書き出し小説 No.2
真新しいノートを前にして、心が躍る。
何も書かれていないノート。これから何でも書いていける。
わたしはペンを持ち、最初の一文字を刻む。しかし、そこに記されたのは、ひらがなでも、カタカナでもなく、ただの「・」だった。
真っ白なのはノートじゃない。わたしの頭、そして、わたしの心。
わかってはいた。
わたしにあるのはただ「書きたい」という想いだけ。
人に伝えたいことや自分の主義主張などまるでない。心ときめくラブストーリーも、夢いっぱいの魔法世界も浮かんでこない。
いつからこんな感じ