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「あ、なんかこの人ダメそう」電話の第一声だけでなぜか判るその人のダメぶり

■第一印象で「あ、なんか、この人、ちょっとダメそうだな」と感じさせる人
 校長という職業柄、電話で話す機会がちょくちょくある。
 これをお読みになっている皆さんもそうだろうが、電話の声を通してでも、相手の様子がある程度わかるものだ。

 笑顔で話しているのか。
 仏頂面なのか。
 怒っているのか。
 困っているのか。
 泣いているのか。
 外国の方なのか。

 そして、次のようなことが感じられるときもある。

「あ、なんか、この人、ちょっとダメそうだな」

 特にこれといった「ダメそう」と感じさせる共通項があるわけではない。

 もごもご喋るから「ダメそう」と感じさせるときもある。
 軽薄な印象から「ダメそう」と感じさせるときもある。
 覇気が無くて「ダメそう」と感じさせるときもある。

 そして、そうやってこちらに感じさせた第一印象が覆ることは……
 まあ、全く無いとは言わないが、ほぼほぼ無い。

 第一印象で

「あ、なんか、この人、ちょっとダメそうだな」

と電話で感じさせた人って、やっぱりダメなのだ。

 やっておくはずだったことをしていない。
 くれるはずだった電話をよこさない。
 確認した日時を覚えていない。
 決めたことを間違って記憶(記録)している。
 そもそも約束したこと自体を覚えていない。

 そういった、ダメと感じさせる事象が生じる前から、なぜ、ダメな人のことをダメと私は感じるのだろうか?
 きっと、その人からダメオーラとでも言うべき波動でも出ているのだろう。
 そしてそのダメオーラ受信機能が私にあるのだろう。

 いや、別に私に限ったことではなく、多くの人に多かれ少なかれそういったものは備わっているのだ。
 これをお読みの皆さんにも心当たりがあるはずだ。
 電話の第一声で

「あ、なんか、この人、ちょっとダメそうだな」

と、あなたに感じさせた相手って、やっぱりダメな人ではなかったか?
 そして、皆無ではなかったであろうが、その第一印象が覆ることはほとんどなかったのではなかろうか。

■電話相手に声のみで自分のダメぶりの4割を伝えている
 人はコミュニケーションを取るとき、相手から次の割合で情報を受け取るという。

 見た目から55%(視覚情報)
 聞いた感じから38%(聴覚情報)
 言葉から7%(言語情報)

 ご存じ、メラビアンの法則だ。
 電話の場合、声のみで相手からの情報の4割近くに当たる38%を受け取っているのである。
 ダメな人は、その人のダメぶりの100の内、38を声のみによって伝えているわけだ。
 そしてそれは、多少取り繕っても隠しようがない。
(その取り繕いに、訓練によって悪いほうに磨きをかけた者たちが詐欺師だ。
 彼らは、見た目や口調で善人を装い、人を罠にかける)

■「楽しいから笑うのではない。笑うから楽しいのだ」
 これは昔からよく言われることだが、外見と中身は相互に作用し合っている。
「中身である心が楽しいから、外見である顔の表情が笑顔になる」
 これは真理だし、
「外見である顔の表情が笑顔だから、中身である心が楽しくなる」
 これも真理だ。
 もしあなたが、人から「イマイチな奴だな」と言われたり、自分自身でも「自分はどうもダメだ」と思ったりして、それを変えたいと思っているのなら――。
 外見から変えていこうではないか。
 名付けて、「楽しいから笑うのではない。笑うから楽しいのだ」作戦だ。
 自信ありげな、優秀そうな声でしゃべるのだ。
 優秀そうな外見、優秀そうな振る舞い、優秀そうな声を出すのだ。
 そうすれば、あなたの中身もだんだん優秀になっていく。

「中身が優秀だから、外見も優秀そうである」
 これは真理だし、
「外見が優秀そうだから、中身も優秀である」
 これも真理だ。
 中身と外見は相互に作用し合っている。
 最初は、外見が優秀そうに見えても中身はともなっていないだろう(見かけはいいけど、中身はカラッポ」というやつだ)。
 だが、続けよう。
 そうすれば、不思議なことに、だんだんと中身がともなってくる。

 詐欺師をするような悪人にだってできるのだ。
 これを読んでいるアナタにだって、きっとできる!

