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「過敏で傷つきやすい人たち 」岡田尊司著 第一章 過敏性とは

「過敏で傷つきやすい人たち 〜HSPの真実と克服への道〜」岡田尊司著 (第一章 過敏性とは)を読んでの感想と今後の高校生とたちのアセスメントと個別の対応方法についてとてもヒントになる面がありました。第一章での過敏性は音への過敏さや臭いへの過敏さなど神経学的な過敏さです。人への過敏さとは異なります。これらの過敏さの個々の実態を把握することが個別の最適な対応の仕方に大きくヒントになると感じています。それぞれの特徴を見ながら今接する生徒と重なることが多く私自身も今後の方向性のヒントとなりました。この章の最後には感覚プロファイルが紹介されています。4つのプロファイルに分類されています。それぞれが直面す課題と対応策が記されています。今回の記事では特にその感覚プロファイルに絞って書かせていただきます。


◯ネガティブな認知よりも生きづらい過敏性

多くの人には心地よい音でも過敏な人にとっては苦痛を感じるようなこともあるようです。例えば黒板に爪を立てた時の音は多くの人が苦痛を感じる音であり、慣れるものではありません。過敏な人にとってはそういった苦痛を伴っているのかもしれません。度合いはあれど、私も例にあげた黒板に爪を立てた時の音は想像しただけでもサブイボが立ちそうです。こういった過敏性は少数派であることが多いので周囲になかなか理解してもらえず苦しむこともあると思われます。
また、著者のクリニックに通う患者さんにネガティブな認知と過敏性が幸福度、生きづらさ、社会適応度にどれくらいの相関があるかちょうしたところネガティブな認知よりも過敏性の方が生きづらさと社会適応度の低さに相関が強く出たそうです。一般的にネガティブな認知も生きづらさにつながっていそうですが、実際は過敏性の方が強く相関していたのです。
また、別の視点からネガティブな認知を考えていたいと思います。結論としてはネガティブな認知も幸福に生きるためには重要な要素であることが言えます。ポジティブな認知だけでは、楽観的すぎて大きな失敗に繋がりかねないとも考えられます。物事を進める際、最悪の状況も加味しながら、リスクヘッジをすることも大切です。プロ野球でも今年日本一になった阪神タイガースの岡田監督も最悪の状況をいつも想定しているといったコメントがあったと記憶しています。案外指導者や経営者はリスクヘッジを優先的に考えている面があります。
著書にはポジティブとネガティブの比率についても言及されていました。ぜひ参考にしてください。

実際、ポジティブとネガティブには、最適な比率があるとも言われています。その最適比率は、4:1です。ネガティブな部分もある程度必要なわけです。

「過敏で傷つきやすい人たち 」岡田尊司著 

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