【個人的な満足度】

2022年日本公開映画で面白かった順位：26/111
　　ストーリー：★★★★☆
　キャラクター：★★★★★
　　　　　映像：★★★★★★★★★★
　　　　　音楽：★★★★☆
映画館で観たい：★★★★★

【作品情報】

　　　原題：The Gray Man
　　製作年：2022年
　　製作国：アメリカ
　　　配給：Netflix
　上映時間：122分
　ジャンル：アクション
元ネタなど：小説『暗殺者グレイマン』（2009）

【あらすじ】

"グレイマン"ことコート・ジェントリー (ライアン・ゴズリング) は、"シエラ・シックス"のコードネームを持つCIA工作員。過去に連邦刑務所で服役していたところをCIA管理官のドナルド・フィッツロイ (ビリー・ボブ・ソーントン) にリクルートされ、エージェントに転身した。

組織内屈指の凄腕暗殺者となったジェントリーだったが、ある一件をきっかけに事態は一転、自分がCIAから追われる羽目に。かつての同僚ロイド・ハンセン (クリス・エヴァンス) から世界各地で命を付け狙われる中、工作員のダニ・ミランダ (アナ・デ・アルマス) の助けを借り、ジェントリーは過酷な戦いに身を投じていく。

【感想】

僕が人生で一番好きな『アベンジャーズ／エンドゲーム』（2019）のルッソ兄弟が監督を務めるということで期待大だった本作。内容としては、『007』シリーズにあるような、いわゆる"エージェントモノ"の映画です。2億ドルというNetflix史上最も金をかけた作品だけあって、とにかく映像がすごかったです！

＜とにかく金をかけたなというのがわかるアクションの連続＞

ド派手なパーティーシーンや飛行機からの脱出劇、プラハの街をメチャクチャにするカーチェイスと銃撃戦、そしてラストの敵アジトでの戦いと、息つく暇もないほどのアクションの連続は見ごたえありました。特に、プラハの街で繰り広げられる戦いはスーパーヒーロー映画かと思うほどのド派手さ。いやはや、実在の街であれをやってのけるなんて正気の沙汰じゃないですね！ドローンを多用したスピード感あふれるカメラワークも臨場感あってよかったです。

＜とにかく金をかけたなというのがわかる人気俳優のキャスティング＞

金をかけたのがわかるのは、何もアクションシーンだけではありません。キャスト陣からもそれがわかります（笑）メインは『ラ・ラ・ランド』（2016）のライアン・ゴズリングと『キャプテン・アメリカ』シリーズのクリス・エヴァンス！よくこの2人の共演が実現できたなという驚き。さらに『007／ノー・タイム・トゥ・ダイ』でボンドガールを演じたアナ・デ・アルマスも脇を固めます。今回の彼女はアクションが豊富で目の保養になります（笑）さらに、ベテランのビリー・ボブ・ソーントンまでも！彼はいろんな映画に出ていますが、個人的には『アルマゲドン』（1998）のトルーマン役が一番思い出に残っています。

クリス・エヴァンスに関しては、正義の味方であるキャプテン・アメリカの印象が強いのだけど、今回はサイコパスな悪役。度を超えた拷問を繰り返す異常者です。キャップとは正反対の役柄はファンとしても新たな彼を垣間見れたようでうれしかったですが、角刈りにチョビヒゲで、パッと見はフレディ・マーキュリーっていう（笑）ちなみに、彼が“あるワード”に反応しているシーンがあるんですが、洋画が好きな人なら元ネタがわかるだろうっていう、そんなウィットに富んだギャグを入れ込むのも推しポイントです。

＜お話自体はとてもオーソドックス＞

豪華な出演陣や映像のすごさに目を持っていかれがちですが、内容自体はオーソドックスなエージェントモノですね。王道といえば王道ですが、そこまで秀逸な感じはしませんでした。だからこそ、キャストとアクションで差別化を図ったのかもしれません。

これは個人的な感じ方になりますが、ネトフリのアクション映画って真っ当でそつがない印象なんですよ。『レッドノーティス』（2021）や『アダム＆アダム』（2022）でも同じことを感じたんですが。いや、メチャクチャ面白いんですよ？面白んですけど、なんかこれまで観た面白い映画の要素をいろいろ詰め込んでいる感じで、「こいつはやべぇ、、、！」みたいなずば抜けた感がないと言いますか。ネトフリがどういう製作スタイルなのかは知りませんけど、人々の好みやヒットの法則をデータで導き出しているんじゃないかという勝手な妄想（笑）だとすると、面白さの限界みたいなのって超えられるのかなあなんて思ったりもします。もう一度言いますけど、面白いですし、好きです。でも、キャスティングしている俳優さんたちとの組み合わせもあってか、どこか既視感が強い作品だなって思っちゃうんですよね。いや、まあハリウッド映画ってネトフリに限らず、大体既視感強いんですけど（笑）

＜そんなわけで＞

人気俳優たちがド迫力のアクションを見せつけてくれる極上のエンタメとして楽しめる作品です。7月22日（金）からネトフリで配信されるので家でも観れるんですが、これは映画館で観た方が断然いいと思いました！