ギフトで贈りたくなる本とは
もう何年ぶりだろう。久々に、まちなかにある古本屋さんに行った。
京都市内には、エリアこそ限られてはいるが、歩いていると古本屋さんをよく見かける。古本まつりという露店も、年に3回ほど開かれている。
僕じしん、数年前まではそれこそ、「京都の古本屋さんをぜんぶ巡るぜ」と意気込んでいた時期もあったぐらいに、紙の本が大好きだった。ただ、Kindleという電子書籍端末を手にしてからというもの、古本どころか新品であっても、紙の本じたいを買う機会がめっきりと減った。
本の価値って、いったい何なのだろうか。
そんな途方もない問いをあたまに浮かべながら、いくつかの古本屋さんを巡っていたとき。以前に何度か足を運んだことがある、市役所ちかくの界隈では有名な古本屋さんで、こんな貼り紙を見つけてしまった。
店の事情はわからないが、この貼り紙からは、どこかユーモアと、手書きならではの店主の人間性が垣間見える。数日後、また何事もなかったかのように開店するかのような趣きさえある。
僕はここ最近、本にたいして、それぞれ明確に役割を与えて買うようにしている。具体的には、これはKindleで買うべき本、あれは紙で買いたいなぁ、とそんな感じだ。
そして同時に、本は、「人付き合い」と比較してみるとわかりやすいことに最近気づいた。
①中身を知る。
まず、本には当然、中身を読んで知識を得るという体験がある。これは人にたとえると、教え合う行為と似ている。ただ、得たいのはその知識にすぎないため、わざわざ直接会うまでもなく、動画やテキストで済むばあいも多い。こういう本は、僕はKindleで買うことにしている。
②買う過程を楽しむ。
人から評判を聞いたり、口コミを調べたり、そういう初対面の関係という意味で、会話などからその人となりを知ることと似ている。これについては、あくまで僕のなかで、紙の本でもインターネット上で完結する電子書籍の購入でも、あまり大差はないなと感じている。
③部屋に飾る。
これはあまり共感されにくいのかもしれないけれど。本は、ただ知識を得たり、買う過程で満足できればいいというわけではない。手元に置いて、何度でも読み返せることにほんとうの魅力があるような気がする。
もちろんそれは、Kindleでも同じなのだが、僕は何度も読み返しくなるような「自らの血肉とするべき本」であれば、紙の本で買い直したい。紙を指でめくる手触りや、紙からただよう独特の香りが、知識や記憶にのこりやすいというのも当然にあるが、本棚にならんだ背表紙を見るだけでも十分にその価値があると思うからだ。
これを人にたとえると、友達になるということだろうか。
④ギフトで贈る。
先日、なにげなくAmazonのサイトを眺めていたら、
よくギフトで贈られている商品、そんなページがあることを知った。本についてもさまざまあって、ジャンルごとに細かくランキングが組まれている。
「そうか、人に贈ることを前提に買う本もあるのか」とそのとき初めて僕は思った。
これはそのままだが、他人に人を紹介することと似ている。
さて、最後になるが。
どういう本であれば、僕は人におすすめしたくなるのだろうか。すでにじぶんで読んでおもしろかったから人にすすめる。これはもちろんあるだろう。もしかしたら、じぶんでは読んでいないけれども、売れているからという理由で贈ってしまうこともあるかもしれない。
いずれにしろ、たった一言でその本をあらわせるならば、ギフトとしては贈りやすいのかもしれない。
そう考えると、多少めんどうでも、書店などに足を運んで、五感で本を選ぶという経験がほしい。毎回とは言えないが、これからもまちの書店を定期的に巡っていきたい。
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