見出し画像

行ってみたい展覧会:冬編

 美術館や博物館の展覧会はアートの花形。首都圏という立地を思う存分に利用させていただき、見聞を広めて感性を磨こうと思います。
 これまでは「終わる順」で記しておりましたけれども、それですと追い立てられる感が強うございましたので、心に余裕を持つため、そして旬のもの感を味わうために、今回から「始まる順」で記載してゆくことといたします。




■和食 ~日本の自然、人々の知恵~☑️

会場:国立科学博物館
会期:2023年10月28日(土)〜2024年2月25日(日) 

 和食がユネスコ無形文化遺産に登録されて10年。和食とはいったいなんなのか。身近すぎて逆にはっきりわからない和食の世界を、科学と技術、そして歴史からひもときます。日本列島がもたらす自然の恵み豊かな食材をたどれば、わたくしたちの食卓のルーツが見えてくるはず。




■マリー・ローランサン ─時代をうつす眼

会場:アーティゾン美術館
会期:2023年12月9日(土)〜2024年3月3日(日) 

 唯一無二。19世紀末に生まれ、20世紀前半を彩った女流画家、マリー・ローランサンは、影響を受けた存在として、同時代を生きたキュビスムのピカソ、ブラック、フォーヴィスムのマティス、ドランらの名前を挙げつつも、そのどれにも属さない独特な画風を持つ画家として知られています。
 72歳で亡くなるまで創作を続けた彼女の、その湧きいづる力の源とは。



■モダン・タイムス・イン・パリ 1925 ─機械時代のアートとデザイン

会場:ポーラ美術館
会期:2023年12月16日〜2024年5月19日

 アール・デコ華やかなりし1920年代のパリ。工業製品と親和性の高いこのデザインムーブメントは、アメリカや日本でも一時代を築きました。
 手工業の時代から機械工業の時代へ。技術の急激な変革は、人々の価値観や考え方を大きく変化させていきました。そして現在、時代は生身の頭脳から人工知能へと移り変わってゆきます。
 新たなるマシン・エイジに、100年前の変革期からどのようなメッセージを読み解けるでしょうか。



■ハッピー龍(リュウ)イヤー! 〜絵画・工芸の龍を楽しむ〜☑️

会場:静嘉堂@丸の内 (明治生命館1階)
会期:2024年1月2日(火)~2月3日(土)

 一月中はまだまだお正月気分!今年の干支「龍」は十二支の中で唯一想像上の存在。中国古代に誕生し、権力や吉祥と結びついた龍は、アートのモチーフとして好まれ、数多くの工芸品にも取り上げられております。
 なんと辰年生まれの方、姓名に「龍・竜・辰・タツ・リュウ」が入っていらっしゃる方は、同伴者も含めて200円引きになるとのこと。残念、わたくしは酉年ですし本名にも該当いたしませんわ!





■サムライ、浮世絵師になる! 鳥文斎栄之展

会場:千葉市美術館
会期:2024年1月6日(土)〜3月3日(日) 

 寡聞にして初めて知りました、浮世絵師「鳥文斎ちょうぶんさい栄之えいし」。五百石の旗本の長男として生まれ、家督を譲ってからは浮世絵師として活躍したという異色の経歴の持ち主です。
 その出自ゆえに、主な購買層は上流階級とも言われ、上品な美人画の名手として、海外では喜多川歌麿と並ぶ人気を誇っているとか。刀から絵筆へと持ち替えたサムライの画業を堪能いたしましょう!




■花鳥風月 ─古伊万里の文様─

会場:戸栗美術館
会期:2024年1月7日(日)〜3月21日(木)

 伊万里焼とは、今の佐賀県有田町を中心とする地域で生産された磁器のひとつですわ。あれっ、有田?有田には有田焼があるんじゃあないの?と思ったそこのあなた!よい着眼点ですわ。わたくしもわかりません!
 簡単に調べたところによると、江戸時代に焼かれた有田焼で伊万里港から運び出されたもののことを伊万里焼と称していたそう。現在では伊万里地区の窯で焼かれたものを伊万里焼、有田地区で焼かれたものを有田焼としているそうで、現代の伊万里焼と区別するために古伊万里という呼称を用いているそうですわ。
 日本初の磁器、古伊万里の花鳥風月をたどりに行きましょう!