■おしゃれになんか意味は……ある!
 バリバリ働いていた人が定年を迎え、家にこもりがちになる。
 髪はボサボサ、メイクもしない。ヒゲも剃らない。ひどいと歯も磨かないし、顔も洗わない。
 外見がどんどん衰えていく。
 かつてその人は、現役時代、中身が優秀な人だったかもしれない。
 しかし、このように外見が衰えていくとどうだろうか。
 中身も確実に衰えていく。
 外見の衰えに比例して中身もまた衰える。

 だからおしゃれは大切だ。
 外見を磨き続ける、外見を維持することだからだ。
 それはすなわち、中身を磨き続ける、中身を維持することなのである。
 といって、一人で家にいるのに、おしゃれなど、張り合いがなくてできない――という人も多いだろう。
 だから、年をとっても外へ出かけよう。
 ボランティアでも、趣味のサークルでも、あるいは買い物、散歩でもいい。
 もちろん、外へ出かけるときは、最低限の身だしなみは整える。
 若い頃は美しい容姿を誇っていた人も、加齢と共にどうしても容姿は衰えていくのだから、それなりに身だしなみは整えるべきだ。
 女性の方はメイクをする習慣があるだろうが、これからの高齢者は男性だってそれなりのメイクはすべきである。

 テレビを見ていると、男性俳優も今はばっちりメイクをしている。
 昭和の頃とは違う。
 一般人男性だって、年齢相応のメイクがこれからはあってよいだろう。
 若い人は何もしなくてもきれいだが、私のように年をとればそうはいかない。
 それなりにメイクをすべきだ。
「男が化粧なんて……」
 もうそんな時代ではない。
 男もスキンケアをし、メイクをすべきである。
 そうやって鏡を見て、少しでも自分の顔がカッコよくなっていたら、テンションも上がるではないか。
 メイクが上達し、カッコよさの度合いも上がれば、生きる気力も爆上がりである。

■自分自身がダメージ受けてるんだから、服はノーダメージのものを
 若者が、穴が開いたり、色が落ちたりした、ダメージを受けたデザインの服を着ている場合がある。
 あれは、若者の体がまだ「新品」だから、それに対比させる形、コントラストとしてダメージ服が似合うのである。
 高齢者は逆だ。
 もう体は新品ではない。
 もう容姿はダメージ受けているのに、その容姿を包む服までダメージを受けた物を着ていたら、みすぼらしさに拍車がかかるだけである。
 年を取ってきたら、ダメージ服を着るのはよそう。
 「自分はまだまだ老けないぞ!」と、何でもかんでも若者の真似をすればいいというものではない。
 齢に合った立ち居振る舞いといったものがある。

 先述のメラビアンの法則では、外見が相手に与える情報は、あなた自身の55%の情報にも当たる。
 相手はあなたのことをルックスだけで半分以上判断しているのである。
 逆に、ルックスをきちんとしておけば、半分以上アドバンテージをとれるのだ。
 これを怠ける手は無い。

■「相手にダメそうな人」と思われることは大損をしている
 電話での喋り方でも、服装・髪型などの外見でも、口調や見かけで我々はお互いを判断し合っている。
 「顔じゃないよ中身だよ」とは言うが、中身というのは時間をかけて付き合ってみないと分からない。
 そして我々は、ほとんどの人とはそんなに時間をかけて付き合うことはない。
 数日だったり、一瞬だったり、短い付き合いがほとんどだ。
 その短い付き合いで損をしないために、「ダメそうな人だ」と思われないために、我々は労を惜しまないようにしようではないか。

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