのBGMに適した、ポップな曲、チルアウトな曲、ファンキーな曲を満載しました。 Apple Music, Amazon, Spotifyなど各種配信サイトにて 2023/7/22 に配信開始です。これがラストアルバムになる!? 以下のリンクから配信サイトの確認と試聴ができます こちらはPVです🎥 4分半でほとんど全貌が掴めます😄 ぜひご視

        • Cause We've Ended As Lovers.

          昔別れた恋人から時折かかってくる電話。新たな人生を踏み出している女と過去をひきずる男。 1.真夜中の相談 1997年9月 アパートへ帰って、軽くシャワーを浴びた後、留守電のランプが点滅していることに気が付いた。 「もしもし、良美です。こんばんは。おそくまでお・し・ご・と・ご苦労様。若い娘の取材をあまり深夜までやらないようにね。もし12時前に帰ったら電話ください。それじゃ。」 午後11時45分だった。留守電を聞いた後、指が記憶している番号へ電話した。 「はい、早川です。」

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        Hyper Link Short Storiesとは

          8月の日記

          1枚の写真から生まれたフォトストーリーです。舞台は夏の軽井沢です。 短く刈り込まれた芝生の庭は、町境の用水路に向かって緩やかに傾斜していた。そのため、木陰にかかる場所に置いてあったガーデンチェアとテーブルは少し不安定だった。  きらきらと夏の日差しを反射する水面の向こう側には、薄曇に霞んで遥か蓼科と八ヶ岳の連峰が見えていた。  ぼくは、およそ場違いな、陰鬱な推理小説を、キャンプ用の布張りの椅子に座って木陰で読んでいた。  ぼくより4つ年下で、高校2年生になる従妹の結花(ゆ

          卯月・夢見る頃

          What should I do now? What have I been doing? I love April, I love cherry blossom, but I feel loneliness. No matter what, spring has come. 1.咲いた、そして散った 清里から快適な山道を下ってくると、国道141号線は大きく左にカーブしていた。 左側は谷、右側は山という険しい地形を縫って緩い上り坂を、少し古い年式だったがアウディクワトロは

          卯月・夢見る頃

          帰らないSeasons

          ほんの少しのあいだだったけれど、あなたと一緒にいられて良かった。今度は夢の中で逢いましょう? 1.夢で逢えたら 名古屋駅、新幹線ホームに18時05分発ひかり262号がはいってきた。 夕闇が濃くなってゆき、ネオンサインとビルの点滅灯がはっきりと見えるようになってきた。 ふたりはプラットフォームの上で同じ景色を何も言わずに見ていた。 もしかしたら最後のひとときかもしれなかったが、できることといえば時間の経過をみつめることだけだった。 「あなたがもう少し遅く生まれていれば、きっ

          帰らないSeasons

          志賀高原 忘れ得ぬ終わりの季節

          何気なく誘い合った楽しいスキーツアー。それは忘れられない切ない思い出でもあるのです。 1.最後の春休み 1980年3月16日日曜日 僕は岡野慎太郎。ついに大学の卒論の発表も終わり、残された学校の行事はいよいよ卒業式だけとなった。今後の人生で2度と味わえない、ほっとしたような、はかないような最後の春休みを迎えた。 その晩、高校時代からの友人の大島裕介から電話がかかってきた。 「岡野。もうこんなこと2度とできないんだぜ。平日に思い切り死ぬほどスキーをしようぜ。志賀へ行こう。熊

          志賀高原 忘れ得ぬ終わりの季節

          霧の中の乙女

          何故この人に惹かれるのだろう。もうひとりの人を悲しませる事を知っていても、自分でも押さえ切れない気持ちに苦しんだことはありませんか。つらい思いをさせた人にもきっと切ない思いがあったのです。 1.霧の碓氷峠 1994年10月 上野発13時、あさま17号は碓氷峠の急勾配をゴトゴトと電気機関車に押されながらのぼっていた。 低周波の振動に、さきほどまでうとうとしていたかおりは、眼を醒ましていた。かおりの右の通路側の席にはしあわせそうに居眠りしている悦子がいる。通路をはさんだ向こ

