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今の時代だからこそ、生まれた作品!『VTuberのエンディング、買い取ります。』感想

今の時代、VTuber(※1)の存在は欠かせないかなと思っています。


※1 前に「VTuber」について記事を書いたため、気になる方はこちらを参照。


様々な作品や場所で、「VTuber」達が出ていますね。

アニメにせよ。

テレビのコマーシャルにせよ。

さらには、テレビの歌番組にも!

その幅広い展開には。

驚くべきものがあるかなと思います。

皆さんは、VTuberのこと、ご存じですか?


ということで。

本日、ご紹介するライトノベルは、朝依しると先生の『VTuberのエンディング、買い取ります。』(2023年1月刊行)です。

今日は、現代ちっくなテーマで、お送りしたいと思います。



あらすじです

今回もまた、「BOOK☆WALKER」さんより、あらすじを引用させていただきます。


『推し』の最期をプロデュースする救済と再生の物語――

VTuberアイドルグループ『星ヶ丘ハイスクール』所属の
VTuber――夢叶乃亜。

彼女を推すことに青春の全てを捧げ、V界隈でも名を馳せていた高校生の苅部業は、乃亜の魂の醜態がネット上に晒され、大炎上したことで人生が一変する。
「おれはあの夜に死んだ……」
運営から推しの臨終を告げられ絶望した業は、高校を休学し一年後VTuberの炎上ネタを扱うブロガーとして日々を過ごしていた。
そんな業の元に『自分のVTuberを炎上させてほしい』という依頼を持ち込む美少女、小鴉海那が現れ――。
「これは人助け……いえ、VTuber助けみたいなものです」
『推し』の最期をプロデュースする救済と再生の物語。
第35回ファンタジア大賞〈大賞〉受賞作!

VTuberのエンディング、買い取ります。(富士見ファンタジア文庫) - ライトノベル(ラノベ)│電子書籍無料試し読み・まとめ買いならBOOK☆WALKER (bookwalker.jp)


というわけで。

本日のテーマは、「VTuberの最期」となっております。



意外と社会的な作品

さて、皆さんに考えて欲しいことがあります。

そもそも、「VTuber」って、最期があるんでしょうか?

いろんな所に出て。

活躍する「VTuber」ですが。

最期は残念なことに、あるんです。

この作品では、そこの部分を扱っているのが特徴です。


本編では、様々な「VTuber」の最期を扱っていくのですが。

基本は、「ネット炎上」(※2)がキッカケで。

引退することになるのがほとんどです。

※2 ネット炎上とは、ネット上の特定のユーザーの特定の投稿内容について多くのユーザーがバッシングし、非難が殺到している状態を指します。

あくまでも経験上ですが、炎上対象は個人・法人アカウントを問わず、

・立場や肩書(芸能人・政治家・企業の重役・専門家など)がある人物の問題表現・発言
・ジェンダーに関する批判的な内容
・経済的格差に関する批判的な内容
・バイトテロや動画などモラル的に問題がある行動内容

といった投稿内容が炎上するケースが多いです。

ネット炎上とは?発生のメカニズム【要注意】 | 一般社団法人ネット削除協会 (sakujo.or.jp)


こういった所が、どこか現代風なテーマの作品だと思う所ですね。



この作品の面白い所

「VTuber」というテーマを扱っている部分ですね。

それでいて。

今では当たり前となった。

「推し活」にも通ずる所が。

あることだと思います。


というのも。

とある理由から、VTuberの炎上を扱うブロガーとなった。

高校生でもある主人公、苅部業(かるべ ごう)には。

様々な理由で。

「VTuber」を辞めたい。

「VTuber」を辞めざるを得なくなった。

ヒロイン達が相談に来ます。

それを、どうにかして解決し。

彼女ら「VTuber」の最期を飾っていく。

それは、彼女らにとっては、新たなる道へと繋がるため。

その最期を飾っていくこと、それ自体が。

魅力あるライトノベルだと思います。


私はこの作品を読んでいて。

「中々に現代的で、社会派な作品だな」という。

感想が出てきたことを覚えています。



この作品の欠点について

「VTuber」というテーマ性自体が。

果たしてどの位の層に刺さるのかという疑問点がある所です。

データが古いですが。

2018年での、「Vtuberの認知度」の調査結果は。

若年層の男性が多いという結果だったようです。(※3)

※3、認知調査結果の概要

・10代および20代男女の「VTuber」に対する認知率が過半数を超え、若年層を中心にこの半年で認知率が急増
・VTuberの認知率は約41.8%。10代・20代男女は合計すると過半数が認知している
・10代男性の認知率は70%と、最も認知率が高いことが分かった
・VTuberの認知度は過去半年で急増し、“半年以内にVTuberを知った”が全体の過半数に
・VTuberをはじめて知った媒体については、「動画サイト(YouTube、ニコニコ動画など)」が36.7%でトップだが、2位には「テレビ」が31.3%で続く
・VTuber認知者全体の約50%が“帰宅後”に、約60%が“就寝前”に視聴すると回答
・VTuber認知者10代男性の約6割が「今後盛り上がっていきそう」と回答

VTuberの認知度調査、10代・20代は約半数が認知 「はじめて知った情報源」は意外な結果に - MoguLive (moguravr.com)


こうしてみると。

この作品自体が。

若い人に向けて、特化させた作品のようにも感じました。



最後に

とはいうものの。

「Vtuber」を通して。

「推し活」をしている人たちの思いや。

現代ならではの、様々な葛藤が描かれた本作となっております。

そして。

「今」でしか味わうことの出来ない、面白さがあると。

個人的には思っていますので。

是非とも、読んでもらいたい所存であったりします。


さて。

最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

この作品に、ご興味がありましたら、是非、手に取ってみてください。

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