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子どもとの不毛な大喧嘩


初めての子どもとの大喧嘩が、我が家にもついにやってきた。

相手は色々やらかす長男・・・ではなく、ポヤポヤ次男である。
変なところで慎重な次男は、絵を描くときなど、納得できないと全然進まない。何度も消して紙が破れるか黒くなるか、はたまた毛羽立つか、どれかになるくらい。

そんな絵を描くことに人生をかけているかのようなこだわりを見せた次男は、授業時間中に絵を完成させることができず、家に持ち帰ってきたのだ。
担任の先生からの伝言で、3時間かけても描けなかったので、家でやってきて下さい、とのこと。いや意味がわからない。3時間て、何。

6年生へのプレゼントの、絵本の模写だった。
ほんの小さな10×10センチメートルのワクの中に描くだけのことだ。

「絵が描けない。ママがいないと描けない」
「それは次男くんの絵だから、ママは描けません」
「顔が描けない」
「ママも描けません」
このやり取りが30分続いた。
冗談抜きで、本当に30分経った。さすがにイライラが募ってもおかしくないはずだ。

「ただ目と鼻と口描いて終わりでしょうが!」

ついに私は叫んだ。

「だって上手に描けないんだよ〜!!」

次男も泣きながら叫んだ。

「1年が描く絵なんか上手だったらびっくりだわ!何でも良いからさっさと描け!!」
「上手に描きたいんだよぉぉ」
「どうでも良いでしょうが!この時間が無駄だわ!!」
「上手に描けないーーー!!!」

あぁまたやってしまった。
絶対に外に聞こえていただろう。
でも止まらなかったんだ。
だってこのやり取りの前にも、コートなど片付けや手洗いもまだなのに、何度注意しても全然聞かずに兄弟で遊んでばかりだったのだ、その鬱憤も溜まっていたから、イライラが爆発してしまったんだ。


結局、キッチンに行って知らんぷりでご飯を作り始めたら、「ご飯の時間になってしまう」と焦った”お肉命”の次男が、急に

「絵を描く」

と言い始め、サラサラと描き終わった。
ものの10分で出来た絵は、どう見ても絵本の中のおじいさんの模写。しわまでしっかり描けている。長男の絵よりも余程上手に描けている。

「ほら上手に描けてる。なんで授業中に出来なかったの」
「わかんない」
「長男くんより上手だよ」
「ホントだ、俺より上手い」

いつもは張り合う長男も、私と次男のやり取りを見て、空気を読んで発言したらしい。偉いぞ長男、成長しているぞ!

取り合えず、不毛な喧嘩?は収束した。
変なところで完璧主義の次男のこの感覚は分からない。未だに何故授業中に描けなかったのかわからないくらいだ。3時間て、何。

絵に人生をかけるかのような次男と、絵なぞ描ければOK”模写”以外だと図工の成績は万年”3”だった私だと、一生相容れない紛争かもしれない。

もう二度と、絵の課題を家に持ち帰ってきませんように・・・。



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