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笑わない少女を「漫才」で笑わせろ!『君と笑顔が見たいだけ』感想

お笑いは、かなり好きな方です。

M-1グランプリも、毎年視聴しますし。

なんなら。

過去にNHKで放送していた。

「爆笑オンエアバトル」なども。

欠かさず見ていました。

なんか、いいんですよね。

芸人さんが、色々と考えて作ったネタを見ながら。

ゲラゲラと笑うのって。

そういう瞬間って。

なんだか大切なような気がします。

皆さんは、お笑いは好きですか?


さて。

ということもあるのですが。

本日、ご紹介するライトノベルは、新田漣(にった れん)先生の『君と笑顔が見たいだけ』(2024年3月刊行)です。

さあさあ、よってらっしゃい見てらっしゃい!



あらすじです

今回もまた、「BOOK☆WALKER」さんより、あらすじを引用させていただきます。

本気を嗤う奴らを、本気で笑わせろ。新時代のお笑い青春ラブコメ、開幕!

――滲む努力さえ、笑いに変わるんだよ。
とある女の子を笑わせる為に頑張る高校生・晴比古のもとに、美人だが奇行を繰り返す先輩・中屋敷結羅がやってきて……
「『校内一の奇人』と言われた私と笑わせるために頑張るキミ。そんな二人がコンビを組んで、全国民の笑いをかっさらうなんて最高にドキドキしない? するよね、だってさ──」
ツッコミの才能を見出され、漫才コンビを結成した晴比古。練習を重ねる中で次第に結羅との距離も縮まって――でも青春は恋愛だけじゃない。本気を嗤うやつらを本気で笑わせろ! ファンタジア大賞<金賞>受賞、新時代のお笑い青春ラブコメ!

君と笑顔が見たいだけ(富士見ファンタジア文庫) - ライトノベル(ラノベ)│電子書籍無料試し読み・まとめ買いならBOOK☆WALKER (bookwalker.jp)


というわけで。

本日のテーマは、「お笑い」となっております。



中身は、青春ラブコメ

さて、この作品。

一言でまとめるのなら。

「好きな女の子を笑わせるため、ひょんな事から出会った奇人な先輩と漫才コンビを組む、青春ラブコメ」

と書けば大体合っていると思います。


主人公で高校一年生の市井晴比古(いちい はるひこ)には、好きな人がいました。

彼女の名は、瀬音しずく。

ミステリアスな少女として噂の彼女に対して。

市井は、物語冒頭。

彼女を笑わせたく、乳首相撲を仕掛けます。

端的に説明すると、お笑い番組でよく見る、男性の乳首に洗濯ばさみを付け、引っ張る、アレです。

その結果。

他の男子からは、沸き上がり。

女子からは、軽蔑される中。

瀬音からは、ただ。

「良かったよ」と言われるだけでした。

また、笑顔もありませんでした。


どうしたら彼女は笑ってくれるのか……。

そんな悩む市井の前に、奇人と噂させる美少女な先輩、中屋敷 結羅(なかやしき ゆうら)に目を付けられ……。

というのが、話の大筋となっております。



この作品の面白い所

漫才や「お笑い」については元よりですが。

主人公と先輩とが、お互いに「お笑い」にかける。

青春のような熱さがあるのが良かったです。


また物語の構成も良く。

物語の序盤で起こる「大喜利」から徐々にエンジンが高まり。

中盤にかけての大失敗。

そして後半からの怒濤の漫才(アクシデント付き)。

読んでいて飽きが来ない展開には、驚きました。


その上、ちょっとした謎があるのも、この作品ならではのポイント。

どうして瀬音しずくは、笑わないのか。

この謎において、解明したいという思いからか。

私はどんどんとページを読み進めましたね!


とにもかくにも。

キャラクター達も魅力的に動いており。

またライトノベルとしては珍しい。

「お笑い」にスポットライトを当てた、青春ライトノベルとして。

キチンと、まとまった作品だと思います。



この作品の残念な所

物語後半での、漫才のシーンなのですが。

物語として、とても重要な場面なのは分かるのですが。

せっかく、外での漫才なのですから。

ネタを書くだけでなく。

もう少し臨場感を描写してくれたら。

もっと盛り上がったのではないかと思います。

観客のリアクションとか。

外にいる空気感とか。

そういった所をもっと描いてくれたら。

作品としてのクオリティが、なお上がったのではないかと。

そう思いました。



最後に

作者様の後書きで書いてあるのですが。

作家という生き物は「面白かった」の五文字だけで、寿命が延びるそうです。(本文P315より)

それを踏まえた上で、私の感想を以下にまとめたいと思います。


大変、面白いライトノベルでした。
またこのような物語を読んでみたいです。


というわけで。

今回は、ここまでにいたします。



さて。

最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

この作品に、ご興味がありましたら、是非、手に取ってみてください。

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