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アメリカのブラックジョーク全開の彗星衝突コメディ『ドント・ルック・アップ』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:57/276
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【要素】

ブラックコメディ
彗星衝突

【元になった出来事や原作・過去作など】

なし

【あらすじ】

落ちこぼれ気味の天文学者ランドール・ミンディ教授(レオナルド・ディカプリオ)はある日、教え子の大学院生ケイト(ジェニファー・ローレンス)と共に、地球に衝突する恐れがある巨大彗星の存在を発見する。

世界中の人々に迫りくる危機を知らせようと躍起になる2人。仲間の協力も得て、オーリアン大統領(メリル・ストリープ)とその息子で大統領補佐官のジェイソン(ジョナ・ヒル)と対面する機会を得たり、陽気な朝のテレビ番組『デイリー・リップ』に出演したりと、熱心に危機を訴えてまわる。

しかし、人類への警告は至難の業で、空回りしてばかり。そのうちに事態は思わぬ方向へと転がっていき……。

【感想】

彗星衝突というからパニック映画かと思いきや、まさかのブラックコメディでした。監督のアダム・マッケイの作品は過去にいくつか観たことありますが、比較的新しい作品で印象に残っているのは『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(2015)や『バイス』(2018)ですかね。どちらもコメディ調ながらも、金融や政治に寄った作品だったので、個人的にあまりハマらなかったんですが。。。とはいえ、本作は彗星衝突というSFっぽい設定なので、純粋に楽しめました。

<豪華すぎるキャストに驚き>

本作を語る上でまず外せないのは、豪華なキャスト陣でしょう!メインはレオナルド・ディカプリオとジェニファー・ローレンスですが、その脇を固めるのもこれまた有名すぎる人たちなんですよ!大統領役はメリル・ストリープ。朝の情報番組の司会役にケイト・ブランシェット。歌手役にアリアナ・グランデ。スケボー青年にティモシー・シャラメ。さらに、ノンクレジットですが、作中で話題になる映画の監督役にクリス・エヴァンス!普通の劇場公開用映画でもなかなか揃わなそうなメンツなのに、ネットフリックス恐るべしですよね。

<痛快なブラックコメディだけど、ノリはザ・アメリカ的>

彗星衝突の映画といえば、『ディープ・インパクト』(1998)と『アルマゲドン』(1998)が僕の中では2強で、いずれも彗星衝突を回避しようとする感動作ですよね。なので、彗星衝突っていう設定だけ聞くと、パニック映画か感動映画を想像したくなります。

ところこが、この映画は、科学者2人が彗星衝突の危機を必死に伝えようと奔走するも、まわりがまったく取り合ってくれない様子を面白おかしく描いています。大統領ですら国民を守る責務を果たそうとせず、回避策がまったく立たないどうしようもなさが笑えます。地球存亡の危機に立たされながらも、みんな自分のことしか考えない、ある意味“人間らしい部分”をブラックジョークを交えつつ描いており、これまでのようにパニック映画に終始しそうなシチュエーションを、ユーモラスな形に落とし込んでいるのがすごいなと思います。

ただ、笑いのツボは完全にアメリカ人用なので、「ここは笑うところなんだろうな」と頭ではわかっても、すべてのポイントで笑うことは、僕にはできませんでした(笑)とはいえ、日本人でも普通に笑えるところもあるので、気軽に観れる作品ではあります。

<地球滅亡のときに自分ならどうするか>

彗星衝突が目前に迫ったとき、人々は思い思いの行動を起こします。ひたすら祈ったり、友達とパーティーをしたり、孤独に苛まれていたり。もうあと何時間もないってなったら、僕だったらもう家でゆっくりしてると思います。だって、何かをやろうにも次に続きませんから。ゴロゴロして最後の時を迎えると思います。みなさんは、どういう過ごし方を選択するでしょうか。

<その他>

一部の劇場では上映していますが、ネトフリでも配信している本作。全体的に軽快なノリで観れるし、話もわかりやすいので、年末年始のお供にちょうどいい映画だと思います!


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