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IMAX一択!実写なのかCGなのか。映画を観ていたのか、むしろ"そこにいた"のか。すべての境界を曖昧にする驚異の映像体験に鳥肌が立った『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』

【個人的な満足度】

2022年日本公開映画で面白かった順位:5/194
  ストーリー:★★★★★★★★★★
 キャラクター:★★★★★★★★★★
     映像:★×100
     音楽:★★★★★★★★★★
映画館で観たい:★×100

【作品情報】

   原題:Avatar: The Way of Water
  製作年:2022年
  製作国:アメリカ
   配給:ディズニー
 上映時間:192分
 ジャンル:SF、ファンタジー、アドベンチャー、アクション、ヒューマンドラマ
元ネタなど:映画『アバター』(2009)

【あらすじ】

神秘の星パンドラの一員となった元海兵隊員のジェイク(サム・ワーシントン)は、ナヴィの女性ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)と家族を築き、子供たちと平和に暮らしていた。再び人類がパンドラに現れるまでは…。

神聖な森を追われた一家は、“海の部族”の元へ身を寄せる。だが、この美しい海辺の楽園にも、侵略の手は迫っていた…。

【感想】

アバター』シリーズ第2作目。前作から実に13年ですよ。ジェームズ・キャメロン監督は5部作を想定しているそうで、一度すべての脚本を書いてから撮影に入っているので、かなり間が空いてしまったとのこと。今回は世界最速の0時の回にて鑑賞してきました。

<この映像、世界が追いつきませんわ。。。>

キャッチコピーが「奪われるのは目か、心か。」ってなっていますけど、目も心も両方奪われました。。。いやもうなんだこれ。。。僕が観ていたのは、果たして映画だったんでしょうか。。。いや、違いますね。"そこにいいた"んですよ。うん、僕はそこにいました。これほどまでに映画館で観てほしいと思う映画はなかなかないかもしれません。しかも、今回は普通のスクリーンじゃなくて、できることならIMAXおよびHFR対応のスクリーンで観てほしいです。。。

<ハイフレームレートの威力たるや!>

HFRとは、ハイフレームレートの略です。1秒間に何フレーム表示するかっていうことなんですけど、通常の映画のフレームレートは24fps。つまり、1秒間に24枚の画像をパラパラ漫画でめくってるようなイメージです。それが、今回のHFR対応のスクリーンだと48fpsになるんですよ。2倍ですよ、2倍。「そんな違いなんてわからないんじゃないの」なんて思ったそこのアナタ!
そういう人にこそぜひ試してほしいです。。。もうさ、動きがヌルッヌルで。素人の僕が観てもすぐにわかりますよ。動きの滑らかさが。それによって得られる臨場感とリアリティがハンパないんですよ!!映画を観ている感覚じゃなくて、その場に自分がいるような感覚になりますから。人生で初めて、映像だけで鳥肌が立ちましたね。。。

ちなみに、今回は24fpsと48fpsを使い分けていて、アクションシーンや水中シーンだけ48fpsになっているんです。これは観ていてもすぐにわかります。「あ、ここはHFRじゃないな」って。それぐらい違います。その水中シーンが特にすごくて、まるで水族館にいるような、いや、もはや自分が海の中にいる感じさえしました。しかも、僕が観たのはIMAXかつ3D。より一層没入感が高まりました。なんか、プレステ5のゲームをプレイしているような気分にも似ているかもしれません。どうせなら、全部48fpsがいいなとも思うんですけど、全部ヌルヌルな動きだと逆に違和感を覚える懸念があったそうですね。なので、もしかしたら酔う人とかいるかもしれません。

<大きく変わるジェイクの役まわり>

あまりにも映像が衝撃的だったのでそれにばかり言及しちゃいましたけど、ストーリーとキャラクターもよかったです。すごくSFかつファンタジーな世界観ではあるんですけど、内容としては家族の絆を描いたヒューマンドラマの要素が強く、非常にシンプルです。

前作ではまだ血気盛んな若者だったジェイクとネイティリが、今回は子供4人を持つ親になっているのが最大の特徴といえるでしょう。そのジェイクが人間たちから狙われているがゆえに、家族を守るために故郷を捨て、海の民の村へと身を潜めます。木々が生い茂る森から広大な海へと環境が大きく変わるのも印象的ですね。

そこでは、子供たちが見た目の違いをからかわれたり、それによって自分のアイデンティティについて悩んだりと、まるで違う人種の子が異国の地で抱えるような悩みを持ちます。ジェイクとネイティリは子供たちのいざこざに手を焼きつつも、再び攻めてくる人間たちとの戦いに身を投じるわけですが、守るべきものが増えた彼らの役どころは、親となった自分にはとても感情移入しやすいところでした。

<根底にあるのはあくまでもヒト>

なので、この映画って映像にばかり目がいきがちなんですけど、描いているのはあくまでもヒト(対立する対象としての人間ではなく、キャラクターありきのという意味で)です。特に、ジェイクを取り巻く環境は大きく変わりました。結婚して子供が生まれて、守るべきものが増えて、故郷を離れて新天地へ赴き、慣れない環境に四苦八苦し、子供のトラブルに頭を悩ませ、敵まで攻めてきて、家族を守るために身を挺する。すごい情報量ですけど、この構図ってすごくオーソドックスというかシンプルですよね。設定を変えることでいくらでも横展開できるんじゃないかなと。見方を変えれば、描いている内容は普通でも、圧倒的な映像表現で驚くべき作品にできるっていうことです。その話をうまくまとめ上げ、すべてを凌駕するほどの映像表現を実現できる手腕は、さすがジェームズ・キャメロン監督ですよ。そういえば、終盤で船が沈んでいくシーンは、まんま『タイタニック』(1997)みたいだったので、ここもある意味ジェームズ・キャメロン監督ならではといえるところでしょう。

<そんなわけで>

SFやファンタジーの世界観に、アドベンチャーとアクションの要素を入れ、ヒューマンドラマに仕立て上げた極上のエンタメ作品だと思いました。ここまで登場人物が変化・成長し、様々な葛藤や家族の関わりについて描くとなると、ジェームズ・キャメロン監督が「マーベルのキャラクターが大学生みたいだ」と言ってしまう気持ちもわからないでもないです(笑)とにかく、映像が本当に本当にすごいので、これは絶対にIMAXやHFR対応のスクリーンで観てほしいです!!


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