まなか
大学院入試勉強の中で書いた数学の記事たちです.過去問演習するときに一通り読むと良いと思います(体験記,院試解答以外).
エッセイ、日記、フィクション、詩など
数学関連の記事
音楽、詩の鑑賞の記事
一ヶ月ほど前、恋人と別れた。大学で出会った彼女は、一つ上の先輩なのに年上の余裕のようなものは全くない人だった。そんなところが愛しかった。 別れた頃には付き合い始めてから一年と少しが経っていた。振ったのだか振られたのだかよく分からない終わり方だったが、別れ話が済んだあと彼女に「まじだるかった!」と言われ、その言葉でもうすべてどうでも良くなってしまった。真剣に向き合った恋の終わり方がこんなものになったことが悲しかった。後味ってこんなにも悪くなるものだったのか。 彼女はちゃ
公開しそびれていた日記集2本です。どちらも書きかけだけど、もったいないので出します。 夏の真髄(2023年8月) 夏、そろそろお前の真髄を見せてくれよ。 8/4(金) 図書館を出たら入道雲がとても夏だった。 8/5(土) 母からのLINEに夜電話をしようと思い返していなかったら心配したのか夕方に電話が掛かってきた。体調はどう?と聞かれ、最近の生活習慣や院試勉強の進捗を大雑把に話す。夏の帰省の予定や、バイトを減らしたせいで金欠なこととか。最近余裕がないせいか、弱音を
なぜだかしんどい日々が続いている。原因は分かっていて、進路が見定まらないことが、人生が閉塞していく感覚が、じわじわと僕を追い詰めているのだ。院に受かり数学で生きていきたいと願いつつも、そこに自分の人生が幸福に進んでいく想像ができない。一体どうすればいいのだろう。 人生が開かれるよう祈りつづけるように生きていて、しかし現状を抜け出す努力を怠っていると、祈りは次第に自分の哀れさの象徴のようになっていく。祈りを通じて希望でなく自身の見るに耐えない現状に、その閉塞感にアクセスさせ
【追記】入学試験の項に配点,結果の項に開示成績を記載した.また合格ラインの項を追加した. 本稿は京都大学理学部理学研究科数学専攻の2024年度大学院修士課程入学試験の受験記である. 院試は学部入試に比べて情報が少ないため後進のために記録を残しておく.読者としては京大数学教室受験者を想定している.大変長いので各自必要なところを選んで読まれたい. 私について 私のプロフィールは以下. 2024年4月からは京都大学理学部理学研究科数学専攻に進学する.記事の信憑性のために
スキしたら短歌が出るようにした✌️(全10首) みんな連打してね
基礎科目の大問1〜6と専門科目の大問1〜3(代数系)の解答です。口頭試問で聞かれたことも書いてあります。 また院試体験記を書いたので、よければ院試勉強の参考にしてください。京大数学教室、RIMSの倍率などのデータも載ってます。
夏になると何か特別なことが起こるのではないかと不思議と期待してしまう。夏めいていく街の中、熱気に飲まれふくらむ異様な期待感を持てあまし、人々は次第に夏に酔っ払っていく。きっと私もその一人だ。 青空、日差し、蝉の声、クーラー、図書館、グランド、高校球児、プール、入道雲、海、水着、クリームソーダ、夕立ち、お祭り、かき氷、浴衣、花火。ステレオタイプな夏が安酒のようにどんどん身体にめぐっていく。 これは私が夏酩酊していく様を記録した二〇二三年七月の日記である。 7/1(土)
院試対策をしていたところ,次のような問題があった. 本稿ではこのような準同型の数え上げの問題を解く方法を解説する.
院試対策のゼミで,ゼミのメンバーの一人が一位の極の留数の簡単な計算方法を見つけた.簡潔に言えば一位の極について次が成り立つ. $$ \mathrm{Res}(f,\alpha)=\bigg(\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d}z}\frac{1}{f(z)}\bigg)^{-1}\bigg|_{z=\alpha}. $$ これを用いると留数計算が簡単になることがある.本稿では,この計算方法に証明を与え,用例を紹介する.
半直積からこれまで逃げ続けてきたが,院試を目の前にして逃げられなくなったので,自分の備忘録も兼ねて半直積についてまとめた.直積分解に注目することで半直積を直積の一般化として自然に導入する.またガロア理論で登場する半直積についても紹介する.
もっと明るいエッセイも書けるようになりたいな。コメディーなやつ。
2023年6月。数学をする意義に悩んだり、友達がいるありがたさを感じたりした一ヶ月だった。(10日までエッセイ性強め) 1. 人間は思っているより多くのことを許容できない。きのこの山が良いだのたけのこの里の方が良いだの言ったり、唐揚げにレモンを掛けられれば怒ったり、受け入れられないことに注目しては、受け入れられない不快感をあらわにするのだ。 受け入れられないことが沢山あった。現実志向な恋人、出不精の友人、才能に恵まれた学友、音楽への情熱が弛まないアイツ。受け入れようと思
夏至から五日たった今日、六月二十六日で二十三歳になった。まだ若いと呼ばれる年齢ではあるけれど、一年の過ぎる速さを見ていると、もう間も無くそれも終わってしまうのだろう。二十を超えたあたりから時間の流れがどんどん速くなっている。生まれた頃がハイハイ、幼小が歩き、中学がジョギング、高校が自転車だとすれば、今は軽自動車で走っているぐらいの感覚だ。もしかしたら人生のスピードはその時の移動手段に比例しているのかもしれない。そのうち新幹線の速さに到達して、車窓の景色なんか、大雑把にしか見
The existence of an algebraic closure can be proven using ultraproducts. This is quite interesting as an example of the application of model theory.
直積の一般化として約積というものが知られている.大雑把に言えば約積とは直積をフィルターというものを使って同値関係で割ったものである. 約積の具体例を考えているときに,有限個の構造の約積は,結局直積になることに気がついた.そのことについて記しておく.
上のような与えられたアーベル群の指数$${n}$$の部分群の個数を求める問題の解き方をまとめた.指数2のとき$${\Z/2\Z}$$への全射準同型の個数と対応があることは有名かもしれない.指数2でない場合にもこれと同様の手法が使えるが,見落としがちな落とし穴がある.参考になれば. 記事の中で問題を準同型の数え上げに帰着させるが,準同型の数え上げの方法は以下の記事を参照.