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詩No.115「暮れ」

僕のスクリーンに
芒は後ろめたく映った

よろよろと覚束無い
締まりの悪い娯楽と同じね

そのひとつ撫でつけたって
なんの償いにもならないのに

あなた、あなたは今
何をしているのでしょうか。
なんでもなくていい。
ただその顔が観たいのです。
ただその声を、頼もしく僕の前で生きる姿を
有り難く観たいのです。


やがて姿なき風は
僕と芒を追いこして遥かへ

「いつかなくなってしまうもの」
それだけで成り立つ世界に
意味を見出だせない僕を
叱ってほしかった

そのひとつ殴ったって
僕は僕では終わらせられない
慰めてばかりで 甘えてばかりで

あなた、あなたは今
なにを想うのでしょうか。
その頭蓋の一部で良い
なんでもなくていい
せめて片隅に僕を生かしてはくれませんか。
あなたの想いの中に
僕は在りたいのです。



償いよりも悔いを重ねて
ここまで来てしまった僕に
「まだこれからだよ」と言った
あなたに、会いたい。

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