小西 誠

軍事問題の研究・調査の傍ら、出版社を経営しています。また、個人的には「自衛官人権ホット…

小西 誠

軍事問題の研究・調査の傍ら、出版社を経営しています。また、個人的には「自衛官人権ホットライン」(自衛隊で唯一の、常時、民間相談機関)の事務局も運営しています。 (軍事ジャーナリスト・社会批評社代表・自衛官人権ホットライン事務局長)

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  • 軍事ジャーナリスト・小西 誠が暴く日米軍隊の南西シフト態勢

    現在、日米軍隊による南西諸島全域へのミサイル基地建設造りが急ピッチで進んでいるが、これを報道するメディアがほとんどない。この全容を現地取材と軍事分析で解き明かす。

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米軍の最新戦略「海洋プレッシャー戦略」の全訳             ――日米軍の南西シフト=新たな「海洋限定戦争」態勢を提示

●戦略予算評価センター( CSBA)の西太平洋の新戦略「海洋プレッシャー戦略」のポイント ●このCSBAの新戦略「海洋プレッシャー戦略」は、2012年CSBAのエアシーバトルなどの補完戦略であり、核心は中国軍の初期のミサイル飽和攻撃への防御「グアム以遠への撤退戦略」を修正し「前方配置戦略」を打ち出したもの(CSBAは米政府に多大な影響をもつシンクタンク)。 ●すなわち、第1列島線にインサイド部隊が確立した防衛バリアと、それをバックアップする第2列島線ー西太平洋にアウトサイ

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    • 「台湾有事」論――新時代の米台関係攻撃的な中国への対応(米外交問題評議会CFR)

      ●外交問題評議会(CFR)について                   外交問題評議会(略称はCFR)は、1921年に設立された米国のシンクタンクで、外交問題・世界情勢を分析・研究する組織であり、米国の対外政策決定に対して著しい影響力を持つ。外交誌『フォーリン・アフェアーズ』の刊行などで知られている。評議会員の主張の多くは、外交問題評議会の「凝縮された政策提言」への叩き台に使われるケースが多いという。また、『フォーリン・アフェアーズ』には米国の重要な外交案件が示されるとする意

      • ●沖縄ー全国で、「特定重要拠点空港・港湾」指定による軍民共有=軍事化を阻もう!(徳之島空港でタッチアンドゴー)

        本日、メディア各紙で、安保関連3文書に基づく「特定重要拠点空港・港湾」の指定決定が報じられました。沖縄各紙ほか、東京新聞・共同・読売新聞・毎日新聞・NHKほか、全国一斉です(朝日と産経を除く)。 これは、政府・防衛省が、全力を挙げて「台湾有事」への海洋限定戦争態勢作りに乗り出したことを意味します。 しかし、これを今、唯一拒んでいるのが、沖縄ー沖縄県知事のたたかいで、県管理の与那国・石垣・宮古島空港・宮古島下地空港などへの指定を拒んでいます。 しかし、市管理の石垣港や、国

        • ジュネーヴ諸条約の「特殊標章」を無視する防衛省の国民保護規定!

          ●自衛隊は「武力攻撃事態下の住民保護」について、ジュネーヴ諸条約第一追加議定書が定める「特殊標章」(軍民分離の原則)をつけない、無視することが明らかになった! 筆者は、防衛省・自衛隊の「防衛省・防衛装備庁国民保護計画」(2005年)、統合幕僚監部『統合運用教範』(2017年)による国民保護規定(双方とも同文)によって、戦時下の「軍民分離の原則」の重要な指標である「特殊標章」が、どのように具体的に定められているのか、という情報公開請求を防衛省に行った。この回答が、添付の2頁の

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        • 「台湾有事」論――新時代の米台関係攻撃的な中国への対応(米外交問題評議会CFR)

        • ●沖縄ー全国で、「特定重要拠点空港・港湾」指定による軍民共有=軍事化を阻もう!(徳之島空港でタッチアンドゴー)

        • ジュネーヴ諸条約の「特殊標章」を無視する防衛省の国民保護規定!

