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「迷惑」の受け止め方

以前日本の友人が送ってくれた、たかのてるこさんと言う方の書かれた「生きるって、なに?」と言う本がとても素敵だった。

世界を旅した著者が撮った人々の笑顔と共に、「生きるって、なに?」と言う質問から始まる問答が繰り広げられ、生きる意味についてシンプルな言葉で掘り下げていく。

この本が生まれたキッカケは、私が教えている大学で、教え子から「生きる意味が分からない」と悩みを打ち明けられた会話でした。
私自身、学生時代は悩める日々でしたし、つい7年前、会社を辞めるまでは「生きる意味」を見失いかけていました。だからこそ、彼の問いかけは、他人事ではなかったのです。
そこで、彼がときどき読み返して、前向きな心が湧いてくるような文章を書きたいと思いました。今後の自分自身のためにも。

私も生きる意味がわからない時期がとても長くあったし、今でも時々見失う。

いろんな本を読み漁っていく中で、「自分を大事に」「自分を満たせ」「人に頼って良い」と言った類のメッセージを度々目にし、本当にそうして良いのかな?という疑問がいつもついてまわった。

友達とも「自分を大事にするのは良いけれど、それで他人に迷惑をかけるのはダメだよね?」と、行き止まりにぶち当たり答えが出なった。

それでも、様々な観点から自分の在り方を見直す様になった時、「良い人」と思われたいが為の自己犠牲はやめて、私なりの「自分を大事にする」を実践するようになった。

自分を大事にする生き方を試行錯誤しながら、まだ心のどこかに引っかかっていた「自分を大事にした結果、他者にかける迷惑」についての答えが、この本の中にあった。

日本では、親が子どもに「人に迷惑をかけてはダメ」とよく言いますが、
インドでは「おまえも人に迷惑をかけて生きているのだから、
人の迷惑も許してあげなさい」と教えるといいます。

人と人は、迷惑をかけたり、かけられたりしながら、
濃厚な関係、濃厚な人生を作っていくもの。

みんなで生きている以上、困ったときはお互いさま。

なるほど!と思った。

自分でできる事を人に押し付けたり、調べられる事を調べないと言った怠慢は良く無いが、自分が苦手な事を得意な人にお願いしたり、される事は互いの喜びにもなり得る。

多くの人は、誰かを手助けできた時に大きな喜びを感じるから、期待はせずに助けを求めてみる事は、誰かが助ける喜びを感じるチャンスを作り出す事でもある。

生きている以上、どんなに気をつけていても誰かに迷惑をかけてしまう事はある。勿論、犯罪行為や健康、生命を脅かす様な迷惑は別だが、他者からの小さな迷惑を許せないでいると自分が不快になる一方だし、そのとばっちりで周りの人をも不快にしてしまう。それこそ大迷惑だ!

人の迷惑を許す事を意識すると、イライラが減って先ず自分が楽になる。そして、誰かのイライラエネルギーを浴びずに済む周りの人達も楽になる。

誰しも子供だった時代があって、他人様に迷惑をかけた事もあるだろうと思えば、公共の場で子供が元気に動き回っても赤ちゃんが泣いても「元気で良い良いね〜!」とか「赤ちゃんは泣くものだよね」と思えたりして、目くじらを立てる事も減るだろう。

自分もいつか歳を取りゆっくりしか歩けなくなる時が来るかもしれないと思ったら、目の前のゆっくり歩行のお年寄りを温かく見守れるかもしれない。

迷惑をかけて居ないつもりでも、どこかで誰かが迷惑だと思っているかもしれない。

そんな想像力と、迷惑はお互いさまと言う気持ちひとつで、きっとこの世界はまた少し居心地の良い場所になる。

その為には、先ずは自分から!誰かに許されるのを待つのではなく、自分から許す事を心がけていこう。

aloha & mahalo!

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