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読書、鑑賞の記録

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読んだ本、訪れた美術展などの消化のために。
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7/18 Sun. 篠山紀信写真展

7/18 Sun. 篠山紀信写真展

写真は死んで行く時の記録。
嵐の日も雨の日も
ぼくが撮る写真は、
いつも晴れた日。

(篠山紀信)

 恵比寿にある東京都写真美術館へ、篠山紀信の写真展『新・晴れた日』を見に行った。この写真展では、1960年代~現在の60年間にもわたる期間の作品が展示されている。

 パンフレットに記載されている篠山自身の解説が面白く、写真の世界に入り込める。話しかけてくるような口調のコメントにクスッと笑ってしま

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『「働きたくない」というあなたへ』を読んで

『「働きたくない」というあなたへ』を読んで

作者は山田ズーニーさん。ベネッセで進研ゼミの小論文編集を何年も担当したあと独立し、今はフリーランスとして文章関係で幅広く活動されている方だそうだ。

最近私がよんだ本は青山テルマ、田口ランディなど。こういう系統の名前に惹かれるらしい。(友人は田口ランディと関口メンディをかんちがいしてた)

読んだきっかけは、私が「会社にいきたくない」と思っているときちょうど新聞で紹介記事を見たことだった。しかし正

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『ネガティブ・ケイパビリティ ~答えの出ない事態に耐える力~』を読んで

『ネガティブ・ケイパビリティ ~答えの出ない事態に耐える力~』を読んで



多くの受賞歴をもつ小説家であり、臨床40年の精神科医が悩める現代人に最も必要と考えるのは「共感する」ことだ。この共感が成熟する過程で伴走し、容易に答えの出ない事態に耐えうる能力がネガティブ・ケイパビリティである。

古くは詩人のキーツがシェイクスピアに備わっていると発見した「負の力」は、第二次世界大戦に従軍した精神科医ビオンにより再発見され、著者の臨床の現場で腑に落ちる治療を支えている。昨今は

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