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おとなも幸せになることば

娘が春やすみに入って、一緒に過ごす時間が長くなるので手に取ってみました。子どもが幸せになることばをかけると、大人がしあわせになることを教えてくれた本でした。

子どもが幸せになることば

きっとそれで大丈夫


私は、この本を「ママ友はいないけど、なんとなく自分の子育てが不安」という方におすすめしたい本だと感じました。肉親やママ友から色々言われるのが怖くて、子育ての悩みを話せない人も多いと思います。この本を読むと、親子が安心安全に生きていく方法がわかります。

そう、きっと大丈夫なのです。あなたが子どもと関わる大人として、目の前にいるのが人間だとわかって接しているならそれで大丈夫なのです。

「親だからこうしなきゃ」という鎖が自分の中にあって、子どもが大人に矯正されるべきという概念が拭いきれなくて、本当は言いたくないけど言ってしまっていることがあれば、そのことばに気づくことができ、プレッシャーからも解放されます。

私にとって、とても安心できた本でした

この本には、子どもの成長段階別に親の悩み事例がかかれていて、その時に子どもにかける言葉を「言いがちなことば→信じることば」に変換する方法がわかります。

すべての言葉変換には、「本当は親だって言いたくないんだよね」という温かさを感じました。その中には思わず笑ってしまう発想転換のことばもあって、読み進めていくうちに子どもがいる生活ってもっと楽しくなるんだな、と思いました。

私が子育てに悩んでないとか、この本に準ずる子育てができているのではありません。この本に書かれている内容に共感することで安心したのです。だから、ママ友がいなくて、ワンオペで、1人で頑張って子育てされている方や、子どもと長く過ごすお仕事で周りの方と考え方が違って悩んでいる方にはオススメです。教育本というより、子どもと大人が楽しい時間を共有するコミュニケーション術を知ることができます。

--ここからは、わたしの身の上話です--

子どもを育てている、私のハナシ

私は、子どもが生まれた時に「すごく小さい人間だ」と思いました。これからこの子が何かを言ったり、行動するのを見ながら暮らしていくんだな、と。それは、子どもが10歳になった今も変わりません。子どもが何をしても「へーこういう時はそう思うのね、こういう行動に出るのか」と思います。どこか生命体を観察しているような。そこに良いも悪いも、こうしなきゃこうさせなきゃ、とも思いません。どういうことが好きで、怒ったりするのかを知るだけです。そして、発見を楽しみながら、この小さな人間と楽しく長く一緒にいるにはどうしたらいいか、子どもの話を聞いて私の考えを話して、お互い折り合いをつけながら暮らしています。

親族が集まる場所に行くと「ぜんぜん怒らないけど、いつもこんな感じなの?」と質問されます。おそらく怒ると想定される場面があるからでしょう。その時は「みなさんの前ですからね、今日は穏やかに、と決めているだけです。」と言っておきます。「あんなことしてるけど、誰に似たのかしら?」と言われても、「DNAって大したことないんじゃないですか?楽しくてテンション上がってるんでしょうね!来てよかったです。」と言います。

親は、いつも緊張しているんですよね。親の経験がある多くの先輩やママ友たちは子育ての価値観が色々で、みんなそれが正しいと思っている。そうじゃないと24時間365日やってられないですからね。でもそれが時に、「自分の育て方が正しい、自分の子どもは自分の友達の子どもより優秀である」と言う発言として波のごとく流れ出る時があります。それが自分自身に押し寄せてくるときも。その波に押されて「私も親としてこうしなきゃ!苦しいけど子どもに言わなきゃ」と思っている人も多いのではないでしょうか。

私も子どもを連れて、親戚やママ達と食事をすることもあります。その時は子ども側に参加して子どもたちと食べたり、遊んだり、話を聞きます。子どもの方がたくさんのことを教えてくれて、発想がおもしろすぎるからです。そうすれば、周りの子育て先輩からのプレッシャーも感じることがなくなってきます。

私を育ててくれた、母親のハナシ

私は、幼少期に母親の成果物として育てられていました。私は、ものごころついた時から「子どもとは、親の高評価のためにいるんだな」と思っていました。父親はほとんど家にいませんでしたが、たまに帰ってくると、家の中で私の成長査定会が行われました。

母親が父親に、私がちゃんとできていること・最近できるようになったこと・成績表・他の子に比べて得意なこと・習い事での評価などを報告します。子育てに関わらない父親にとっては、仕事の報告と同じだったのでしょう。現段階の進捗を確認し、優等生レベルを査定、もう少しこの辺を頑張りなさいと言い、今後の方向性を決めるような会話が展開されていました。

その後両親は離婚し、私はこの査定会議から解放されることとなります。その時に解放されたと思ったのは私だけではなく、母も同じでした。この日を境に、母は私に何も言わなくなったのです。一緒になるべく楽しく、ご飯を食べて安全な場所で眠ることができればありがたいという考えで、田舎に帰り母とのびのび暮らし始めました。

親のプレッシャーが解放されると、子どもにプレッシャーが押し寄せられない気がします。目の前で子どもと真剣に向き合っている大人にやさしい世界になるといいなと思っています。

子どもが自立できる経済力を持てるその日まで、楽しみながら一緒に過ごしていけることは、親ってラッキーな存在だな、と思えたら最高なのではないでしょうか。そして社会で生きるための力は、「生き続けて大丈夫」って言ってもらえる環境かもしれません。この本を通じて、子どもと向き合う大人が目の前の世界を楽しいと思えますように。

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