■うるしとともに ──くらしのなかの漆芸美☑️

会場:泉屋博古館東京
会期:2024年1月20日(土)〜2月25日(日)

 アジア圏で見出された不思議な樹液、うるし。あるときは接着材、あるときはコーティング剤、あるときは絵の具として使われ、それを使った製品は比類なき堅牢性と耐久性を持ち、美しい仕上がりとなりました。ふだんわたくしたちがなにげなく目にしている漆製品ですけども、実は自給率は1%ほどだとか。しかも漆掻きの職人さんは年々減っていると聞きますから、今後は文化財の修復にも差し障りが出るかもしれません。
 まずは、知ることから始めましょう!



■大倉集古館の春 ~新春を寿ぎ、春を待つ~

会場:大倉集古館
会期:2024年1月23日(火)〜3月24日(日) 

 大倉集古館が誇る収蔵品展。扇絵、風景画、水墨画、硯の古品に干支の龍など、いにしえの優品が盛りだくさん。大倉集古館は現存する日本最古の私立美術館として知られております。大倉とはホテルオークラなどが有名な、あの大倉財閥のことですわ。武器の売買で財をなした死の商人と呼ばれ、一方では教育施設の建設にも熱心だったという、初代大倉喜八郎の光と影を感じつつ、古代から近代までの時間の旅に出かけましょう。




■印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵☑️

会場:東京都美術館
会期:2024年1月27日(土)~4月7日(日)

 ウスター(ウースター)美術館は、アメリカはマサチューセッツ州にある美術館。ボストンの西、プロヴィデンスとロードアイランドにも近い所でございます。ここまで書けば、クトゥルフ神話愛好家なら食指が動くのではありませんこと?
 それはそれとして、見どころは印象派の巨匠モネ、ルノワール、シスレーなどの作品はもちろん、今まであまり馴染みのなかった「アメリカ印象派」にスポットを当て、その知られざる魅力を伝えるラインナップとのこと。
 ちなみにウスターのスペルはWorcester。ワーセスターと読んでしまいそうですわ!Greenwichと同レベルの難読英語!




■開館40周年記念 旧朝香宮邸を読み解く A to Z

会場:東京都庭園美術館
会期:2024年2月17日(土)〜5月12日(日)

 アール・デコの邸宅、旧朝香宮邸・東京都庭園美術館は今年で開館40周年だそうですわ。デザイナーにアンリ・ラパン、ルネ・ラリックを起用し、宮内庁内匠寮ないしょうりょうが手がけた、我が国でも第一級の建築ですの。その名のとおり大きな庭園が付属し、桜や紅葉など四季折々の美しさが楽しめます。
 そんな庭園美術館が、旧朝香宮邸としての原点に立ち返り、建築技法、意匠や素材、建設に携わった人々、各時代にまつわるエピソードなどを、AからZを頭文字にするキーワードとしてピックアップするとのこと。レトロ建築に入るやいなや床材を吟味し始めるわたくしのようなマニアには、これはたまりませんわね〜! 




 以上、この冬に観たい展覧会でした。やはり時節がら、和風のものが多めになりますわね。春から初夏にかけては梅、桜、ばらと花の季節になりますので、今のうちにいっぱい展覧会に行っておかねば!
 できましたら、同じ展覧会に行った方々と感想を交換したいですわね〜




 今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 それでは、ごきげんよう。


この記事が参加している募集

休日のすごし方

一度は行きたいあの場所

サポートしていただくと私の取材頻度が上がり、行動範囲が広がります!より多彩で精度の高いクリエイションができるようになります!