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ドイツ詩を訳してみる

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#合唱

ひよこのるる訳詩目録

2018年11月以来発表してきたぼくの訳詩約70編の、作者別の目録です。もし気に入った作品を見つけたら、同じ作者や時代の他の作品も読んでみていただけたらとてもうれしいです。

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作曲家・ミュージシャン別の索引も用意しております。

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以下、作者の生年順に並べています。

Marcus Valerius Martialis/マルクス・ウァレリウス・マルティアリス(ローマ)
c.40-c.

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アイヒェンドルフ「壊れた指輪」(ドイツ詩を訳してみる 30)

Joseph von Eichendorff(1788-1857), Das zerbrochene Ringlein (c.1810)

すずしい谷間で
水車がまわる、
水車小屋に住んでいた
愛しいひとはもういない。

一生の愛を誓って
ぼくに指輪をくれたのに、
愛の誓いは破られて
ぼくの指輪は裂けた。

ぼくは歌びとになって
広い世界を旅したい、
家から家へ巡って
ぼくの歌を歌いたい。

ぼく

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よみ人知らず「あなたはわたしのもの わたしはあなたのもの……」(ドイツ詩を訳してみる 15)

Anonym (c. 1180)

あなたはわたしのもの わたしはあなたのもの
それはあなたも分かっているはず。
わたしの心のなかに
あなたは閉じ込められて
鍵はどこかへいってしまった。
あなたはいつまでも わたしの心のなか。

(植田重雄の訳を参考にした。)

Dû bist mîn, ich bin dîn.
des solt dû gewis sîn.
dû bist beslozzen
i

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ブレンターノ「夕べのセレナーデ」(ドイツ詩を訳してみる 13)

Clemens Brentano, Abendständchen (1802)

ほら また悲しげに笛が鳴っている
冷たい噴水もざわめいている。
金色の音たちが降りてくる
しずかに! 耳を澄ませよう。

つつましい願い 穏やかな望みが
世にも甘やかに心に語りかける。
わたしを包む夜のかなたから
音たちの光がわたしを見つめる。

Hör', es klagt die Flöte wieder,
Un

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