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        • 軍事ジャーナリスト・小西 誠が暴く日米軍隊の南西シフト態勢
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          ●電子ブック『最新データ&情報2024 日米の南西シフト』の発行続き、本日、オンデマンド版(ペーパーバック)発売

          ●電子ブック『最新データ&情報2024 日米の南西シフト』の発行続き、本日、オンデマンド版(ペーパーバック)で同書を発売します。 全編カラー印刷、333頁(本体3200円)で、Amazonからの発売となります(Amazonに最低価格限度があるためにこの価格になっています)。 Amazonのオンデマンド版は、ご注文に対応して1冊ずつ印刷され、関東圏では、翌々日ぐらいのと到着になります。ぜひ購読をお願いします。 ――2022年12月、政府の「国家安全保障戦略」策定などで、琉

          ●電子ブック『最新データ&情報2024 日米の南西シフト』の発行続き、本日、オンデマンド版(ペーパーバック)発売

          ●三上智恵監督の新作「戦雲」を観てきた!

          新刊の電子ブック兼オンデマンド本『最新データ&情報2024 日米の南西シフト』の製作に追われて、三上さんの新作「戦雲」の試写会の最後の日に、ようやく駆けつけることができた。 三上さんは、足を骨折されているにも拘わらず、この東京最後の試写会に参加されていた。松葉杖をつきながらー! 「戦雲」は、「いのちと暮らしを守るオバーたちの会」(石垣島)の山里節子さんのナレーションから始まる。節子さんがナレーションを担当されるとは聞いていたが、長年、のどを痛められていることを知っているの

          ●三上智恵監督の新作「戦雲」を観てきた!

          ●本日発売 電子ブック版『最新データ&情報2024 日米の南西シフト』

          小西誠著、社会批評社刊・定価1100円、発行のお知らせ! ――2022年12月、政府の「国家安全保障戦略」策定などで、琉球列島での対中国のミサイル攻撃基地化が、急ピッチで進みつつある。  今年3月には、琉球列島ミサイル基地化の総仕上げとも言える、第7地対艦ミサイル連隊が陸自・沖縄勝連分屯地に新編され、24年度内には大分・湯布院駐屯地に、長射程(1500キロ)の第8ミサイル連隊の新編が決定、また25年には「先制攻撃能力」をもつトマホーク部隊の先行配備が決定ー。  こうした

          ●本日発売 電子ブック版『最新データ&情報2024 日米の南西シフト』

          靖国集団参拝を私的参拝と強弁する陸幕トップら!

          ●自衛隊ー制服組の靖国「公式部隊参拝」は、戦後一貫して常態化しているがー!運転手付の公用車で、しかも、陸幕副長以下の数十人での部隊参拝も、「私的参拝」と強弁するのか? 防衛省は厳重な処分をせよ! ●参考文献論文 『自衛隊文書集』(小西誠編著・社会批評社)掲載の自衛隊の靖国参拝等への通達を紹介する! ●「自衛隊は、「戦死の時代」を迎えるのか?-2」 https://www.facebook.com/notes/370383454316613/ ●情報公開請求文書で出された

          靖国集団参拝を私的参拝と強弁する陸幕トップら!

          自衛隊のパワハラ等に関する調査結果 ―相変わらず、内部解決ができない深刻な事態が続く!

          参考資料  ハラスメントに関する特別防衛監察の進捗状況等について ○ハラスメントの根絶に向けた措置に関する防衛大臣指示(令和4年9月6日)に基づき、特別防衛監察を実施。 ○申出期間(同年9月13日~11月30日)中に1,325件の被害申出があった。 ○当該1,325件については、事実確認中等の数十件を残し、令和5年中にほぼ全ての対応が完了見込み。 ○なお、特別防衛監察で判明した将官の関与する案件は以下の通り。 ■陸上自衛隊におけるパワハラ事案 ・「A将補」は、令

          自衛隊のパワハラ等に関する調査結果 ―相変わらず、内部解決ができない深刻な事態が続く!

          軍事化迫る空と海          ――沖縄・琉球列島・九州(全国)の空港・港湾の対中戦争の戦時動員態勢を批判する!(写真は石垣島ミサイル基地)

          軍民共用空港化が始まる波照間空港・新石垣空港  10月6日付八重山毎日新聞によると、政府各省庁の課長ら19人が同日、町役場、市役所を訪れ、竹富町と石垣市で波照間空港などを「特定重要拠点空港」に指定する計画を示し、防衛態勢の強化のために滑走路を延長するよう求めたという。新石垣空港はもとより、滑走路が800メートルしかない波照間空港までも「軍民共用」を口実として軍事化されることは、多くの住民にとって衝撃的であったに違いない。  この空港軍事化の決定は、2023年8月25日の閣議

          軍事化迫る空と海          ――沖縄・琉球列島・九州(全国)の空港・港湾の対中戦争の戦時動員態勢を批判する!(写真は石垣島ミサイル基地)

          ●「中日交流フォーラム」主催の「日中平和友好条約締結45年」を記念する交流集会&小西誠出版記念会のご報告!

