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かつてアンディ少年が夢中になったという『インターステラー』感あった『バズ・ライトイヤー』

【個人的な満足度】

2022年日本公開映画で面白かった順位:11/102
  ストーリー:★★★★★
 キャラクター:★★★★★
     映像:★★★★☆
     音楽:★★★★☆
映画館で観たい:★★★★★

【作品情報】

   原題:Lightyear
  製作年:2022年
  製作国:アメリカ
   配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
 上映時間:105分
 ジャンル:アニメーション、アクション、SF
元ネタなど:映画『トイ・ストーリー』シリーズ(1996-2019)

【あらすじ】

有能なスペース・レンジャーのバズは、自分の力を過信したために、 1200人もの乗組員と共に危険な惑星に不時着してしまう。彼に残された唯一の道は、全員を地球に帰還させること。

猫型の友だちロボットのソックスと共に、不可能なミッションに挑むバズ。その行く手には、孤独だった彼の人生を変える“かけがえのない絆”と、 思いもよらぬ“敵”が待ち受けていた…。

【感想】

ピクサー長編作品第26作目。『トイ・ストーリー』シリーズで不動の人気を得たバズ・ライトイヤーを主人公にしたスピンオフ作品ですね。ディズニーらしく、笑いと涙に包まれたいい話でした。

<アンディ少年は本当にこの映画にハマったの?(笑)>

バズのルーツが明かされるというのが本作の宣伝文句。とはいえ、『トイ・ストーリー』シリーズと話が繋がっているわけではないので、過去作を観ていなくても大丈夫です。というか、僕もギリギリまでよくわかっていなかったのですが、これってバズがいかにしておもちゃになったかという話じゃないんですよ。バズがおもちゃ化されるきっかけとなった元の映画という設定なんです。つまり、アンディは子供の頃にこの映画を観て、そのグッズであるバズを欲しがったというわけなので、言ってしまえば、この映画を観ている観客の皆さんは、全員かつてのアンディ少年ということになりますね。

じゃあ子供向けの映画かというと、それもまた違って。宇宙空間を超スピードで移動したことで、バズとそのまわりの人たちで流れる時間が変わってしまうという『インターステラー』(2014)を彷彿とさせる話になっていました。たくさん映画を観ている身からすると、そういう設定にも慣れているので話はわかるんですが、、、こんな小難しい話、果たしてアンディ少年はついていけたのかっていう疑問はありますね(笑)まあ何にせよ、個人的にはとても楽しめる内容でした。

<『トイ・ストーリー』シリーズとは違った印象のバズ>

先にも書きましたが、この映画では子供向けというより大人向けの要素が感じられる部分も多いです。バズ自らの過信による大きな失態や、時間の進みが変わり、自分だけが取り残されていく孤独なんかはまさにそれですね。特に、彼を差し置いてまわりがどんどん老いていくシーンは、寂しさのあまり思わず涙が出てしまうほどでしたから。でも、彼はスペース・レンジャーとしての職務を全うしようと不屈の精神でミッションに挑み続けます。それは、かつて信頼し合った仲間への誓いでもあったからでしょう。

やがて新たな仲間もでき、希望が見え始めたところでまさかの展開です。「そんな設定あり?!」っていうぐらい想定外の敵の登場に驚き、その敵と対峙することで変わったバズの信念。それは、彼が果たすべき本来のミッションとは異なるものでしたが、今いっしょにいる人たちのことを考えた結果、正しい選択だったと思いますね。自分の考えに固執するだけでなく、柔軟な対応ができることの大切さが感じられました。『トイ・ストーリー』シリーズ(特に1作目)において、バズはどこか融通が効かない印象がありましたけど、本作では真面目な性格はそのままに、臨機応変に対応できるというか、自分の考えだけに捉われない柔軟さを身につける彼の変化も面白いところです。

<そんなわけで>

正直、ツッコミどころがなかったわけではないし、これまでの『トイ・ストーリー』シリーズを踏まえると、思った以上に大人向けの話だとはおも合いましたけど、バズのルーツが知れる面白い映画でした。最近は最新作でもディズニープラスでの配信のみというケースも多いので、映画館で観れる貴重な機会を逃して欲しくないですね。

そういえば、エンドクレジットを観るたびに思いますけど、ピクサー作品ってストーリー担当の人が20人ぐらいいるんですよね。普通の映画よりもだいぶ多いことに驚きました。そして、その映画の製作中に生まれた赤ちゃんの名前も載せるのが粋な計らいですよね。今回も“Future Space Rangers”という形で何人もの名前が挙がっていました。自分に子供ができると、ああいうのいいなって思います(笑)


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