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虐待防止団体インタビュー

先日、虐待防止を掲げる団体にインタビューを行いました。その中で伺ったこと、私が思ったことを書いていきたいと思います。

私もインターネットや論文で調べてはいますが、実際に当事者の声をよく聞いている団体さんだから思うことなどもあるのかと思い、まず根本である虐待が起こる原因について聞いてみました。

まず仰っていたのは「子育ての孤立化」でした。子どもとお母さんが1対1で対応しないといけなかったりや地域間での交流が少ないことで、もしやむを得ず子どもを見ていて欲しいと言った場合に頼れる相手がいない、父親が子育てに協力的では無いなど子育てというものに1人で負担を背負っているという問題があると言います。たしかに、地域間の交流、近隣住民との交流があれば子育ての不安や悩みを相談しやすかったり、精神面で追い詰められるなどの場合は預けたりできる、いわば「避難場所」があるようなものでそういったものがあるだけでも子育てをする人の心の負担は軽減されるのかもしれません。
また、虐待をしてしまう人を虐待を「する人」「しない人」で分けるのではなく、全ての人が陥る可能性があり、虐待をしてしまった人を特別視してはいけないと語っていました。私はこれを聞いた時、もちろん虐待は置かれた状況によってしてしまう可能性は全ての人が持っていますが虐待をされた子どもはもしかしたら精神面や対人関係に影響を及ぼすかもしれないのに、数ある伝える選択肢の中から「暴力」「暴言」を選んだ親を「仕方ないよね」と言われているようでした。

次に活動していく中での難しさをお伺いしました。相談に乗る立場の職員さんは、

  • 相談者が言いたいことを受け止められているかの不安がある

  • どこまでが本当なのかの真偽

  • 信頼関係・人間関係を築くのが苦手な人が一定数いるため、そういった人が相談員さんを信用できない

などがありました。どれも当事者の声を聞いている職員さんだからこそ思うことで私の中には考えもなかったことでとても勉強になりました。どこまで本当か、もちろん子どもの意見のみで「誰が悪い」と決めつけることは違うと思うが、勇気をだして電話での相談をした子どもの意見を信じて欲しい気持ちはあります。

さらに、親権についても難しい点はあり、親権者から子どもを引き離すには裁判を起こさないといけないため、ただでさえたくさんの業務を行う児相がそこまで目を向けられない、であったり、親権者が保護を反対するなどたくさんあるようでした。親権があることで子どもが働くにも親の同意が必要であったり、どこかに住むにしても住居指定権を親権者が持っているため子どもが逃げることが難しいというのはあります。親権というもの自体をなくすべきという意見を持つ人もいますが親権自体がなくなることによってのデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。私もまだまだ勉強不足です、、

前回の記事で書いた通り、日本では「里親」というものの認知度がまだまだ低いです。また、「まずは家庭で」という認識が強い日本では保護よりも家庭での解決を先にしようとします。海外では逆で引き離すことが最善だと判断された場合にはどんどん保護、または里親へと委託されます。里親に渡ったからといってその里親が親権者になる訳では無いので実親の状態によって親元に返すという努力もされています。実際、児童養護施設や一時保護所はどこもいっぱいで保護できないという問題もあり、「里親」や「ファミリーホーム」の普及が望まれます。しかし、保護を嫌がる子どももいるようでとても難しい点であるなと思いました。

実際に対応してきたもので改善されたと実感できたものは本当に微々たるもので改善されたものも何年もの年月を要したと仰っていました。特に「子供は変わるが親を変えるのは難しい」と言った言葉が印象に残っており、親側の更生も子どもの愛着や精神面を第三者の介入で修復するのは双方の気持ちとして「修復したい」という強い気持ちがなければ途中で諦めてしまう人もいるのだなと感じました。

最後に地域での繋がりを作ることや教育の定着など国や行政による支援はもちろん、国民一人一人が自分を大事にし、他人との関わりをもち、声を上げていくことがもっと広がっていけば少しでも変わっていくのではないかと思いました。


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