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#音楽レビュー
2022年ベスト・トラック20
ここ数年のベスト記事とほぼ同じことを言うようで恐縮ですが、今年もアジアのポップ・ミュージックをたくさん聴きました。欧米圏の有力メディアやオルタナティヴな媒体が積極的にアジアの音楽を取りあげてくれるおかげで、これまで以上にディグりやすくなりました。
アジアの中でも韓国はおもしろい作品が多かったと思う一方で、フィリピンやタイなどもどんどん盛りあがってるなと感じる1年でしたね、また、そうした波によう
人々の不安や哀しみに寄り添うLoyle Carner『Hugo』の誠実な言葉
UKラップ・シーンにおいて、ロイル・カーナーというラッパーは独特な立ち位置を保ってきたと言える。サウス・ロンドンのランベスで生まれたカーナーは、グライムやUSヒップホップの影響下にありながら、それらの音楽とは毛色が異なるサウンドを作品では鳴らしているからだ。他のUKラッパーがアフロスウィングやUKドリルを定石とするなか、ジャズ、ゴスペル、ソウル、ファンクといった要素が濃い方向性を突きつめ、孤高的
もっとみるSEULGI(슬기)「28 Reasons」
レッド・ヴェルヴェットのスルギ(슬기)がソロ・ミニ・アルバム「28 Reasons」をリリースした。これまで彼女は、アイリーンとユニットを組んでの課外活動はあったものの、自分だけを前面に出したソロ作品は本作が初めてだ。ゆえに発表前から注目度は高く、期待も集めていた。
結論から言うと、本作は素晴らしい作品だ。スルギはヴォーカルもダンスもハイレヴェルなアーティストであるのは周知の事実だが、そうし