まちまち(町間ちよ)

1990年生まれ。ポエミーなエッセイや感想noteを書きます。

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書き出し小説 No.2

真新しいノートを前にして、心が躍る。 何も書かれていないノート。これから何でも書いていける。 わたしはペンを持ち、最初の一文字を刻む。しかし、そこに記されたのは、ひらがなでも、カタカナでもなく、ただの「・」だった。 真っ白なのはノートじゃない。わたしの頭、そして、わたしの心。 わかってはいた。 わたしにあるのはただ「書きたい」という想いだけ。 人に伝えたいことや自分の主義主張などまるでない。心ときめくラブストーリーも、夢いっぱいの魔法世界も浮かんでこない。 いつからこんな感じ

    • さよなら、「コミュ障のわたし」

      わたしは会話するのが苦手だ。 自信がなくて自身がない。 だから、相手の求めている「正解」であろう言葉を探す。 つまり、わたしにとっての会話は意思疎通の手段でなく、気持ちとしては、国語の「筆者の気持ちを答えよ」という問題に近かった。 マルがついたら嬉しい。ペケがつくのが怖い。 そしてわたしは、ある時期、そのペケを異常に恐れていた。 入社1年目のころ、ある人と一緒に仕事をするようになった。以下Aさんとする。 Aさんはベテランで他の社員からの信頼も厚く、とても仕事のできる人だった

      • 書き出し小説 No.1

        『俺の人生に関わらないでくれ』 その言葉を最後に、彼の人生から私は消えた。 私は汚点。営業成績トップ、我が社期待のエースである彼の輝かしい人生にあってはならないシミなのだ。 「もう、消えたい…」 彼に別れを告げられて一ヶ月。かろうじて仕事には行けるようになったものの、休日に出かける気になれず、ただひたすらベッドの中で丸くなってばかり。外は晴れているのか曇っているのか。そんなのわからない。関係ない。

        • 今日買った、「言の葉の庭」の絵コンテ集と脚本術の本。言の葉の庭は新海誠作品の中で一番好き! #本 #新海誠 #脚本

        書き出し小説 No.2

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        • 書き出し小説
          2本
        • 日記・エッセイ
          2本
        • 感想
          1本

        記事

          わたしの「好き」が埋もれないように

          先日、趣味用のTwitterアカウントを消した。 わたしは某声優さんが好きで、そのアカウントでは日常の(声優さんとは関係ない)つぶやきもするが、フォローもフォロワーも同じファンの人たちだった。 もともとリアルの知り合いで同じ趣味の人がおらず、楽曲やライブの感想を共有したい・その人の話がしたいという気持ちで、2年前に始めたのだ。 楽しかった。 ライブで連番こそしたことないが、開演前に挨拶をしたり、ご飯を一緒に食べたり。 人見知りで、ライブに行っても常に一人で黙っている状態なの

          わたしの「好き」が埋もれないように

          【映画】名作『風と共に去りぬ』を見て。

          (ブログより転載) ネタバレありの感想です。 名作と名高い『風と共に去りぬ』。 脚本家・尾崎将也さんの著書『3年でプロになれる脚本術』の中に「とりあえず見るべき名作映画百本」として紹介されていたので観ました。 2時間で終わるかと思いきや、上映時間222分(3時間半超)の超大作! 風と共に去りぬってどんな作品?風と共に去りぬは、1936年に刊行されたマーガレット・ミッチェルの同名小説を映画化したもの。 気性が激しいが持ち前の美しさで男を虜にする主人公のスカーレット・オ

          【映画】名作『風と共に去りぬ』を見て。