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旅支度【エッセイ】一四〇〇字

 当たり前のことだけど、いつ、突然、旅立ってもおかしくない。当たり前のことだけど、形あるものは、みな消えて無くなる。それを、どこかで「ひょっとしたら、自分だけは違うんじゃないか」と、思うところに悲劇、いや喜劇を招く。「お、きたきた。いいよ、いつでも。準備はできているからさ」と思えば、明るく旅立っていけるのではないか、と思った、この一か月の入院であった。あんたなんか、私・俺の重篤さに比べればまだまだよ、なんて思うお方もいらっしゃるかもしれない。そこで競っても滑稽なだけ。でもねえ、脈拍300までいかなくても200をゆうに超え、胆管から体外、体外から胃へ鼻腔を通るチューブ、そして人工呼吸となれば、覚悟はするよ。
 γ-GTPが四桁(基準値:13~64)になり、尿が褐色になり、便がクリーム色になり、肌が黄色くなってくる。健康診断を行った病院から「至急来院できますか?」とお呼びがかかった。あとで知るが、異常中の異常なことだったらしい。健診は街中の(一応、入院施設のある)「病院」でやってもらったのだが、さすがにその後もお任せするには不安があり、「行きつけ」の慶応大学病院への紹介状を出してもらった。正解だった。たぶん、その病院(外科)だと、即刻、「切腹」とあいなったのではないかと、いま思えばゾっとする。
 結果的には、黄疸の原因となっている胆管の詰まりをステントの挿入で回避。その作業を内視鏡で行うというのだから、さすがは、馴染みの病院(なんだかんだと文句を言っているが、5つの外来に世話になっている)。石原裕次郎や王貞治なんかも命を救ってもらっている、病院である(あ、安倍晋三なんてヤツがドックに通っていたな)。
 思えば、支度なんて仕掛かってもいなかった。神聖なる「死」に対する冒とくでもあったと、深く反省する。で、遅ればせながらであるが、これからその準備に取り掛かろうと思っているのである。
 まずは、旅先への入口(この世の出口にもなる)である。世間は、それを墓と言うのだろうが。過去のエッセイでも触れたが、ワタクシは、墓はどうでもいいと思っている。いや、(影も形もない状態である)ワタクシのためには必要ないのである。あえて言うならば、残った者たちと、生きている間のワタクシの自己満足でしかないのが、「墓」なのである。
 なので、できるだけ面白く、誰もが楽しめるような「墓」がいい。そう思った。そこで、決めた。やはり、いま流行りの樹木葬である。
 宝泉寺というところに、決めた。この3月末にグランドオープンする。場所は、ワタクシがお世話になった早稲田学生街のど真ん中にある。本部キャンパス8号館(法学部)の真裏に位置する。出身の文学部キャンパスからも500mぐらい。まるでキャンパス内に霊園があるような位置取りである。法学部の学生なんかは、面白くない講義を聞き流し、墓を見て、オレもいつかはあそこに入ってもいいな(いや、死んでまで早稲田に関わるのはm(__)mだ、と思う輩もいるかもしれないが)、と企てるものがいてもおかしくない。それほどに近い。
 樹木は、むろん桜の木。卒業・入学シーズンには、仲間のご子息,いやお孫さんが早稲田の学生にでもなったら、見学に来られるのもよろしかろう。
 旅立つまでは、仲間が集まって、その桜の木の下で盃を交わすのも良いのではなかろうか、と楽しみにしている。その前に、酒を呑める体に戻すのが先ではあるが…。

わが人生の出口」「『虚空』への入口」
樹木はむろん、桜。背後のビルは早稲田大学8号館(法学部)



営業に関わってはいませんよ。念のため。(笑)
でも早稲田の出身者にはいい場所ではないかと思われるので、いちおう推し。

(おまけ1)

最初に買ったレコードを、さいしょに。 (きんさん、正解です。よく記憶していましたね)

(おまけ2)
「週刊女性PRIME」が選ぶ、女性2000人が選んだ落選してほしい自民党議員ランキング
「1位 いない 556票」というのは????ではあるが、順位は別にして異論はない。

1位 いない 556票 2位 麻生太郎(83) 522票 3位 二階俊博(85) 222票 4位 岸田文雄(66) 174票 5位 杉田水脈(56) 117票 6位 河野太郎(61) 48票 7位 萩生田光一(60) 45票 8位 小渕優子(50) 40票 9位 稲田朋美(65) 25票 10位 高市早苗(62) 24票

そうそう、「東京都千代田区永田町1-7-1」への「怒りのエッセイ」も心置きなく書いていきますよ。「“筆が腐らない” うちにと言っておきながら、2か月以上も空いてしまった。

「バカにされっぱなしでいいのか? またバカな国民は、そのうち忘れると(政権与党の政治家に)思われているぞ!!!」とだけ、とりあえず、言っておきやしょう。


税金は俺・アタシのカネと思っている輩に没収されるわけにいかんので、相続はしっかりと方つけておきたい。


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