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大人の事情で隠されてきた中国KOLの真実|キャスティングの極意

中国マーケティングで必ず挙げられるKOL。日本では考えられない桁違いな影響力で多くの日本企業を惹きつける。価格は高いが他の日本企業も使ってるしと積極的に繰り広げられる中国KOLとの提携。何百万円の費用が日本と中国を飛びまくる光景は、まるでバブルの様。
 
でもちょっと待って。

そのバブリーな背景にあるのは、数えきれないほどの失敗事例だという事は知ってましたか?
 
KOLキャスティングは一見簡単に見えますが、実は超高リスクなのです。それは、中国KOLの真実が大人の事情で隠されてきたからです。
 
偽数字です。
 
言語や文化の違いもあり、中国KOLのキャスティングに関しては「数字」で判断する日本企業さんが少なくありません。フォロワー数、平均ライク数、平均再生数、平均コメント数…そして費用をエクセルに加えてコスパを出して比べる、といった操作は過去にかなり見てきました。
 
数字で判断する理性的な方法は私も賛成ですが、もしその「数字」が偽数字だったら…と考えたことはありますか?元の数字に問題がある場合、その判断は全て意味のないことになってしまいます。
 
そんなKOLにおける偽数字を中国SNS界では「水分」と呼んでいます。水分があるかどうか、水分が高いかどうか。その判断をいれることでキャスティングの結果が大きく変わります。
 
では、本当に影響力のあるKOLをキャスティングするためにはどうすればいいのでしょうか?
 
まず現実、水分はフォロワー数だけでなく、ライク数やコメント数そして再生数、全ての数字に存在するということを頭に入れておきましょう。
 
そして水分の量は各プラットフォームの規制の厳しさと大きく関係しています。プラットフォームが厳しければ厳しいほど、偽数字は少ないです。

厳しい| Douyin > BiliBili / RED > WeChat > Weibo |緩い 

Douyin

Douyinはデータ分析に強いアプリですので、すぐに偽数字を見抜き、そのアカウントが今後おススメにのらないように操作します。プラットフォームの設定上Douyinはおススメにのってこその再生数なので、Douyin KOLの偽数字はほとんどありません。数字で判断しても大丈夫なプラットフォームだと思います。ただし、とっても低い再生数(1000以下)と、とっても高い再生数(50万以上)が波のように共存するKOLがいたら避けた方が無難です。

BiliBili / RED

BiliBiliとREDのシステムは、Douyinほどすぐに偽数字を見抜くことが出来ない為、稀に偽数字のKOLがいます。でも極端に気にする必要はありません。少ないです!ただし、ライク数や再生数の浮き沈みが激しいKOLはシンプルに影響力が不安定ですので避けた方が無難です。BiliBiliに関しては特に炎上しやすいプラットフォームでもありますので、過去の炎上を調査した方が良いでしょう。広告案件で炎上してしまったら、上に説明がつきません(泣)

WeChat / Weibo

WeChatとWeiboに関しては、水分が氾濫しているプラットフォームです。そして、日本の企業が特に好んでKOLと提携するプラットフォームでもあります。なぜかというと、わりと前から存在しているSNSですし、事例も多く日本でも認知があるという理由です。
 
私のPR経験による肌感になってしまいますが、WeiboのKOLは80%以上が、WechatのKOLは50%以上が水分を含んでいます。ただし、水分の量、つまり偽数字の比率は各KOLかなり違ってきます。WeiboとWeChatは、そんな水分が当たり前の環境ですので、本当の影響力がどれほどあるのかしっかり見極める必要があります。それは、コンテンツの質だったり、コメントの具体的な内容や言葉遣いだったり、再生数増加の過程だったり、広告案件と普段投稿の比較だったり、長期的にそのKOLを観察することで真の影響力を見極めることが出来ます。名前は上げられませんが、特に影響力のないKOLが多くの日本企業さんと提携し、偽数字で今現在も大儲けしています。
 
ただし、WeiboとWeChat全てのKOLが水分を含んでいるかというと、そういうわけではありません!オリジナルの良いコンテンツを投稿し、コツコツとコアなファンを増やしているKOLも沢山います。そんな、本当の影響力のあるKOLが偽数字のKOLに仕事を奪われていく現状は、見ていて心が痛いです。

最後に

長々とイヤ~な感じの内容を書きましたが…中国マーケティングにおいてKOLの影響力は莫大ですし、KOLとの提携は絶対に外せない項目でもあります。ただし、私が伝えたいのは、KOLのキャスティングは想像以上に複雑であり、総合的に考慮する必要があるということです。面倒くさいですが、これこそが成功している企業とそうでない企業の違いかもしれません。
 
以上!Makiでした!
ライクやコメントでの応援も大募集中です♥

※偽数字とはネットの闇市から購買した全く影響力の無い「数字」であり、各プラットフォームから購買する正式な広告「Dou+」「薯条」「微博头条」などとは違います。


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