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「書く前に,テーマを決めるな,計画たてるな,メモをとれ」という本を読んだ

『TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる』を読んだ.メモを起点に独自のアイデアや洞察を生む方法が紹介されている.書くことがなくて困っている人や,独自性に課題を感じている人には,とても参考になると内容だと思う.


参考になった点

参考になった点を以下にまとめる.

1.書く前にテーマを決めない.計画しない.メモからはじめる.

学びの大半は,偶然の行動や出会いから生まれる.いきなり書こうとするのではなく,行動や読書などの体験をし,そこでの発見や疑問をメモすることから始める.メモ単位のアイデアで周囲からフィードバックをもらうことで,関心を広げたり育てたりできる.そして,十分メモが集まり,公表するレベルの洞察が得られたときが,書くとき.

2.メモは書き写さない.自分の言葉で書く.

「書き写し」だと,文脈が抜け落ちることが多い.アイデアの価値は文脈によって決まる.たとえば,「ルールに従うべき」というアイデアは,状況しだいである.信号が青でも車が止まらないなら,横断歩道を渡るべきではない.

3.ひとつのメモには,ひとつのアイデアを.

アイデアの価値は文脈によって決まるが,その文脈は発見した文脈に限定されない.ひとつのメモにひとつのアイデアというかたちで残すことで,他の文脈に転用しやすくできる.

4.「永久保存用メモ」に書き直す習慣をつくる.

1日の終わりに「永久保存用メモ」をつくることを習慣にする.このメモはいつでも理解可能な自己完結した文章で書く.その過程で,「わかったつもり」の部分が浮き彫りになる.

5.メモは分野ごとでなく,プロジェクトごとにまとめる

「どんな文脈で,このメモが必要になるか」という観点で,メモは保存する.そのため,分野ごとにまとめるより,プロジェクトごとにまとめたほうが活用されやすい.

運用方法について

注意してほしいのは,本書には具体的な運用の例がひとつもないこと.そのため,どのように運用するのかは,各自が試行錯誤する必要がある.運用方法は,実践から学んで欲しいということが,著者の意図のようだ.

運用方法については,『考えの育て方: 知的生産のデジタルカード法』という本が大変参考になった.特に,「考えを育てるツール」「情報整理ツール」「文章作成ツール」に分けて考えること.「考えを育てるツール」はネットワーク的な構造が向いている.一方で「情報整理ツール」「文章作成ツール」はツリー構造が向いている,という考えがとても参考になった.

おわりに

私は日常的にメモをつけているのだけど,まるで上手く活用できてない.いくつかのクラウドサービス(evernote, scrapboxなど)を使ってみたが,メモの墓場ができあがった.今回は,「考えを育てるツール」にはscrapboxを用い,「情報整理ツール」と「文章作成ツール」にはdynalistを使ってみようと思う.さて,どうなることやら.

以上です.最後まで読んでくれてありがとう.


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