          霧の中の乙女

          黄昏のエチュード

          黄昏どきの風景も哀しいばかりではありません。 時には美しく輝くこともあるのです。 1.恵里子先生 「あ、片岡先生、はじめまして。私、川口あゆみの父親です。」 ドアが開くと同時に、深々と少し薄くなってきた頭を下げて挨拶をした川口誠三は、顔をあげて、玄関の中に立っていた縁なしの眼鏡をかけた背の高い女性を見た瞬間に息を飲み込んだ。 (なんて綺麗な人なんだろう。) 「こちらこそ、はじめまして。あ、どうぞお上がりください。あゆみちゃん、きょうはお父さんが一緒で良かったね。」 あ

          黄昏のエチュード

          絆 (きずな)

          義弟が抱いているある疑惑。 おそらく自分は真相を知っている。そんなときあなたならどうする? 1998年の東京の物語です。 1.小春日和の日曜日 「このところ修ちゃんの様子がおかしいんだって。」  久美子は長い電話を切った後、紅茶を入れながら、日曜の午後の再放送のテレビ番組を見ている元樹にそう言った。 「修司君が?今のは多恵ちゃんからの電話?」  長い電話に多少非難も込めてソファに横になりながら元樹は返事をかえした。 「うん。…このところ帰りが遅いし、ほとんど夕食は外で食

          絆 (きずな)

          HONESTY

          平和な恋人たちのところへ、嵐のような女が過去からよみがえる。 さて男女の仲に、本当の誠実ってあるんでしょうか? 1.突然の電話 (1994/9/2 金曜日) もう黄昏どきだというのに、残暑と呼ぶにはあまりにもきびしい暑さだった。良平は銀座四丁目の交差点の地下鉄の出口を汗だくになって駆け上がると、涼子と待ち合わせしているドイツ料理が名物の煉瓦造りの古めかしいビヤホールへと急いだ。 良平が涼子に会うのは2週間ぶりだった。8月のお盆休み、世間が休みのあいだも長野県の諏訪の機械

          ラスト・シーン

          あの日、美しく変わってゆく彼女を追いかけることができなかった自分。 すこしほろ苦いストーリーです DUST IN THE WIND 1981年 少し汗ばむくらいの4月の午後。空は快晴で濃いブルーだった。 車の運転席のドアを開けた。むっとする熱気が立ちのぼった。八重桜の花びらが一枚、少し開けておいた窓から車の助手席のシートの上に入り込んでいた。助手席の窓のハンドルをくるくるとまわして全開にして車の中へ風をいれた。露天のカーポートに置いてあった、赤い79年型アコードは、ほこ

          ラスト・シーン

          ROCK GIG TONIGHT

          永遠のロック少年に贈ります。あのときのハートをいつまでも忘れずに。 「香港 Midnight Story - See You Again」の20年前の物語です。 1.立川ハウス 10月も終わりにちかづいたある夜。時刻は9時を過ぎていた。僕は立川駅で中央線快速下り電車を降りると、友達からもらったメモを取り出し、北口から指示通りバスに乗った。 バスは暗い通りを走って、元米軍のハウスの立ち並ぶ停留所に停まった。そこで、バスを降り立川基地のフェンス沿いを100メートルほど歩いた。

          ROCK GIG TONIGHT

          J-GIRL HIROKOの夢

          普段は意識しない透明な国、ニッポン。僕たちはどこから来てどこへ行こうというのか。 幕張ベイエリア CHIBA 1995年5月15日。 その朝、いつものように浅野賢治は出勤してノートPCをオンにしてネットワークにログインした。Eメールアプリが立ち上がるあいだ、机の上に配布されていた、課長の昨日の出張先での、手書き打ち合わせ議事録に目を通した。 (まったく、こんなのコピーしてる暇があったら、電子掲示板に載せてくれ。) その時、メール着信のサウンドが鳴った。 リターンキーでメー

          J-GIRL HIROKOの夢

          香港広東雨物語 雨の中の天使

          どんなにつらいことがあっても、決して希望を捨ててはいけない。かならず、みんなうまくいく。 そういって励ましてくれる人がいたら、それはあなたにとってかけがえのない大切な人です。 月曜・国境越え 1994年9月、香港。 月曜日の早朝。メイフーの街は雨だった。 頼りない折り畳み傘に身を隠すようにして、地下鉄MTRの駅まで歩いていった。手にはスポーツバッグひとつ下げて。 ここ1年間つづいている、いつもの月曜の朝だった。プリンスエドワードで乗り換えてカオルントンへ行き、そこで、KC

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