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          金門島 戦跡ガイド          ――「台湾有事」の最前線を歩く

          はじめに  金門島は、最近、メディアによってにわかに注目され始めた地域だ。日本ばかりではなく、欧米のメディアでも金門島を報じる動きが広がっている。  その注目とは、いうまでもなく「台湾有事の最前線の島」としてである。  実際、金門島に行くと、目の前に中国大陸・厦門の高層ビル群が建ち並び、この島が本当に台湾なのかと驚くばかりだ。大金門島から厦門へは、約10キロ、小金門島(烈嶼郷)からは、約5・4キロの位置にある。これに比べて、金門島から台湾までは、約190キロにもなる。  金

          金門島 戦跡ガイド          ――「台湾有事」の最前線を歩く

          ヒロシマ・ナガサキに原爆を投下したテニアン島の現在

          ●「テニアン戦」後、全島は日本爆撃の基地に――ノースフィールド跡の原爆ピット  ふたつの原爆ピット  テニアン北部地域の、ノースフィールド飛行場跡の北側には、現在、原爆ピットと呼ばれる記念碑が置かれている。ちょうど、旧日本海軍のハゴイ飛行場があった地域だ。(表紙写真)  この原爆ピットは、言うまでもなく、ヒロシマ―ナガサキに投下された原子爆弾の搭載場所を示すものだ。  日本から約2400キロ離れたテニアンのこの地域から、1945年8月5日、ヒロシマに向けエノラ・ゲイと呼ば

          ヒロシマ・ナガサキに原爆を投下したテニアン島の現在

          ●急ピッチで進行する日米の「台湾有事」=「海洋限定戦争」のための上陸作戦=輸送態勢づくりを阻もう!

          ――外務・防衛両省は、本年2+2で、米海兵隊の「遠征前方基地作戦」(EABO)のための沖縄配備強化、そして、米陸軍の第1列島線(琉球列島)への配備のための、上陸作戦=輸送態勢づくり(横浜ノースドックの陸軍輸送部隊新設)を共同決定し発表した。 この米海兵隊のEABOによる、沖縄への海兵沿岸連隊(MLR)の再編・増強は、新たな沖縄の米軍増強であり、米海兵隊の「台湾有事」への、本格的突入態勢作りである(久米島での演習開始)。 さらに、この「台湾有事」態勢に、米陸軍も本格的に琉球

          ●急ピッチで進行する日米の「台湾有事」=「海洋限定戦争」のための上陸作戦=輸送態勢づくりを阻もう!

          ●2023年度内配備に向けて、造成工事を急ピッチで強行する陸自・勝連分屯地の地対艦ミサイル連隊・ミサイル中隊施設!

          (写真は、「ミサイル配備から命を守るうるま市民の会」の提供) *陸自・勝連分屯地の「弾薬庫」は、情報公開文書に照らし合わせると白い建屋で、土堤して造られているが、03式 中距離地対空ミサイル弾体の弾薬庫にしては、簡易すぎる。ここを改造して地対艦ミサイル弾体をも貯蔵すると発表(情報公開文書参照)。 *ここの弾薬庫扉の説明書きに「火薬庫の消化は、初期消火(5分以内)が緊要であり、消火困難な場合、全員避難」、貯蔵は「最大8トン以内」と明記されていることは重要。一番近い民家までG

          ●2023年度内配備に向けて、造成工事を急ピッチで強行する陸自・勝連分屯地の地対艦ミサイル連隊・ミサイル中隊施設!

          トランスジェンダリズム宣言

          本書は、米沢泉美編著『トランスジェンダリズム宣言』、第1章「トランスジェンダー概論」の紹介である。現在、トランスジェンダーに関する様々な論議が巻き起こっている中、ぜひ参考にされたい。なお、本稿は20年前の発行であり、現在優れた論考も出されているが、基本的な論点は提示されていると思う。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ まえがき    男と女。男性と女性。人間にはこの二種類の性別があり、人間社会はこの両者の関係から成り立っている、と思われている

          トランスジェンダリズム宣言